ソーシャル・アクティ まちづくり&組織の活性化・ファシリテーション

社会が、一人ひとりが、生き生きと生活できる社会の実現をめざしています。

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連携、楽しいです

2020-05-22 | ブログ

今まで一人でできていたことが、オンラインになると難しいことが出てきました。

例えば、オンラインで多数の方に参加していただくワークショップ。

これは、多人数になればなるほど一人で行うのは難しいものです。

無料イラスト(人物)女性のイラスト3

オンラインでのストレスを少なくし、グループワークをするにも一人では無理。

さらに、使うツールにはさまざまな工夫と、進行中の裏側でのスタッフ間のやりとり…

(直接、そばへ行って打ち合わせするわけにはいかないですよね。参加している方全員に聞こえてしまいます)

スタッフにとっては、とてもストレスフルな場となります。

そこで、そのストレスを低減する、参加者にワークショップの内容に集中してもらうためには、事前の綿密な打ち合わせや使用するツールの準備が必要になってきます。

まさに、連携!協働の場がそこにあります。​

無料イラスト] 手をつなぐ子供たちの輪 - パブリックドメインQ:著作権 ...

今回、これを痛感したことが2つありました。

【1つめ】

5月10日(日)には、日本ファシリテーション協会中部支部の定例会で名古屋工業大学の白松先生をゲストにお迎えし、「AI×ファシリテーション」について考え、話し合うことを行いました。(https://www.faj.or.jp/base/chubu/news/2020510-5175/)

 

このときは、参加者が50名超。

もちろん、FAJですので、グループワークは必須です。

zoomを使って、何度もグループワーク(ブレイクアウトセッション)を行いました。

それも、毎回異なるメンバーであれば、zoomのアルゴリズムにお任せすればよいのですが、この時は同じメンバー。ここからは異なるメンバー。といろいろな組み合わせで行いましたので、テクニカル担当は大変でした。

ゲストの先生、ファシリテーター、テクニカル・ファシリテーター(オンラインで行うとき、FAJではこのように呼んでいます)2人で行いました。

対面でのワークショップよりも検討事項が多く、より詳細な決め事をしておくことで連携がスムーズになり、その場の変更にも対応できました。

 

【2つめ】

その翌週、5月16日(土)は、オンラインでのHUG(避難所運営ゲーム 今回は複合災害も視野にいれて)を行いました。

(https://www.faj.or.jp/base/chubu/news/-2020516-5176/)

こちらは、1つめのワークショップを​上回る準備が必要でした。さらに、参加者は80名!プレッシャーもかかります。

対面で行うカードゲーム。これをオンラインで実行するには、オンラインでどのように行うのか?から打ち合わせが始まります。

避難所運営カードゲーム「HUG」 中高生と住民が協力プレー、防災意識と ...

なんと、今回はメンバーの中にエクセルのマクロを使いこなす人がいらっしゃいました!

対面のカードゲームを体験できず、イメージだけで創ってくださいました。

(ニックネームたっしー、にちなんでたっしーマジックと呼んでください)

2週間の間になんとver11まで改善してくださいました。(定例会前夜、お試しでやってみたところ「もっと、こんな感じがいいな」という感想があり、一晩で再作成!)

メンバーの一人が「静岡県の許可がいるのでは?」とみつけてくれ、ぎりぎりのタイミングで無事に許諾いただくことができました。(静岡県さんも事情を理解してくださり、スピーディなご対応をしていただきました)

参加者の中には、FAJの復興支援委員会のメンバーもいたので、避難所の状況もみなさんに聞いていただきながら進めることもできました(当日、お願いしたにも関わらず、あうんの呼吸で進めることができました)​

 

あれもこれも、本当に、メンバーとの連携、協働で成功に導くことができました。

協働ってなんだろう - (特活)秋田県南NPOセンター

アフターコロナ、withコロナは、連携、協働がクローズアップされると前回のブログにもありました。それを体感した定例会でした。

つながって、それぞれの得意なことを持ち寄って、お互いをリスペクトして、一つのことを行う。

成し遂げた後は、一人で行うよりも充実感がありました。

 

緊急事態宣言が解除されても「withコロナ」です。連携、協働していけるチャンスも増えてきそうです。

オンラインだけでなく、地域の中でも本当の意味での「協働」する機会が増えてくるのでは?と思いました。

とても楽しみになってきました。

 

 

 

 

 

 

 

