2022-12-14 | ブログ
霊長類研究をしていらっしゃる、山極寿一先生の動画を拝見しました。
NHKラーニング(https://www2.nhk.or.jp/learning/academia/video/?das_id=D0024300107_00000)で、オンデマンドで
なんと、無料で講義を聞けます。
タイトルは「ゴリラから見た人間の本質」
内容は、ゴリラ社会にある民主主義のお話から、人間社会の戦争が起こる原因まで。
ゴリラとの対比で人間の本質が浮き彫りになるという、興味深いお話でした。
一番、刺激的だったのが、このブログのタイトル「共感を暴走させたのは言葉だった」でした。
言葉によらなくても「共感」できる!
戦争の原因は言葉の暴走ともおっしゃっています。
ということは…
戦争を起こしたのは、言葉!
言葉を大切にするファシリテーターとしては、大衝撃でした。
それは、どういうことか?簡単にお伝えすると…
言葉と共感
言葉を獲得した人類。
言葉は「意味(情報)」を伝えるもので、時間・空間を超えることができる。
さらに、因果関係や物語をつくることができる。
負の側面は、意味を付け加えることができる。想像で言葉をつくることができる。
事実を超えた「虚構」ができてしまう。
共感は、見える関係の中で成立していた。ゴリラの社会でも共感はある!
共感を基にして共同体ができていたが、顔が見える関係は減ってきた。
特に今日では、インターネットが発達し、言葉の力が強くなってきている。
言葉による情報が発達し、対面(身体的コミュニケーション)の情報が減っている。
社会がおかしくなってきている。
この状態の中では、「言葉はソフトな武器である」
相手の顔が見えない→不安が増大→うらみが募る→暴力を引き起こす→戦争へ
となってしまう。
ファシリテーションは言葉を駆使する
ファシリテータ―には「言葉」が大切で、「言葉(言語化)」にして記録していくということもミッションの中にあります。
そして、言葉を理解して話し合いのプロセスに介入します。
もちろん、内容にも介入することもあります。
具体的には、
ファシリテーション・グラフィックでは、口から出た言葉を文字化します。
話し合いのプロセス(とっても抽象的!)を言葉で説明します。
話し合いの中では、今の話し合いは本題から逸れていないか?を考えています。
そして、参加者間で誤解がないだろうか?ちゃんと伝わっているだろうか?と考えています。
意見を引き出すいうのも、想いを言葉にしてoutputしてもらうことです。
などなど常に言葉を中心にして参加者といます。
ファシリテーターとして、言葉にする、意見を引き出すというよりも…
「共感」を引き出せていただろうか?
合意は共感から始まるような気がします。
今後のキーワードは「共感」なのかもしれません。
ここで、講義にもどって…暴力と戦争をのようにして防ぐのか?
山極先生は、「身体的コミュニケーションを増やして信頼関係をつくること、身体の共鳴」とおっしゃっていました。
そして、新たな社会、共同体をつくる、そして、自由な時間をたくさん作って助け合おう!とも。
そのためには「遊動」すること。
平等に共感力を高める。そのためには、人間が日々動いて、自由に集まってコミュニケーションをとること。
だとおっしゃっていました。
そして、私たちが未来をつくるキーワードは「共有」と「共有財」で、
これらを拡大していくと「共助の社会」になっていくということでした。
ここまでくると、地域社会の大切さを認識できたような気がして、
コミュニティをつくる、活性化するというのは、未来をつくっていくことにつながっている!
と、つながってきました。
まだまだ、考察は足りないのですが、
心にひっかかりを持って、考え、実践していきたいと思いました。
2022-12-07 | ニュースレター
日本ファシリテーション協会(FAJ)として、毎年1回、定例会で「AI×ファシリテーション」を行っています。
ご一緒するのは名古屋工業大学の白松研究室様です。
白松先生は、資源言語処理をご専門に研究していらっしゃいます。
先生のご研究は難しそうで、よく分からないのですが、
ファシリテーションとの親和性が高いようで、さまざまなお声掛けをしてくださいます。
その中身を少しですが、ニュースレターでご紹介します。
よろしかったら、ご覧くださいませ。
2022-11-25 | ブログ
東京、目黒にある雅叙園。
(https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event)
名前だけは聞いていたのですが…
今回、ご縁があり、行ってまいりました。
今回は、時間の都合で「百段階段」だけを見学しました。
この百段階段は、東京都の有形文化財になっています。
今の目黒に移転したのが、昭和6年。料亭として目黒に建てられたそうです。
映画の舞台に!
百段階段は、映画「ぼくは線を描く」の舞台となっているそうで、平日でしたが見学の方が意外に多く驚きました。
その映画にちなんで、企画展示は水墨画でした。
映画の主人公が師事する の絵も展示されていました。なんと、墨の香りの香水も漂っていました。(墨の香り…こんな香水があるなんて!)
残念ながら、この映画を見ていなかったのですが、
きっと、見ていればより楽しめたような展示もありました。
主人公が描いたという椿もありました。
百段階段!
