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2018年 11月

外国人が訪れたいまち!

2018-11-27 | ブログ

先日、飛騨古川駅周辺と高山市へ行ってきました。

飛騨古川は、映画「君の名は」の聖地がいくつかあります。ロードショーは終わっていますが、まだまだ人気は衰えず!

まちを散策すると、歩きやすくコンパクトにまとまっていて、蕎麦屋やカフェ、大きなお寺や山車会館、造り酒屋は2軒もありました。

そして、飛騨古川といえば、鯉が泳ぐ水路。

散策するのに飽きない、インスタ映えしそうなスポットもたくさんありました。

歩いているのは、ほとんど日本人で、高齢者が多かった印象があります。

 

宿泊は高山市で。

宿でも市内を散策しても、外国人率が高いと感じました。

夜、駅前のコンビニに行くと…

店員のおじさまが「久しぶりに日本語を聞いたよ」とおっしゃるくらいの外国人観光客数。

 

隣のまちなのに、なぜこんなに印象が違うのでしょう?

実は、私も古川に行ったのは初めてでした。高山には何度も行っているのに…。

・公共交通の便(どうやって行くの?)→高山駅から3駅

・観光地のインパクトの差(ポスターをよく見かけるのは高山市?)→鯉が泳いでいるのは印象にあるけれど

・高山では、飛騨牛楽しみ→古川は?

というようなことが足が向かなかった原因でした。

 

外国人観光客が増えている

ところが、飛騨市の観光統計を見てみると…

観光客数が増え、外国人宿泊客数も増えているのです。

昔ながらのまち散策だけでなく、景色を体感する!というのが外国人観光客の目的のようです。

(https://style.nikkei.com/article/DGXMZO26834420T10C18A2H46A01?channel=DF220420167277)

 

普通の農村の景色が好まれているのだとか。

確かに、農村の景色は見られなくなってきました。日本人よりも外国人が好んで訪れてくれるのは、うれしいことだなぁと思います。(もっと日本人も普通の農村の景色を大切にしたいとも思いました。)

 

その結果、平成28年度から平成29年度は古川町は119.81%の観光約数の伸びとなっていました。

 

飛騨市全体の宿泊客数は逓増傾向ではありますが(29年は減少)、ユースホステル・ゲストハウスの宿泊者数は増えています。

古川町の観光客数の推移
筆者グラフ化

(https://www.city.hida.gifu.jp/uploaded/life/9310_12387_misc.pdf)

 

 

飛騨市の宿泊客数の推移
筆者グラフ化

ゲストハウスに泊まると、外国人比率が格段に高いことを痛感します。リーズナブルに泊まる!浮いた予算を、体験やその土地の食に回す、ということなのですね。

 

外国人観光客が期待すること

お隣の高山市の外国人観光客へのアンケート結果からも外国人の日本での楽しみは…

①日本の食、③歴史的建造物・町並み、⑤自然・景勝地観光を期待している人がダントツで多いようです。

普通の(昔懐かしい?)農村の風景が人気があるのは、この結果からも納得できました。そして、その風景をどのように楽しむのか?を提案するのがインバウンドの成功のカギになりそうです。

そういえば、高山市で外国人観光客が1週間程度、町家に滞在し観光協会の職員が生活のサポートをするという取り組みを見た記憶があります(残念なことに、根拠を探せませんでした…)。

気に入った土地があると、もっとそこにいたい、その土地での暮らしを体験したい、地元の食材を自分で料理して食べてみたいという欲求が満たされることになるのですね!

そして、それを実現できる幸せ。

観光はその土地の光を観ることだと言われていますが、長期滞在するということは、その土地で光るものに触れている、非日常を日常に近づけてみるということなのでしょうか?

そこから新しい発見があり、その土地への親近感がさらに湧いてくる。そんな気がします。何度か訪れてみると土地勘もできてきて、「あ、あのお店ね。うん、美味しいよね。」なんて、まるで自分のまちのように言うと、もう、気分はその土地出身者ですよね!

これ、外国人観光客でなくても、同じ国に住んでいる日本人でも感覚は同じかもしれません。

 

外国人観光客の楽しみ方に近づく?

こうしてみると、日本人の観光の楽しみ方も、外国人観光客に近づいているのかもしれません。

何度も繰り返して同じところへ行ったり、ゲストハウスに泊まっていろいろな人と触れ合ったりすることを楽しむ観光が増えてきたように思います。(古川でもゲストハウス利用客は激増していました)

京都でも、簡易宿泊施設や町家を改装した宿泊施設が増えていることにも関係しているのかもしれません。人気がなければ増えませんよね。

(http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000193/193116/kyoka_suii201804.pdf の表から筆者作成)

2階建ての京町家を改装した宿

今後は、今まで以上に「その土地と深く関わる、人と深く関わることが観光に求められていく」、その演出や場づくりが必要なのかもしれません。

 

飛騨古川を初めて訪れてみて、落ち着いたステキな土地だなぁと思いました。その日のうちに高山市へ移動してしまいました。もっとゆっくりすれば良かったと思いました。何回も訪れてみたい町でもありました。

そんな思いがリピーターになるのだなぁと思った経験でした。

 

 

 

 

 

『ファシリテーション入門 第2版』

2018-11-14 | ブログ

ファシリテーションについて、コンパクトに分かりやすく書かれている、ファシリテーションのバイブルみたいな本があります。

 

『ファシリテーション入門』これが始まりでした

堀公俊さんがお書きになった『ファシリテーション入門』

(https://www.amazon.co.jp/ファシリテーション入門-日経文庫-堀公俊/dp/4532110262/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1542116071&sr=8-2&keywords=ファシリテーション入門)

この本を読んだのは、修士課程を終えて、ファシリテーションのことをもっと学びたいなと思っていた時でした。出版も2004年!