オンラインのイベントをする前に気を付けたいこと

2020-05-13 | ブログ

COVID-19

この記号には、随分となれました…

世の中がリアル→オンラインに移行していますよね。

日本ファシリテーション協会(FAJ)は、ささっと対応して、毎月開催している定例会を3月からすべてオンラインに切り替えています。

(この適応力がすごいです)

https://www.faj.or.jp

 

5月10日(日)には、私の担当する定例会をオンラインで行いました。(FAJ 中部支部として行いました)

名古屋工業大学の情報工学をご研究していらっしゃる白松先生とコラボして、

AI(人工知能)がファシリテーションの中で、どのように役立つのか?について語り合う会としました。

参加者は50人強。(AIへの期待が大きいのだなと心を引き締めて臨みました)

無料イラスト テレワーク・オンライン会議・ビデオ通話・リモートワーク

 

やってみると…

毎週、どこかの支部で開催されている定例会。

時間もあるし、興味もあるし…ということで、毎週、私も参加しておりました。

 

さまざまな進行を見て、これならたぶん行ける!とプロセスをデザインしてドキドキしながら臨みました。

ところが、

イザ!やってみると、さまざまなハプニングが…

とりあえず、今回では1つだけご紹介しますね。

困る女性のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

なんと、一番痛かったのが、ファシリテーター(私)のアナウンスが音声がプチプチと途切れて、とってもつらかったと、終わってからのふりかえりで言われたことです。

「え?そのときに言ってくれればよかったのに~」

「チャットに書いたよ」

「あ~。全く見てなかった」

音声の途切れるのは、聞いているほうはつらいですよね。耳が痛くなるし、長引くと頭も痛くなってくる…

ご参加のみなさま、申し訳ありません。

→声が聞こえているか?は確認が必要。でした…

騒音などに耳を塞ぐ女性のイラスト | 無料のフリー素材 イラストエイト

 

PCのスペックが問題

そして、音声が途切れる対応としては、

参加者にファシリテーター、話題提供者が話しているときは、マイクだけではなくカメラもオフにしていただいていると少し、回復するそうです。

しかし、もともとは、私のPCのメモリーがいっぱいいっぱいだったことのようでした。(これは、その場での修正は無理)

その理由を詳しい人に聞くと…

「参加者が多い場合(今回は50人以上!)、みんながカメラをオンにしていると、その動画を処理するのにメモリーやCPUに負担がかかる」

「PCのスペックを上げるしかないね」

と…

 

*多人数が参加するオンラインイベントの前にやっておきたいこと

これは、主催者のPCのスペック、メモリー等の容量を確認しておくことでした。

 

教えていただいたのは…

メモリ16G(店頭では→店頭を見て回ると8Gまで。あとはメーカーさんに送って追加してもらうとこと。)

SSD付

できれば画像処理の性能を高めるソフト(店頭では→今は、PCに外付けで素人が追加するのは難しい(というか、無理)とのこと。)

PC(パソコン)用メモリイラスト素材 | イラスト無料・かわいい ...

そして、お値段がこんなに高いPC???

でした。

 

オンラインで多数の人を集めて何かやろうとするには、投資が必要なのだということが分かりました。

そして、この壁を乗り越えると、快適なオンラインイベントができる!(ハードは整う)

 

と新たに誓うのでした。

 

これで、ハードの対応が整いました!

後は、ソフトをどのようにするか?→ここは、腕の見せどころ。

拳を握る - パブリックドメインQ:著作権フリー画像素材集

 

オンラインで開催すると日本全国、どころか世界の中から気軽に参加いただけるようになりました。

オンラインの可能性を考えていきたいとも考えています。

『ポスト資本主義』を読みました

2020-04-23 | ブログ

 

新型コロナウィルスが流行しております。

世界中でロックアウトを決行する国が増えて、世界が閉じていくようです。

そのような状況の中、ポスト・コロナ、ウィズ・コロナという言葉を耳にするようになってきました。

それはどんな社会になるのか?何か書籍はあるのか?とこちらの本を読んでみました。

『ポスト資本主義~科学・人間・社会の未来~』広井良則、岩波新書、2015年

[広井 良典]のポスト資本主義 科学・人間・社会の未来 (岩波新書)

(https://www.amazon.co.jp/ポスト資本主義-科学・人間・社会の未来-岩波新書-広井-良典-ebook/dp/B014R3S72I/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=ポスト資本主義&qid=1587650602&sr=8-3)

 

