2022-12-23 | ブログ
12月から月に2回、小学校1~3年生を対象に「こども哲学カフェ」をさせていただいています。
小学校低学年で、哲学できるのかな?どんな話になっているのかな?
と思いますよね。
これをはじめたのは、大人の「哲学カフェ」に参加して、とっても楽しかったことがきっかけです。
こんなこと、正直に言ってもいいの?と思うことを発言したときに、面白がって対話してくださった哲学研究者。
その方が話を受け入れて、哲学的に解説してくださるのが居心地よかったのです。
そんな、温かく、お勉強ごころも刺激され(でも、自分で進んで参加してます)、楽しい時間。
そして、学ぶこと、考えることは楽しいね!ということを
子どもたちに知ってほしいと思ったのです。
普段、語らないことをこどもに語ってほしい!
いろんなことを語り合おう!と思い、企画して、今年の春、夏に数回開催しました。
春に行った「こども哲学カフェ」では、
・どうして女のクセにって?
・暴力はイヤ!
・虹って何色?
などなど、こどもならでは!の視点で対話のテーマを出してくれました。
この中で、暴力(自分⇔他人、言葉⇔力)という話をしたところ、小学校3年生の子が夏休みの研究テーマにしてくれたそうです。
お母さまのコメントでは、「今まで、暴力の話なんて、しちゃあいけないんだと思っていたみたい。でも、哲学カフェで取り上げてくれたから、『ああ、これって、しゃべってもいいんだ』と思ったみたい。」とのことでした。
自由研究、見せて~とその小学生にお願いしたのですが…
笑ってごまかされてしまっております。
とっても、うれしい、ありがたい情報でした。
こども哲学カフェの進め方
1.「今、気になっていることは、どんなこと?」
「不思議だなぁって思うこと、どんなこと?」を聴きます。
2.この中で、話してみたいことはどれ?とみんなで決めます。
3.テーマについて、みんなに、「これって、どういうこと?」「どんなことを思う?」などを聴いていきます。
4.そして、発展させていく。
このとき、ファシリテータ―としては(笑)プロッキーとA3の紙で、グラフィックしていきます。
この発展の仕方がとても興味深いのです。
こどもと一緒に楽しんでいます。(同じ目線です💦)
哲学カフェ、というよりも…
先日は、「えら呼吸」について語ることになりました。
哲学じゃなくて、サイエンス?バイオ?と頭を傾げつつ…
大人もワクワク!知らなかったことをみんなで考えるのは楽しいです。
えら呼吸といえば魚だよね。(ほんと?)
→水を飲みこんで、えらで酸素を取り込んで、えらにある動脈へ酸素をとりこみます。そして、静脈で二酸化炭素が運ばれてきて、えらで外へ放出!
という循環があったのです。
えら呼吸の仕組みをこどもたちと調べました。
その後、タコはえら呼吸?
タコのえらってどこにあるの?
どうやって水を飲みこんで、出すの?
大人でも知らなかったことが次々と出てきます。
皮膚呼吸って言ってたけど、皮膚呼吸する動物ってどんなものがあるの?・・・
対話はどんどん展開していきます。
こどもは、とても速い、この展開が楽しいようです。
(もちろん、大人も!あれ?大人のほうが楽しいかも)
そして、こどもは、とっても記憶力が良いです。
2週間前のことをしっかりと覚えています。
吸収力に感動します。
こんな内容で、「哲学カフェ」と呼んでいいのか?
という疑問もありましたが、
(そこは、もう、割り切って!)これでいい、と思うようになりました。
普段、話せないことを口にして、みんなで調べて共有する。
この流れがこどもには、刺激的なのだということが分りました。
楽しんでしゃべりしてくれる子どもがいる限り(リクエストがある限り)続けていきたいなぁと思います。
対話の場は、ファシリテータ―にお任せ💛
話し合いの場を促進するのがファシリテーター!
