2019-12-22 | ブログ
この頃、気になっている「観光」。
インバウンドの観光客は年々増えています。
3年ほど前に行った京都伏見の伏見稲荷にもたくさんの外国人観光客がいました。
こんなに人がいるのか!と驚くばかりだったことが印象に残っています。
そして、バリ島へ行ってみると、気持ちよく観光させてもらうためには、ハードはもちろんでしたが、ソフトな部分が大きく影響していることを実感しました。
観光、見せ方のありようを考えるうえで、外国人の目からみた日本の観光については、以前も取り上げたデービット・アトキンソンさんの著書が参考になるのでは?と考えています。
『世界一訪れたい日本のつくりかた』
(https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/517Eb8Z%2BnOL.jpg)
を読み、氏が関与しているという京都、二条城へ行ってきました。
二条城のパンフレット
氏が言う、パンフレットにとても興味がありました。
「江戸時代」「家康」と言っても外国人にはわからないので、ていねいな説明が必要。
とのことでした。
確かに…
立場を変えてみると、
バリ島のあるインドネシアで、バリ島がどんな位置づけなのか?
なぜ観光に特化しているのか?
紙幣に印刷されているスカルノ大統領ってどんな功績があるのか?などなど、
その国の歴史を知らない私には、疑問がたくさんありました。
インターネットで下調べをしても、観光に出かけると、思いもよらない疑問がふつふつと…
そこに、わかりやすいパンフレットがあると、とっても納得できてうれしかった!
先日、バリ島の話題になったとき、その方がいらしたときは「ケチャダンス」の解説書がなかったらしく、思っていたよりもとても長く(1時間くらい)、今何をしているのかがよく分からず、いつ終わるんだろう?と観ていたとのことでした。
「このダンスは、こんな登場人物がいて、こんなストーリーで、1時間くらいかかります。」
という事前の情報があると、安心してとても楽しめます。
…たぶん、そういうことかな?と思われます。
話を戻して
二条城の入り口には、8種類のパンフレットがありました。日本語を含めて7か国語なのですが、中国語は2種類。きめ細かな対応だなぁと思いました。
(読めませんが、とりあえず、8種類頂いてきました。ありがとうございます。)
中を開くと…
日本語では、
「二条城は1603年(傾聴8年)、江戸幕府初代将軍徳川家康が、天皇の住む京都御所の主語と将軍上洛の宿泊所とするために築城したものです。…」
とはじまります。
英語表記では、
二条城は、建てられて以来400年の間に、日本の歴史上とても重要なイベントが行われていきました。この城は、1603年に徳川家康の命によって完成しました。(徳川家康は、初めての将軍で徳川将軍家を創設した人物で、長い戦国時代を終わらせ260年間にわたる平和で反映した時代を築きました)…林、訳
という、とても詳細で分かりやすい説明となっていました。これなら、日本の歴史を知らなくても、なんとか理解できるなぁと思いました。
修復中の二条城内でも日本画や部屋の説明には、(こちらは日本語と英語でしたが)分かりやすい解説がありました。この絵のモチーフは何か?どんな意味を持っているのか?などが書かれていました。
日本人でも、この部屋にこの素材を使った絵があるのはなぜ?と考えたくなるステキな絵や場所ですので、英語を読んで視点を変えると、より興味深く観ることができました。
訪れた人の立場に立ってみる、何が欲しいだろう?どうあれば、より楽しんでもらえうだろう?という気持ちをカタチにすることが大切なんだ!と痛感してきました。
楽しむと言えばば…
愛知県犬山市にある明治村。(愛知内の小学生から高校生まで遠足で必ずといっていいほど行きます。)
昔は、ただ、見せるだけしでしたが、この頃は、アトラクション(リアル脱出ゲームや射的など)で楽しめたり、食事も明治にゆかりのあるものを提供したり、と明治時代にこだわって、建物を観るだけでなく、明治村という空間を楽しめるようになっています。
https://www.meijimura.com
大人になって、まちづくりを勉強すると(建築系を学んだ方は学生の頃からですね)、特に、建物の意匠や建物がもっている物語に引き寄せられます。
大切な遺産を楽しんで観てもらう、というのはこういうことなのかもしれません。
どんなものや場所にもストーリーがあります。そのストーリーを訪れた人と共有する気持ちが大切なのかもしれません。
その町やその建物の魅力を引き出して、住んでいる人たち、訪れる人たちに楽しんでもらう。これもまちづくりの基礎になる一つだと思いました。
2019-12-11 | ブログ
「実践を一般化して理論にする、理論に基づいて実践する」ってどういうことなのでしょうか?