百段階段は99段の階段がまっすぐに延びていて、途中、途中で階段の横に7つお部屋がありました。
そのお部屋一つ一つが凝っていて…
贅沢な趣向が凝らされていました。
2時間ほどでしたが、日本の伝統文化を堪能しました。
畳に座って、ゆっくりできたら、至福の時間だろうなぁ。
ちょっとだけ、ご紹介しますね。
まっすぐに99段!ここを登っていく途中にお部屋があります。
これが、映画の主人公が師事したという方(お名前が…)の絵です。
レリーフになっている床柱。初めて見ました。そこに着色してあって…迫力がありました。
映画の主人公が描いたという椿。赤がとっても効いてしました。
かぼちゃの日本画、初めてでした。さすが料亭!かぼちゃのお料理をこのお部屋でいただいたのかも。
あっという間に時間が過ぎてしまいました。
建物のディテールだけでも、充分楽しめましたが、各お部屋の日本画もとっても楽しいものでした。
とっても画材にお金がそうな絵もありました(笑)
一日いても飽きない場所でした。
本館も素敵なようなので、ぜひ!次の機会あったらランチつきで!
できれば、宿泊・・・
と、妄想しながら急な坂を上って駅に向かったのでした。
2022-11-12 | ブログ
このところ、来年度のイベントに向けて、オンラインでミーティングをしています。
そのミーティングの際に改めて、ファシリテーション グラフィックは大事!と感じました。
そのイベントは、FAJ(日本ファシリテーション協会)が毎年行う総会の前に行うものです。
FAJは、全国的なNPOなので、総会で定数の人が集まるのは、なかなか難しい(定款で1/2以上の出席、または委任状となっています)のです。
そこで、総会に集まってくれるように年に1回、総会に絡めて全国的なイベントを開催します。
そのイベントの準備を始めました。
ミーティングでは、もちろん!ファシリテーション グラフィック(略してFG:板書)をします。
(ファシリテーション協会ですもんね)
リアルのときは、模造紙やホワイトボードを使って、オンラインになってからは、Googleのスプレッドシートを使っています。
FGの効果
先日のミーティングで、FGを担当しました。
画面共有してもらい、みんなでFGを見ながら、そこに書かれる内容を確認しながら進めることができました。
効果その1
FGの効果の一つは、なんといってもFGする人(グラフィッカーと呼んでいます)がいると・話し合いの内容が逸れたとき、それが分るということです。
特にグラフィッカーは、それが一番わかります。
FGは、みんなの意見を書いていくのですが、この意見や質問に対する答えはここに書こう!と思いながら書いていきます。
そのイメージが埋まっていかないと、
・ まだ結論は出ていないな
・ あれ、また、違う話題が出てきたぞ
・ 何が決まったことなの?
という、ミーティングのプロセスが見えてきます。
話し合いのプロセスが見えると、プロセスの修正や決定事項をfixするというのもできます。
そして、活発に意見が出て、決まったことが確実になり、共有されていくことになります。
効果その2
それが、うまくいくと、FGしている人もファシリテーターも、なにより参加者の納得度があがります。
参加者からは、自分の意見が通らなくても、意見を言い、受け止められた!という実感(記録に残ります)
ファシリテータ―では、話し合いの進捗が把握でき、参加者も共有しているという手応え
FGは自分が書いているものが役に立っている、ちゃんとまとめられていくという実感
そして、みんなの納得感が伝わってきます。
FGのコツ
改めて、FGのコツを共有しますね。
①発言をコンパクトに要約する(体言止めは避ける)
②ポイントを強調する(アンダーラインや囲み、色付けなど)
③ポイント同士の関係を示す(矢印を活用する)
④図解ツールを使って構造化する
(『多様な市民とつくる合意』より)
(アマゾンより)
聴きながら書くというのが苦手!という方もいらっしゃるかと思います。それは、よく聞きます。
たぶん、慣れていないだけという方も少なくないと感じてします。
練習しなくてもできてしまうという幸運な方も、もちろんいらっしゃいます。
FGはスキルなので、練習すればできるようになります。
慣れていない方は、ぜひ、楽しんでスキルを獲得してください。
できるよ~という方は。楽しんでスキルアップしてくださると、とってもうれしいです。
FGするのが、あまりにも久しぶりだと…
カンが鈍ってしまうようながします。「あれ?もう少し、うまく書けたはずなのに…」と。
実は、先日の会でも…
常に、書くようにしていよう!と改めて思いました。
基本は、大事!なんですね~
今度、FGの勉強会しようかな?
2022-11-03 | ニュースレター
先日、名古屋商工会議所主催「PIT名古屋マーケット」に行ってきました。
中小企業のIT化を促進させるマーケットでした。
新しい課題解決の方法を提案している企業のブースをたくさん拝見してきました。
画面越しよりも、情報が盛りだくさん!改めて、リアルのパワーを感じてきました。
そのときに手にしたチラシの講演会にも参加しました。
Welnestyle NAGOYA という講演会でした。これから、名古屋の観光は Wellness 都市としてやっていくぞ!というスタートの講演会でした。
with/after コロナで、どうやって名古屋市の良さを出していくか?という、とても貴重なお話でした。
観光は、1次産業から3次、6次までのすべての産業が関わる、まちおこしにとって、大きなインパクトのある産業です。
そこに行くと、人間の求めているコトがある!となったら、地域、人、産業などなど「社会的共通資本」の考え方がより生きてくるのでは?!と考える機会をいただきました。
ニュースレター第134号、こちらから、ご覧くださいませ。