内容は

5年前に書かれたものですが、今日のことを予見したような内容でした。

定常化する経済(成長が止まる、または低い)の中にあって次のステップにはどのようなことが待っているのか?どのような社会になるのか?について書かれています。

著者は科学哲学も修めたとのことで、哲学を背景とした分析と公共政策学をもってポスト資本主義を考えていくという構成になっています。

 

大まかな流れは、以下のようになっています。

・資本主義がどのように進化してきたのか

・資本主義とパラレルに進化してきた近代科学

・現代の資本主義の向こうにある、持続可能な社会とは

 

資本主義の歴史の中で、特に印象的だったのがそもそも資本主義とは何か?です。

・資本主義の起源は、1215年第4回ラテラノ公会議でローマ教会が金利(利子)をつけることを認めたことをもって実質的な資本主義の成立としている(併せて所有権が認められ、合資会社、銀行ができた)p23

・資本主義経済=市場経済+拡大・成長(資本主義経済の前提として、人間が自然を克服、コントロール(消費)して発展してきた。

・その自然の資源としての限界が訪れるときに拡大・成長が止まり、定常化する。

・その後、イノベーションが起こり、次のステップへ。

 

【寄り道ですが】

貨幣・利子について考えるときに、いつも頭に浮かぶのが、シルビオ・ゲゼル(https://ja.wikipedia.org/wiki/シルビオ・ゲゼル)という経済学者の考えた貨幣についての思想です。(ケインズもこの思想を評価しています)

Silvio Gesell (1895).jpg

(https://ja.wikipedia.org/wiki/シルビオ・ゲゼル)

『自然的経済秩序』という論文の中で、貨幣について書いています。

自然界の中で時が経つとすべての物が劣化していくのに、貨幣だけが利子がついて増えていく。なので、人間は自然に反した貨幣が欲しくなる。

逆に「時が経つと劣化(減価)する貨幣であれば、減価する前に手放してできるだけ高値で使おうとする」

という仮説を立てて、ある村で実験し、その村の経済は活性化した。

というものです。

 

この考え方は、ミヒャエル・エンデ『モモ』にも影響を与えています。

[ミヒャエル・エンデ, 大島 かおり]のモモ (岩波少年文庫)

(https://www.amazon.co.jp/モモ-岩波少年文庫-ミヒャエル・エンデ-ebook/dp/B073PPWX7L/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=モモ&qid=1587650787&sr=8-1)

また、日銀の金融研究所をはじめとした研究所などで研究を重ねてきたリチャード・A・ヴェルナー『円の支配者 誰が日本経済を崩壊させたのか』草思社、2001年にも「お金」について近い考え方が書かれています。(こちらは、お金には陰と陽があり、円、ドルなどの基軸通貨が陽、地域通貨が陰として、陰と陽があることでバランスがとれるのだと)

円の支配者 - 誰が日本経済を崩壊させたのか

(https://www.amazon.co.jp/円の支配者-誰が日本経済を崩壊させたのか-リチャード-ヴェルナー/dp/4794210574/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=円の支配者&qid=1587650948&sr=8-1)

ポスト資本主義の社会では

話を戻して…

下記の図(p223)をお借りすると、

p223、ポスト資本主義

個人は市場経済に対応しており、短期的な時間軸の中で成り立っています。ここでは、個人は分断され孤立しています。

しかし、個人は一人では生きていけず、個人が意識しているか否かではなく、人とのつながり(共同体、コミュニティ)を土台として成り立っています。

そして、共同体は人だけでは生きていくことはできず(食べるという人間の基本的な欲求も満たされません)、自然を土台にして成り立っています。

現代資本主義がこのことを忘れてしまっているのではないかと言っています。

 

いまこそ、個人が立っていた場所、共同体(コミュニティ)と自然(環境)と共生することになるだろう、とおっしゃっています。

 

他の方も…

『分かち合いの経済学』神野直彦、岩波新書、2010年

財政学の視点から工業資本主義、金融資本主義が終わり、知識資本になる。個人は人間の欲求である「存在欲求」を犠牲にして「所有欲求」に変えてきた。が、それは代替できるものではなかった。知識資本主義では、「所有欲求」よりも「存在欲求」が満たされる。そのためには存在を認める共同体が必要になる。

分かち合いをしていくこと=個人ではなく共同体(コミュニティ)、自然を土台にするということが必須になる。

ここでは、自然は人間がコンロトールする対象ではなく、共生する対象だとおしゃっています。

(https://www.amazon.co.jp/「分かち合い」の経済学-岩波新書-神野-直彦/dp/4004312396/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=分かち合いの経済学&qid=1587651031&sr=8-1)

 