ファシリテーターには理論はいらない、という方もいらっいますが…
理論(仮説であっても)がないと、その行為は説得力が弱いものになってしまいます。
(ハウツー本を読んでも、この理論に基づくとこんなやり方がいいのです、と書いてあります)
また、行動を起こすにしても、理論があるとその後を見通しながら進めていくことができます。
理論が裏付けいてくれると、気持ちも楽です。その理論を提唱している、援用している方々が応援してくださっているような気もします。(ちょっと大げさですね)
哲学する?
今、『資本主義の終わりか、人間の終焉か?未来への大分岐』を読んでいます。
3人の哲学者(マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソン)に一人の哲学者(斎藤幸平)がインタビューするというものです。
(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51VDUJ%2BO5yL._SX304_BO1,204,203,200_.jpg)
哲学というと、若い頃は、なんだか分かりづらい専門用語をちりばめて抽象的な理論を説いている…ような気がしていました。(遠い存在でした)
ところが、まちづくりを研究しはじめると、考え方の基礎となる哲学(哲学に分類されていなくても)が必要だと感じるようになりました。
先達の研究者、実践者はどのような理論(哲学)のもとにこのような考え方、行動をしているのだろう?という視点で見ると読書がより楽しくなります。そして、その方の理論の組み立て方にどのように反映されているのかを考えるのも楽しさが増します。
この本の中、マイケル・ハート氏の言葉の中に「理論」に関するものがあります。
第4章 情報テクノロジーは敵か、味方か
の締めくくりに「理論の果たすべき役割とは、今あるシステムを批判することだけではなく、抵抗とオルタナティヴの可能性を発見し、明確な言葉にしていくことです。(p107)」と。
今のままでよいのか?いや、何かもっと良いシステムや方法があるはず!という問いから、「こんなことが予想される」「こんな方法も可能かも」となると、もっと幸せになれる人が増えるよね!というのを言葉にしてくれるのが理論なのかもしれません。(進む道を照らしてくれる?言いすぎですね)
研究会でも話題に!
先日、地方自治研究学会の中部部会(仮)のキックオフ会をしました。
地方自治研究学会は、東日本部会と西日本部会があり、各部会での活動と年に1度の全体会が開催されます。愛知県あたりに住んでいると、地理的には西日本、気持ち的には東日本でどっちつかず(笑)
中部とか東海とか呼ばれるとしっくりします。名古屋での開催の方がラクですし…。
ということで、学会の中部地方に席がある方、ご興味がありそうな方々をお誘いして、キックオフ会を開きました。
そこでの話し合いで、理論・理屈がどんな役割を果たすのか?何ができるのか?についても話題になりました。
それは、何を研究していこうかという議題に入ったとき。。。
参加したメンバーは、市議さんやNPOの方、市職員の方とさまざまな背景。(これはとっても素敵なメンバーです!)
・現場を知っている、現場で活動している方
・制度を創っていく方
・制度を執行していく方
・そして、みなさんが研究をする!
現場の状況を共有し、政策・制度を考え、執行していくということが可能なのです!!社会課題の解決や将来を見据えた制度を創っていくことができそうです。
それを、理論が後押しをする!
ということができる研究会になったのです。
マイケル・ハートの言う「理論は、オルタナティヴの可能性を言葉にする」ことができるのです。
言葉にできたことを基に次のステップへと進めていくことができます。
「哲学カフェ」が流行る理由?
「哲学カフェ」が流行っている理由の一つは、ここにあるのかもしれません。
自分のやっていることを理由づけしたい、裏付けがほしい。
(自分がやっていることが、理屈にあっていた!とわかると、自分だけじゃなかった~と安心します。)
すると、胸を張って進んでいける…。
明日への糧というよりも、杖になるのでは?もちろん、この理由だけではないでしょうが。
研究会での理論の位置づけをマイケル・ハート氏が応援してくれた!と勝手に理解、安心して、次の会を開こうと勇気づけられたのでした。
*この研究会では、まずは地域の特性も考慮に入れて「多文化」「子ども」をテーマに研究していこう、となりました。
ご興味がある方は、お問合せくださいませ~
2019-12-02 | ニュースレター
名古屋市さんが昨年度からはじめた「商店街オープン」
商店街を元気にしよう!という思いで始まった事業です。
ふる古い商店街にわかも若者のお店が店が一件。すると次々に若者が集まってきて…というお話はよく聞きます。
そのきっかけを創ろう!という試みです。
昨年度、オープンしたお店もだんだん良い影響が出てきているようです。
今年は昨年に比べて時間も人的な余裕もあるそうです。ファシリテーターとして、がんばらないと!
ニュースレター第99号「商店街オープン ワークショップ始まりました」はこちらからご覧くださいませ。