堀さんが初代会長のNPO法人日本ファシリテーション協会(Facilitators Association Japan 略してFAJ https://www.faj.or.jp)もこの年に結成されました。そして、翌年、中部にも支部をつくろうかというときでした。タイミングよく、この時からFAJに参加しました。

その後にさまざまな「ファシリテーション」という名の付く本が出始めてきたときでもありました。(歴史を感じます…と言っても、まだ14年)

FAJに入会していらっしゃる方は、この本か森時彦さんの『ザ・ファシリテーター』を読んだことがきっかけという方が多かったようです。

 

そして、第2版

(https://www.amazon.co.jp/ファシリテーション入門〈第2版〉-日経文庫-堀-公俊/dp/4532113989/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1542116071&sr=8-1&keywords=ファシリテーション入門)

この本から14年後(2018年、今年)に第2版が出版されました。

内容はやはり、第1版(?)の焼き直し?追加して何か書いた程度?と思っていましたが…

思いっきり変わっていました。

もちろん、ファシリテーションの4つのスキルは押さえてありますが、活用の場についてとても詳しく書かれています。

様々なファシリテーションが活用されていると言われている集団の中でのファシリテーション活用の意義や活用方法などに焦点を当てて書かれています。

(https://www.faj.or.jp/facilitation/application/  より)

 

印象に残ったのは、2点です。

1.ファシリテーションが活かされる場面が検討されています。

①強いリーダーシップは、組織が未成熟なときや、環境が激変するとき

②緻密なマネジメントは、組織が安定的に成長しているとき

③ファシリテーションは、変化が絶え間なく起こる、不確実で不透明なとき

とされているということです。

だから、先行きが不透明と言われている現在、ファシリテーションを身につけたい、知識として知っておきたいという人が増えたのでしょう。

そして、FAJもメンバーが増えていった…(現在1600人もいます)

 

 

2.はっきりと書かれたのが、ファシリテーションの3つの効果についてです。

①相乗効果を活かし、高い成果を生み出す

②納得を高め、やる気を引き出す、メンバーの自律性と協働をはぐくむ

③学習するスピードを高める

これらは、社会心理学などで測ることができるのでしょうか?数値としてみてみたい気がします。(測るとすれば、その方法は?)

ファシリテートされると、どのくらいのスピードがアップするのでしょう?ファシリテートされた場合と、ない場合。比較は難しそうですが、感覚としてはわかる気がします。

「イラスト、無料 ファシリテーション」の画像検索結果

FAJの中でいろいろなスキルやマインドを共有したり、トライしてみたりという積み重ねをさせていただいたお陰で、身に付いたものがたくさんあります。ファシリテーションの研鑽の場というのがあるのは、とても貴重なことです。一度、試してみて(人の試みを参加者として体験してみて)そのふりかえりから学び、次の機会に活用できることがたくさんありました。

そんな場を目指して、FAJはつくられました。(ここでも、きたえられました)

 

社会的な認知度は明確ではありませんが、私の周りではファシリテーターを名乗る人が増えてきた今、第2版が出版された(しかも内容も大幅に手が加えられた)ということは、何かの起点・ターニングポイントになるような気がします。

目指す社会、組織の姿を描き、その実現に向けて歩を進めていく。今まで以上に、一人一人が一歩進めることが必要な時なのかもしれません。

 

第2版の変化は、この14年で、ファシリテーションに求められるものが変化してきたことを象徴するようなものだと思いました。

その変化に気づき、自分はどうありたいのか?何をしていけばよいのか?を改めて自分に問う!ということを(常に問い続けているはずなのですが)意識していこうと思いました。

そんなことを考えるきっかけになった本でした。

 

*fajでいろいろなことを学び、現場で実践してきました。お陰様で、ファシリテーションとコミュニケーションに関する書籍も出版できました。ありがたいことです。

 『多様な市民とつくる合意 ~コミュニケーションとファシリテーションのレシピ~』

(https://www.amazon.co.jp/多様な市民とつくる合意-コミニケーションとファシリテーションのレシピ-林-加代子/dp/4872997913/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1542121400&sr=8-1&keywords=多様な市民とつくる合意)

 

 

 

 

 

ニュースレター第86号「区政運営会議のワークショップ」

2018-11-02 | ニュースレター

区政運営を考える前段階の「区民会議」。

拙著『多様な市民とつくる合意』でもご紹介しました、ワールドカフェでの進行で行う機会を頂きました。

今回は、大人と子どもが一緒に語り合うというとっても意義深いものでした。

異なる世代と一つのテーマで話し合うことは、お互いに刺激になったようです。

ニュースレター第86号「区政運営のワークショップ」こちらから、ご覧くださいませ。

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