『未来への大分岐 資本主義の終わりか、人間の終焉か?』マルクス・ガブリエル他、集英社新書、2019年

この中でポール・メイソンと斎藤幸平の対談の中に、現在でもポスト資本主義の萌芽がみられると言っています。ウィキペディアのように人々の協働によって成立していることです。この編集には無償で多数の人が携わっています。(資本主義の中ではありえない。同じことを企業が行っても成立しない。)

これは、人々が強制的・義務的な仕事から解放され、無償の機械を使って再生可能エネルギーと天然資源の高いリサイクル率の原料を使って必要なものを生産する。情報技術の発展に支えられて、持続可能な協働経済の完成形がポストキャピタリズムである、と言っています。p255

(https://www.amazon.co.jp/資本主義の終わりか、人間の終焉か-未来への大分岐-集英社新書-マルクス・ガブリエル/dp/408721088X/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&crid=HQS9HYJM8UVW&dchild=1&keywords=未来への大分岐&qid=1587651096&sprefix=未来への%2Caps%2C329&sr=8-1)

 

3冊だけではありましたが、3者を読んで言えることは、

・工業資本、金融資本の社会から、知識を資本とする社会に移行していく

・そこでは、共同体(コミュニティ)と自然(環境)が人間の生活の土台になっている

ということでした。

コミュニティは従来の町内会のようなイメージではなく、新たな共同体をつくっていく、共同体ができていくということなのだと考えられます。

フリーイラスト 集会で話し合いをする人々 | フリーイラスト, イラスト ...

 

人と人が対話していくことで共同体の結びつきができていくと思いました。

そして、その対話の場にはファシリテーションの技術が活用されているだろうと。

ということを考えていくと、ポスト資本主義の社会にもファシリテーションは必要だと心を強くしました。

これで、新型コロナによる影響も、新しい社会の到来を促進すると前向きにとらえることができました。

 

これからも、よろしくお願いします。

意外な内容!『不道徳お母さん講座』

2020-04-12 | ブログ

タイトルに惹かれて購入し、積んであった『不道徳お母さん講座』堀越英美、河出書房新社

サブタイトルは 私たちはなぜ母性と自己犠牲に感動するのか でした。

 

サブタイトルまで読めば、なんとなく深い内容なのか?と想像はできますが、

アマゾンさんのオススメで、メインタイトルを見て、面白そうなのでかる~く読めるでしょうとクリックしてしまいました。

(https://www.amazon.co.jp/不道徳お母さん講座-私たちはなぜ母性と自己犠牲に感動するのか-堀越英美/dp/4309027156/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&crid=H3U74QC4WFUR&dchild=1&keywords=不道徳お母さん講座&qid=1586698630&sprefix=不道徳お母さん%2Caps%2C282&sr=8-1)

 

内容は

明治維新以降、母親、女性に求められる像の変遷が文学とその作者の背景を根拠として詳細にレポートされています。

 

まず、第1章は国語教育に埋め込まれた道徳のレポート。

みんなが読んでいた「ごんぎつね」

教科書には必ず掲載されていましたよね。

どうやら、新美南吉の原作とは少々異なっているのだそうで。

(ごんはもっとドライな気持ちだったようです)

テストでは、このときのごんの気持ちは?と心情を察して書きます。

文学での解釈は受け取り手の自由なはずなのに、正解があります。

著者はここに道徳が埋め込まれていると分析しています。

かわいいキツネのイラスト | イラスト無料・かわいいテンプレート

そして、第2章では、その後に展開される「良書」についての検討。

明治のころ、小説は有害メディアと批判されていたこと、

当時は少年と言えば、男の子だけでなく女の子も含まれており、内容は男女共通。

少年雑誌には少女の投稿ももちろんOKという開かれた雰囲気があったようです。

ある意味、男女平等ですね。

 

ところが、時代が進んでいくと

男女それぞれの役割が割り当てられ、戦争に都合のよい母親像が誘導されていったのです。

(もちろん、裏付けとなるレポートあります)

 

社会の重圧(今でいう同調圧力?)に抗った文学者たちも紹介されています。

その中でも大きな紙面を割いたのが恋と子育て、文筆活動に生涯をささげた伊藤野枝。

逆に愛国をしたためた北原白秋も何度も登場しています。

(小学校のときに口ずさんだ童謡の本当の意味を知って、おどろきました)

64.からたちの花(大正13年)巣鴨教会 : 名曲歌碑めぐり(童謡唱歌等の ...

