2014-11-28 | ブログ
奈良県立大学でゲストとして講義をしてきました。毎年、友人が呼んでくれます。他の大学でお話するのは新しい発見があり、楽しいものです。友人に感謝しています。
その後、毎年、友人と宿泊します。お互いに日帰りで済むところですが、友人は時間を作り一緒に宿泊してくれます。これもといいますか、これが一番の楽しみになっています。
今回は、大阪の福島区にあるゲストハウスに宿泊しました。福島駅の周辺一帯には、飲食のお店がたくさん集積しており、それもほとんどがカウンターがメインで、テーブル席は2~3というサイズですので、メジャーな資本はほとんどありません。ですから、まちづくりの観点からも散策する観光客としてもたいへん興味深いまちでした。友人は商学博士で、まちづくりの研究仲間なので、ツボをよく心得ていらっしゃいます。
そんな楽しいまちの中で宿泊したのが、古民家を移築したという、ゲストハウス由苑(http://u-en.hostelosaka.com)でした。ゲストハウスに泊るという経験も初めてでしたので、たいへん興味深い、参考になる場所でした。
由苑は、細部にまで「かわいい」を意識した日本的な内装となっていました。それも、(たぶん)外国人にはうけるだろうなという「Japanese」な感じなのです。これも、「日本」をどのように演出するかを考えるにあたり、参考になります。
チェックアウトは11時なのですが、なんと、リビングには23時までいてもよいとのこと。チェックアウトの時間に追われることのない、海外から来た方ともゆっくりとお話しできるゆったりとした空間となっていました。
宿泊した夜はチェックインが遅かったため、友人と二人で福島界隈を食事を兼ねて散策しました。(面白いお店がたくさんあったのですが、このご紹介は別の機会に。)このため、知らない方々とのおしゃべりはほとんどなく、日本人の(私と同年代?)女性としばらくの間、立ち話をした程度でした。
翌朝、朝ごはんを外で済ませて、一旦ゲストハウスにもどると、日本人の若い女性がリビングにいました。一緒に珈琲をいただきながら、「どこからきたの?」「ここには何泊?」「どこへ行くの?」などからはじまり、結婚のことやお仕事のことなど初めてあったのに、こんなことまで?というようなこともお話しました。お互いにイヤな気分は全くなく、自然にお話が弾んだのです。
これもこのゲストハウスの雰囲気のおかげだったのでしょう。
その後、ニュージーランドから来たという女性二人組が「お好み焼きはどこがおいしいの?」という話から、大阪の見どころなどもお話しました。慣れない英語で聞き取れないところもたくさんありましたが、友人の助けを借りて、なんとか会話についていけました。(友人の通訳がありがたかった)
ゲストハウスのマネージャーは、もちろん、英語は堪能。ニュージーランド、カナダへワーキングホリデーで行き、ゲストハウスで働いていたそうです。ゲストハウスが大好きなのだとか。マネージャーもまだお若い女性でした。
今回の経験は、若者の生き方について改めて考える機会にもなりました。今までの勝ち組といわれる「一流の大学を出て、大手企業で働く」というコースにいなくても、自分のしたいこと、したい仕事、暮らしたい場所をみつけて働くというのも、自己実現という視点からみれば、たいへん有意義なのだと思いました。とても生き生きとして働いている、語っている彼女たちをみていると、生きるということ、働くということの定義が変化しているのだと感じました。
このブログでもご紹介した若者がIターンするワケ( http://social-acty.com/blog/754/)」とも関連して、働き方の新しい基準(自分のしたいことを職業にする)が浸透しつつあるのではないかと思いだしました。
自分のしたいこと(といっても自己中心的というのではなく)を職業にできる、そんな時代がすぐそこにきているのかもしれません。
2014-11-18 | ブログ
11月15日にFAJ(日本ファシリテーション協会)中部支部のイベントがありました。中部支部のイベントは毎年11月に開催しています。
今回は初めて実行委員にはならずに参加者として楽しみました。
毎回、何か新しい手法にチャレンジしてきたのですが、今回は従来のイベントでも扱い、FAJの中ではスタンダードになっているワールドカフェ、OSTの対話を中心に進められました。ここでの感想をご報告します。
