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若者がIターンするワケ

2014-09-08 | ブログ

僕たちは島で・・・ JPG

島根県隠岐の島の海士町、北海道雨竜郡の沼田町

この2つの町にIターンした若者にお話を聞く機会がありました。

その中で感じたことをご報告します。

 

海士町へ移住!

『僕たちは島で、未来を見ることにした』を出版した株式会社巡りの輪、阿部さんと信岡さん。先日の立教大学でのODNJの年次大会では、阿部さんのセッション「小さな島で目指す、世界一の『ド田舎』モデルとその波及装置としての大学づくり」に参加しました。セッションの後、阿部さんにトヨタ自動車を辞めて移住した理由を尋ねると

「トヨタにはいない、違う魅力をもった人がたくさんいたからです。」とおっしゃっていました。もちろん、自動車業界のリーディング企業であるトヨタ自動車さんには、魅力をもった方はたくさんいます。ただ、暮らし方、住んでいる土地に基礎とした考え方が違っていて、島の方々のほうに魅力を感じたということだと思います。

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信岡さんは著書の中で、東京で働いているときに「僕は何をしているのだろう?僕の仕事は世の中の役に立っているのだろうか?」というような疑問が湧き、自己実現を実感できる場所を探していたとあります。

今、お二人は、島で食べていく、島で雇用を創るとことを目標に日々、楽しみながら努力されているように見えました。

 

沼田町で生きていく!

沼田町一方、沼田町に2~3年前に「地域おこし協力隊」として来た黒田さん。地域おこし協力隊として活動する中で、土日にカフェを開いてイベントや観光案内所をしていました。契約の2年が過ぎると・・・

なんと、そのまま「農民カフェ」のママになってしまいました。

この黒田さんに移住のワケを聞いてみると・・・

「東京での生活に限界を感じていたから。」でした。この「限界」とは黒田さんは成長の限界、大都市の限界というものからくる生きにくさのようなことをおっしゃっていました。そして、沼田の人といることが楽しい、と。

もう一人、2013年、2014年の8月1カ月限定のカフェを沼田町で開いている細根さんという女性を紹介していただきました。細根さんは、地域おこしが趣味という社長とともに来訪し、沼田町をもっとよく知るためには住みこまなくちゃ!と1カ月限定でカフェを開いているそうです。

また、ここでもその理由を聞いてみると・・・

「沼田町の人が大好き。みなさん、とってもあったかくていい方なんです。」この沼田町を、沼田に住む人を日本に、世界に紹介したい、とおっしゃっています。現に、ご自分のお仕事の知り合いや友人を沼田町へ誘って、人と人をつなげています。

(彼女のお姉さまが創った沼田町関連のHP、沼田町への愛が伝わってきます。http://www.hanaguma.info/numata/ )

 

街場の共同体論

街場の共同体論共同体論から

この3つのインタビューから浮かぶことは、内田樹『街場の共同体論』に書かれていたことでした。

第7講 弟子という生き方に・・・

これからは、従来のキャリアパスを一直線に走ることにはためらいがあり、どうすれば幸せに生きていけるのかを真剣に(特に若い女子は)考えているのではないか。そして、その幸せに生きるモデル=先導者を探している。その先導者は「ラッキーな運のいい人」で、いつでも機嫌のいい人、なにごとも楽観的に眺められる人である。これからの時代は先が見えず、不透明で、従来のモデルが幸せをもたらすとは信じにくい世の中になっている。そんなときには運がいい人についていけば助かるのではないだろうかと運のいい人について行くというカンが働いているのではないか。それは、日本人が忘れているものだろう。

というような趣旨でした。そして、その運のいい先導者を見つけるために直観が働くように感度を上げて、直観を大切にできるようになっていなくては、ついて行く人を間違えてしまうのでしょう。

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Iターンのワケ

縁もゆかりもなかった土地へIターンするワケは、ここなのではないかと思いました。

いつでも機嫌よく、自分の仕事に誇りを持って、その土地や暮らし方を愛し、そのベースには土地の歴史を基準にした長い時間軸がある・・・

阿部さんのいう「ド田舎」にはそういう人がたくさんいる!話してみるととっても深い話しがバンバン出てくる!その土地に誇りを持って生きている人達にふれたら、「この人達について行こう!」と思ったのかもしれません。

Iターンには、その土地に惹かれて、というよりも、その土地に暮らす人々に惹かれて、そして、ここにいていいんだという居場所ができるということが重要なポイントなのだと思いました。

そんな自分の生まれた土地(地域)に誇りをもって、前向きに生きている人達が若者を惹きつけるのですね。


 
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