2014-08-25 | ブログ
ここ数年、インプロを楽しむ会に参加しています。その理論的な背景を知りたくて、本を読みました。すると、インプロは人生の生き方、様々な課題への対応の仕方、というよりも対応するときの在り方が書かれていました。友人に2,3内容を伝えてみたところ、話す・スピーチする・プレゼンするという、人前で話す機会が増えているのでしょう、インプロ的「話すためのメモ」が一番好評でした。インプロについての学びや気づきはたくさんありまししたが、今回は「話すためのメモ」をご紹介します。
インプロ(即興劇)とは
improvisationの略で、準備しない、即興等を意味しており、Jazzや即興劇にこのワードが使われています。準備をしないで、アドリブでいろいろなゲームをして楽しむ、演劇をする、劇を見ている人のリクエストに応えて演じるというものです。東海地方のTV番組では「鶴瓶のスジナシ」というものが10年以上放送されていました。登場人物の設定から動き、ストーリーまで台本のないお芝居をTVカメラの前で進行していくというものです。
観衆の前で演じたり、楽しんだり、インプロのマインドを活用したり・・・。インプロは静かな広がりを見せているようです。演劇を志す人たちだけではなく、アニメーターやデザイナー、営業や福祉の分野にまでインプロの研修は広がっているそうです。前例のない課題への対応には、しなやかな対応が求められるのかもしれません。ファシリテーションと近い考え方があるように思えます。
この本は、長年、スタンフォード大学でインプロを教えているパトリシア・ライアン・マドソン名誉上級講師の手によるもので、インプロの技術というよりも、インプロ的な生き方が記されていました。書籍の帯には、「準備なんていらない、さあ 始めよう! スタンフォード大学で30年以上実績を持つ人気講義から生まれた自分を信じて行動するための実践スキル!」とあります。インプロも技術(スキル)よりも在り方であったり心構えであったりするマインドと言われる部分が大きいようです。
話すためのメモ
この興味深い内容の中から、友人からの評判のよかった、すぐに役立つ!すぐに出来そうなことを一点ご紹介しようと思います。
インプロでは準備をしないで、「いまを生きる」「最初の考えを大切にする」「自分を信じる」などなどの基本的なスタンスがあります。
講演やレクチャー、プレゼン、スピーチなど、人前に立って何かを伝えなくてはならないとき、伝える機会があるときは、原稿をつくったり、講義メモやプレゼンの練習などをしますよね。小学校、中学校、高校のときには、入学式や始業式、毎週ある朝礼など式と言うものがあるたびに、校長先生、来賓の方々がながくて(ちょっと退屈な)ごあいさつをしていらした記憶はおありかとおもいます。
ごあいさつされる方はみんなのために、何を話そうか?あれは伝えたいな、やはりここは押さえとかないと・・・ということで時間をかけて準備してくださっていたと想像しています。ただ、残念なことに、聞いている方は原稿の棒読みが長時間つづいて・・・
そこで、インプロ的準備(インプロに準備?ですが)とは・・・
自分に対する問いかけを考えておくことでした。
例えば、スピーチをするとして原稿を準備するとなると
「本日は、暑い中私の○○の講演にお越し下さり、ありがとうございます。また、この講演にお招きくださった◇◇さまにも感謝いたします。私は△△をしており・・・」と書きます。
こんなに文章がずらっと書いてあると、ついつい文章を読むことに集中していまい、聴衆のみなさんの顔をみることは少なく、スピーチは文章とにらめっこする時間となってしまいます。
インプロ的な準備では
・ 私をここに招いてくれたのは誰?誰に感謝するべき?
・ 私の職業は?どんなことを心がけているの?