*ワールドカフェは、このごろは○○カフェという語り合いの場でよく使われています。4~5人で一つのテーブルを囲み、ある程度の時間が経ったら一人を残してメンバーチェンジ。これを数回繰り返してハーベスト(まとめ)を行うという対話の方法です。
**OSTはOpen Space Technology の略で、あるテーマの元で話し合う話題について、話し合いたい話題を参加者が提起し、時間、場所も参加者が決めるという自律的な対話の手法です。
参加者は子どもを含めて110人余り
今回は、参加者のうち、若者が1/3ほどを占めまていました。前半のワールドカフェでは若者も入った対話を経験しました。私は、たいていメインファシリテーターをしているので、歩きまわってどんな話し合いがされているのかを聞きながらタームキープや進行を気にしていますので、じっくりと参加者として対話に入ることがほとんどありませんでした。
ですから、とても新鮮でうれしい機会となりました。
イベントに参加した若者は「名古屋ど真ん中まつり」の学生実行委員の方々、ボランティアをしている学生、南山大学のファシリテーション研究ゼミ(略してファシゼミ)の方、など学生さんが多くいらっしゃいました。また、就職して研修を担当する部署にいる方にもお会いしました。もっとたくさんの多様な立場の若者が参加してくださっていたはずです。
対話をしての感想
若者と対話をしてみて感じたのは、「会議での成果は納得したものにしたい」「いろいろな人々と話し合うことが楽しいことを伝えたい」ということが伝わってきました。
もうひとつ、私達がFAJ(日本ファシリテーション協会)で10年の間に学んできたことを、今度は次の世代にバトンを渡していくことを考える時なのかもしれないと思いました。
若者は真面目に考え、求めていました。それにある程度の解(というとおこがましいのですが、こんな方法で進めてみては?という経験)を伝えることができるように成長した私達。もちろん、対等な関係の中で学び合うという姿勢には変わりはありません。FAJにいる私たちだけで共有している段階ではないということなのかもしれません。
FAJも設立以来10年、私も会社を興して10年経ちます。この積み重ねを持って、次のステージに移ることを考えるときなのだなぁと思いました。私ができることはまだまだ小さいのですが、小さいなりに変化を生みだしていけるよう、次の世代に伝えることがあれば伝えていけるように精進しなくては、そんなことを感じたイベントでした。
先日、名古屋で国際会議のあったESD(Education Sustainable Development)でも、そもそも何のために?と問われれば、「子どもたちに残していくために」「私達の世代で地球の資源を枯渇させてしまわないために」ということになってきます。
この思いをつなぎ、実現させていくためには、ファシリテーションの技術を活用することも必要な場面があると考えています。多様な立場の人々みんなが集まって、対話し、その中で納得できる結論を導き出していくことが、次の世代にバトンをリレーしていくことにつながっていくのかもしれません。
そして、イベントの最後には・・・
上記のことを象徴しているのかもしれません。写真のように、参加者全員でつくった「未来」。一人ひとりの明日からできること、することを記してつないでつくる一つの未来。このアイディアは南山大学のファシゼミの方々のアイディアです。自然、木漏れ日、温かさ・・・。次の世代に残していきたいものなのかもしれません。
いろいろなことを考えさせられたイベントでした。
対話には、しみじみと考える、じわじわと心に湧いてくる、こんな効果もあるのですね。
2014-11-10 | ニュースレター
このごろ計画づくりや未来像などを検討するという場をファシリテートすることが増えてきました。
ユニセフでも良く活用されている「フューチャーサーチ」という対話を中心とした方法で進めています。
10月は過去~現在をみることを主に行ってきました。11月、12月はいよいよ未来を見つめます。
時間軸も意識して創る未来とはどのようなものになるのでしょう?
わくわくしています。
まずは、ニュースレターで「過去~現在」をご覧ください。