こども哲学カフェも、もちろん対話の場。
ファシリテーション・グラフィック(FG)とファシリテーション・スキルで
こどもたちの探究心をフォローしていきたいです。
特にFGは、こどもたちにウケます。
ふだん、あまり見ないA3の紙。「大きい!」と喜んでくれます。
そして、色鮮やかな10色のプロッキー「早く絵をかきたい!」と描いてくれます。
もちろん、私がメモするのが優先(笑)
こどもにとって、魅力的なこの(たった)2つのツールが、威力を発揮しています。
自分が言ったことが、書かれていく。
それをもとに、みんなで調べたり、対話したりというプロセスを楽しんでくれているようです。
ファシリテータ―冥利につきます。
こどもたちに感謝です。
2022-12-14 | ブログ
霊長類研究をしていらっしゃる、山極寿一先生の動画を拝見しました。
NHKラーニング(https://www2.nhk.or.jp/learning/academia/video/?das_id=D0024300107_00000)で、オンデマンドで
なんと、無料で講義を聞けます。
タイトルは「ゴリラから見た人間の本質」
内容は、ゴリラ社会にある民主主義のお話から、人間社会の戦争が起こる原因まで。
ゴリラとの対比で人間の本質が浮き彫りになるという、興味深いお話でした。
一番、刺激的だったのが、このブログのタイトル「共感を暴走させたのは言葉だった」でした。
言葉によらなくても「共感」できる!
戦争の原因は言葉の暴走ともおっしゃっています。
ということは…
戦争を起こしたのは、言葉!
言葉を大切にするファシリテーターとしては、大衝撃でした。
それは、どういうことか?簡単にお伝えすると…
言葉と共感
言葉を獲得した人類。
言葉は「意味(情報)」を伝えるもので、時間・空間を超えることができる。
さらに、因果関係や物語をつくることができる。
負の側面は、意味を付け加えることができる。想像で言葉をつくることができる。
事実を超えた「虚構」ができてしまう。
共感は、見える関係の中で成立していた。ゴリラの社会でも共感はある!
共感を基にして共同体ができていたが、顔が見える関係は減ってきた。
特に今日では、インターネットが発達し、言葉の力が強くなってきている。
言葉による情報が発達し、対面(身体的コミュニケーション)の情報が減っている。
社会がおかしくなってきている。
この状態の中では、「言葉はソフトな武器である」
相手の顔が見えない→不安が増大→うらみが募る→暴力を引き起こす→戦争へ
となってしまう。
ファシリテーションは言葉を駆使する
ファシリテータ―には「言葉」が大切で、「言葉(言語化)」にして記録していくということもミッションの中にあります。
そして、言葉を理解して話し合いのプロセスに介入します。
もちろん、内容にも介入することもあります。
具体的には、
ファシリテーション・グラフィックでは、口から出た言葉を文字化します。
話し合いのプロセス(とっても抽象的!)を言葉で説明します。
話し合いの中では、今の話し合いは本題から逸れていないか?を考えています。
そして、参加者間で誤解がないだろうか?ちゃんと伝わっているだろうか?と考えています。
意見を引き出すいうのも、想いを言葉にしてoutputしてもらうことです。
などなど常に言葉を中心にして参加者といます。
ファシリテーターとして、言葉にする、意見を引き出すというよりも…
「共感」を引き出せていただろうか?
合意は共感から始まるような気がします。
今後のキーワードは「共感」なのかもしれません。
ここで、講義にもどって…暴力と戦争をのようにして防ぐのか?
山極先生は、「身体的コミュニケーションを増やして信頼関係をつくること、身体の共鳴」とおっしゃっていました。
そして、新たな社会、共同体をつくる、そして、自由な時間をたくさん作って助け合おう!とも。
そのためには「遊動」すること。
平等に共感力を高める。そのためには、人間が日々動いて、自由に集まってコミュニケーションをとること。
だとおっしゃっていました。
そして、私たちが未来をつくるキーワードは「共有」と「共有財」で、
これらを拡大していくと「共助の社会」になっていくということでした。
ここまでくると、地域社会の大切さを認識できたような気がして、
コミュニティをつくる、活性化するというのは、未来をつくっていくことにつながっている!
と、つながってきました。
まだまだ、考察は足りないのですが、
心にひっかかりを持って、考え、実践していきたいと思いました。
2022-12-07 | ニュースレター
日本ファシリテーション協会(FAJ)として、毎年1回、定例会で「AI×ファシリテーション」を行っています。
ご一緒するのは名古屋工業大学の白松研究室様です。
白松先生は、資源言語処理をご専門に研究していらっしゃいます。
先生のご研究は難しそうで、よく分からないのですが、
ファシリテーションとの親和性が高いようで、さまざまなお声掛けをしてくださいます。
その中身を少しですが、ニュースレターでご紹介します。
よろしかったら、ご覧くださいませ。