など、自分への問いかけをメモしておくのです。
すると、文章とにらめっこすることはなく、聴衆を見ながら、自分への問いかけの答えをお話していくことになります。聞いているこちらを見て話しかけられるついつい話を聴いてしまいますよね。
話しているほうも、聴いているほうも楽しい時間がもてるということになる、そう書いてあります。
文章を頭にいれたつもりでも
ところで、一晩寝ると忘れるということはありませんか?とくに大人数の前であったり、大事なプレゼンであったりすればするほど緊張してしまい、いざというときに頭が真っ白になってしまう・・・
そんなときには、このメモがとっても役立つのではないかと思います。インプロ的に即興で(でも、その前に内容についての検討はしてありますよね)インプロのマインドである「自分を信じて」問いかけに答えていけば、話しているうちにいつもの自分を取り戻して話を進めることができます。
こうなれば、もう安心して続けられますね。
自分をふりかえってみると、私が大学で非常勤講師を始めるとき、恩師からの貴重なアドバイスがありました。それは、「講義メモは、要点だけにしなさい。長い文章はダメだよ。」ということでした。その教え今でもをきっちりと守っているのですが(というよりも長い文章を書くと、今どこを話しているのかわからなくなってしまうのです)、少しはライブ感のある授業になっているのではないかと思っています。
学生さんから質問がひょいひょい飛んでくるので、それだけでもライブ感はあるのですが。
せっかく、インプロを学び始めたので、今までの要点メモに「問いかけ」を入れてみようと思っています。もっとそこにいる方々の顔を見ながら授業やセミナーを進めることができると「自分を信じて」。
2014-08-11 | ブログ
オープンキャンパスで、ワークショップをする企画で、ファシリテーターをする大学生に「ファシリテーター養成講座」をしました。
ワークショップを経験したことがない大学生が当日ファシリテーターができるように、2コマのかぎられた時間内での挑戦でした。
プログラムでは
①アイスブレイク
②当日のワークショップでメインファシリテーター、テーブルファシリテーター、グラフィッカー、タイムキーパーの役割の説明
③共通のテーマでワークショップ模擬体験とふりかえり
④学部ごとのテーマでワークショップの模擬体験とふりかえり
⑤当日にむけて作戦会議
このような流れで行いました。
2つのキャンパスで、各回20人前後の参加者がありました。
講座で学んだこと
参加した学生さんたちのモチベーションは「先生に言われたから来た。今日、何をするの?」から「オープンキャンパスで楽しみたい」「アルバイト感覚」などさまざまでした。
その学生さんたちが、プログラム④からたいへん盛り上がり、⑤では終了の時間が来てもお構いなし!で作戦会議を続けてくれていました。
見ているこちらの方が、うれしく、ありがたい気持ちになりました。
始まりと終わりのモチベーションの差は何だろう?とふりかえってみると、「ポジションが人を育てる」ということだったのだなぁということに至りました。
講座の中でお伝えしたのは、ファシリテートの仕方はもちろんなのですが、
オープンキャンパスの意義
講座に参加してくれた学生さんたちの役割
期待される成果
そしてちょっと自尊心を刺激する
でした。
この中で、影響が大きかったのが、後半の2項目だったのではないかと思われます。
期待される成果では
オープンキャンパス後の状態をイメージしました。
このワークショップに出た高校生が、あなたのいる学部に入学し、ある日あなたはキャンパス内で声をかけられます。
「先輩のワークショップに出て、この大学のこの学部ってとっても興味深いことをやっているのだなぁと思って、入学しました」と。
そして、自分の行動の影響は
そんなことがあったらうれしいよね。あなたたちのがんばりで、そうなるかも!
*ここでポジションや責任を自覚したのだと思います。前向きな学生さんたちは「よ~し!その期待に応えてやろう!」と思ってくださったのですね。
他人ごとが自分ごとになったともいえるかもしれません。
ちょっと自尊心をくすぐる、では
その成果のために必要なことは、「先輩って、すご~い!こんな風になりたいなぁ」と高校生に思ってもらうこと。
④学部ごとのテーマ(先生方が考えてくださいました)でワークショップ体験をした後、
「あなたたちは、この難しい専門用語を理解して話し合いができるけれど、高校生は、きっと分からないよね。あなたたちの分かっている専門用語を、高校生にわかるようにしてあげること、その上で、初めて会った高校生同士が話し合いをできるようにすること」がカギであることを伝えました。
*この言葉で、大学で学んだ3年間に対して誇りと自覚を認識できたのだと思います。
まとめ
「ポジションが人を育てる」ためには、
・ 目標と自分の役割を明示すること
・ あなたならできる!と背中を押してあげること(自信をつけてあげることも)
・ 信頼して任せること(待つことも大切)
今までよく言われてきて、基本的なことだとは思いますが、ほんの数時間でも効果があるものなのだと実感しました。
生命保険会社のとき、12~13人の部下がいたことがあります。そのときも、チーム一丸となってキャンペーンに取り組み、目標を達成したことを思い出しました。
営業チームだけでなく、大学生にも通用するのですね。
2014-08-03 | ニュースレター
「ちょっと新しいアンケートの試み」
ごみ処理計画を策定するお手伝いをすることになりました。
その前段階のアンケートづくりにも参加させていただけます。
アンケートはだいたい住民基本台帳殻からの無作為抽出でお願いすることが多いですよね。
でも、ゴミ処理は住民票がなくてもそこに住んでいる(選挙権がなくても)方は利害関係者なのです。その方々へも意識調査できないかとの試みをすることになりました。単身赴任の方が多いと目処をつけ、企業さんにお願いしよう!となりました。企業さんにお願いして該当者に渡していただく、その後の回答、投函は任意なのですが…
たくさんの回答が集まることを祈って!