(北原白秋の「からたちの花」こんな花ですね。)

 

最後に、時代は現代になり、第3章では

1/2の成人式、組体操のルーツや作文の意図などにも言及しています。

現代は、過去の負の遺産を正のように装って引き継がれていることが書かれています。

 

クリティカルシンキングが必要な理由

目の前にあり、常識でしょうと思うと無批判に受け入れてしまいます。

ところが、受け入れている事には、何かによる大きな意図が埋め込まれていることがあるのだと思いました。

思考方法に「クリティカルシンキング」というのがあります。

健全に批判的に(客観的に)物事の本質を探る

というような意味です。

クリティカルシンキングの研修もあるくらいにビジネスの分野でよく使われているようです。

考える・思考する人のシルエット02 | 無料のAi・PNG白黒シルエットイラスト

ふと感じた違和感を「なぜ、このように感じるのだろう?」「この違和感の原因は何だろう?」と

立ち止まって考えてみることなのではないかと思います。

自分と対話してみたり、ノウハウ本ではない本を読んでみたりすることで

違和感の霧が少しずつ晴れていきます。

そして、アハ体験も待っていそうです。

(「あっ!」という不思議なひらめきを感じる事https://dic.nicovideo.jp/a/アハ体験)

 

家にいることが増えているこの時期なので

じっくりといろいろな角度から考えてみる良い機会になりそうです。

 

さて、どうしようかな?とお思いになっていらしたら、思索の楽しみを味わってみてはいかがでしょう?


 

『市民参加の新展開』財政の視点からの市民参加!

2020-03-23 | ブログ

昨年、お目にかかったこのご本の著者、兼村先生に勧められて拝読いたしました。

実は、ツンドクになっていました。(先生、ごめんなさい)

イマジン出版さんのCOPAブックスのシリーズなので、とても読みやすいもので、読みだしたら一気に読めました。

『市民参加の新展開 ~世界で広がる市民参加予算の取組み~』兼村高文(編著)イマジン出版、2016年

市民参加の新展開 -世界で広がる市民参加予算の取組み (COPA BOOKS 自治体議会政策学会叢書)

(https://www.amazon.co.jp/s?k=市民参加の新展開&__mk_ja_JP=カタカナ&ref=nb_sb_noss)

 

 

財政学者の兼村先生がお書きになった「市民参加」?

申し訳ないのですが、市民参加と財政の関係を最初は理解できず…でした。

よく考えてみれば、財政は何のためにあるのか?を考えると関係は大きいはずでした。

市民、国民の幸せのためにあるのですよね。

 

これを前提にして、財政の視点から市民参加を語っていました。

市民参加に対して、どのように財政を分配するのか?それを実現するカタチとして世界の中で、日本の中でどのような取り組みがあるのか?について調査報告がありました。

 

ブラジル ポルトアレグレ市の市民参加予算の概要

一番力がこもっていて、印象に残ったのは、ブラジルのポルトアレグレ市から始まった「市民参加予算」でした。

市の予算は、ご存知の通り、通常、市長:行政が提出した予算案を議会が議論、議決するということになっています。予算案をつくるのは、行政が考えます。

ところが、ポルトアレグレ市では、この予算をつくるところで市民が直接話し合って予算の優先順位を決めていきます。

(https://www.google.co.jp/maps/place/ブラジル+リオグランデ・ド・スル州+ポルト・アレグレ/@-28.9236015,-69.9211741,4z/data=!4m5!3m4!1s0x95199cd2566acb1d:0x603111a89f87e91f!8m2!3d-30.0346471!4d-51.2176584)

 

「ブラジル ポルトアレグレ」の画像検索結果(http://himitsu-t.jp/post-269/)

 

【背景】

ブラジルでは、「社会主義政党の労働者党が総選挙で勝利し政権をとり、1988年に新憲法を制定しました。

軍事政権の下で制限されていた地方自治は、政権交代とともに民主化と地方分権化が進められて強化されました。(p55)」

このような社会情勢の中で、「ポルトアレグレ市では、市長になったドゥトラ氏が市民組織と共に協議を重ねながら市民にとって効果が目に見える仕組みに作り上げていった(p56)」とのことでした。

【目的】(p56)

  1. 政治的・経済的活動から置き去りにされた人々に声を上げる機会を提供することで草の根民主主義を実現する
  2. 人々の指示を得ることで議会の多数派を攻略することとなる
  3. 前政権から続いていた政治腐敗を撲滅し政策の透明性を高める

ということでした。

 

実際に行ってみると、自分たちの困っていることに優先して予算を使えるので、成果を実感できるようになりました。そうなると、参加者は年々増えていき、より成果を実感できる機会も増える…という循環が出来上がっていったようです。

(抑圧されていた中から立ち上がっていくときに、ここがよくなったなぁ、暮らしやすくなったなぁと感じることは、自分たちの納めた税金がちゃんと自分たちのために使われているということが目に見えてわかる!それは、市に対する信頼ができ、やる気がでてきそうです。)

そして、さらに市民参加が促進される。

(出典:http://jichisoken.jp/publication/monthly/JILGO/2012/07/kanemura_hong1207.pdf)

 

【課題】(p62)

ところが、この仕組みには課題もありました。

  1. 長期的にみると、このプロセスには多くの経費が必要となること

    (1年を通して小さな会議から大きな会議まで行われることから、準備から運営まで費用がかかる)

  2. 市民参加予算を機能させることの難しさがあること

    (この予算には立法権がないため、議会での議決を必要とする。そのため議会の予算案にどこまで取り入れるかは議会が決めることになる)

    投資的予算の15%ほどが割り当てられていた。

 

課題はあるものの、ブラジル国内で2005年に少なくとも250都市で導入されているとのことです(p62)。

ここからすれば、課題を越える何かがあるということなのですね。

 

 

日本でも、千葉県市川市と愛知県一宮市では、個人の市民税のうち1%は公益活動団体に納税者が指定して、交付できる(p101)ことになっているそうです。

(市川市の1%条例の調査レポート:https://www.spf.org/pdf/publication/other/parcent/3.pdf )

 

【そもそもの課題】

議会(間接民主主義)と市民参加(直接民主主義)には、それぞれの権限を侵すのでは?ということが懸念されることが多く、ハーバーマス(『事実性と妥当性(下)』未来社、2003年)や篠原一(『市民の政治学』岩波新書、2004年)などもその整理をしています。

 

(https://www.amazon.co.jp/事実性と妥当性―法と民主的法治国家の討議理論にかんする研究〈下〉-ユルゲン-ハーバーマス/dp/4624011635/ref=sr_1_2?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=事実性と妥当性&qid=1584952676&sr=8-2&swrs=A887FC781716C769A3DF995128F32306)

(https://www.amazon.co.jp/市民の政治学―討議デモクラシーとは何か-岩波新書-篠原-一/dp/4004308720/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=市民の政治学&qid=1584952603&sr=8-1)

 

議会を市民が選挙で選ぶのは第1の回路、市民参加は、第2の回路として議会の権限を補完するというような考えが主流の様です。

ハーバーマスの回路(林作成)

市民の代表が市長であり議会であるのですが、市民の幸せのために市の予算があるのであれば、直接に市民が意見を言う場があってもよいのでは?とも考えます。

 

自治体の予算は、行政の領域なので、一般の市民からは遠い存在だと思っていました。

(これも、そもそもの課題ですね。もっと視野を広げないと!)

本当は一番身近なものでもあります。

(予算がつかないと活動ができないこともあるでしょうし、予算が削減されたので、活動を縮小するということもありますよね)

市民参加はさまざまな場面で言われていますが、活動の一つとして予算への市民参加もあるのだなぁと思いました。

ただ、そこに参加する市民がポルトアレグレ市のように貧困層や社会的に排除されていた市民も入っていないと目的が果たせないのだろうなぁと思いました。

日本では、子育て中の方々が何を望んでいるのか?とか、目下のコロナウィルスの影響で困っている人々はどんな人で何を望むのか?なども予算に反映できると成果を感じられるのかもしれません。

議会は、それらが公共の福祉と競合しないのか?というチェックをすることを担う必要がありそうです。

 

 

そして、ファシリテーターとしては、さまざまな人の意見を引き出し市民の討議を促進するというところにお役に立てるのでは?と思います。

(むしろ、微力ではありますが、そのために弊社は設立されました)​

ハーバーマスの回路では、第2の回路である市民社会の枠内が一番研究が進んでいます。

・討議デモクラシーでは、さまざまな討議の方法があります。(ここは、ファシリテーターが重要なカギを持っています)

・住民投票の場面でも、住民投票前の情報共有から対話までの間に。

(もちろん、第一の回路でも活用したいです)

 

​*意思決定する前には人と人が対話する、話をすることが必要で、そのような場面では、ファシリテーションのスキルやマインドが欠かせないことを再確認したご本でした。


 
更新情報

株式会社ソーシャル・アクティ
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