2023-05-06 | ニュースレター
2023年4月に「こども基本法」が施行されました。
この中には、4つの原則があります。まちづくりでは特に「子どもの参加」がカギとなってきます。
今まででも、ワークショップの開催時には、女性と子どもの参加を促していただくように行政の方にお願いしてきました。
これからは、義務になってきます。
今回のニュースレターでは、少しそのあたりにも触れました。
ニュースレター第140号「こども基本法が施行されました」、ご覧くださいませ。
この中にあります、幸田町の「子どもの権利に関する条例」の策定の経緯については、こちらをご覧くださいませ。
https://paperzz.com/doc/5476562
2023-04-24 | ブログ
大学の授業が始まって数週間が経ちました。
教科書は、もちろん『多様な市民とつくる合意』です。
(アマゾンより)
今、傾聴のパートをしています。
今年も、いろいろと新しい試みを入れています。その中の一つ…
先日、積読→読書へ昇格(?)した『他者の靴をはく』にある認知的共感が、傾聴には必要なのでは?と思いまして…
授業の中に入れてみました。
レクチャーしていると、自分に言い聞かせてるようなもので、自分の学びになります。
『他者の靴をはく』では、共感について掘り下げて書かれています。
まず!エンパシーは能力なので、訓練すれば獲得できること
そして
共感には、大きく2つの種類があり
・認知的共感 他者の気持ち・感情を正確に想像すること
・感情的共感 他者の感情に自分もなること
ここから発展したソマティック・エンパシー 他者の痛みを想像すると自分もphysicalに感じる
コンパッショネイト・エンパシー 苦しんでいる人や動物を見ると、助けたい!と思う願望
となっていました。
ここからは、私見なのですが…
認知的共感は、能力・スキルとしては比較的獲得しやすいのでは?と思いました。
他者が今、どんな気持ちなのか?を聞いたり、小説などを読んだりすると培われるのでは?と。
また、ロールプレイによくある、座る場所を変えて話をしてみる。
それを積み上げていけば、何通りも感情が想像できるようになるのでは?
まずは、知識として積み上げていくことが大切。
そして、今の状況は、知識の中のどれに近いのか?と判断し、そのとき自分はどう感じるのか?他者はどう感じるケースがあったのか?をロールプレイを思い出しながら考えていくのが学びになりやすいのではと思いました。
そして、以前、ご紹介しました『21世紀の教育』(ピーター・センゲ、ダニエル・ゴールマン)ダイアモンド社
(アマゾンより)
こちらにも、共感が大きく取り扱われています。
21世紀のリーダーに求められるのは、social(社会的能力)とemotional(気持ちに関わる能力)、leaning(学び)と言われています。
社会的能力と気持ちに関わる能力、これらを学ぶこと、とのことです。
この、気持ちに関わる能力は、まず、自分の気持ちにフォーカスすること。次に、他者にフォーカスすることで養われる。
気持ちを理解することと並行してシステム思考すること。そうすると、よりよい意思決定ができる!らしいのです。
まさに、自分の気持ちにフォーカスする、他人の気持ちにフォーカスするというのは、認知的共感ではないか!と思ったのです。
「共感」について、いろいろなつながりが見えてきました。
「共感する」能力を学ぶ、養うことが特に、これからの世代の人たちに求められるのだ!
もちろん、私たち大人にも!
『21世紀の教育』では、これからの未来を生きるために必要なスキルとして
『他者の靴をはく』では、民主主義の実現のために必要な能力として
紹介されていました。
今までも必要であるとは言われてきましたが、特にこれからは、人間として自分を大切にする、同じように他者を大切にすることが求められているのだと思いました。(これ、子どもの権利条例の関係で、子どもたちと対話している内容でした!)
少しでも、みなさんとご一緒に、認知的共感やその獲得方法を学んでいけたら…と思いました。
2023-04-11 | ブログ
先日、子どもたちと「本×なぞとき×物語」のイベントの際に、
とりあえずの見本があったほうが、分かりやすいよね。ということで、
作ってみました。
子どもたちが辿る「自分のシート→本を検索→気に入ったWordをつないで→紙芝居作成
をなぞりました。
突拍子もない組み合わせができ、子どもたちにはウケた!みたいです。
ちょっと、ほっとしました。
では、ご紹介します。
1「りんご リンゴ 林檎」
2 りんごはみんなを幸せに、平和にします。
食べると、シャキシャキ、シャキシャキ…おいしい💛
りんごパフェやタピオカに入った甘いりんご、思い浮かべてね。
りんごだってみんなが幸せだと、うれしいんだよ。
3 ある日、りんごのアーニャちゃんは、
木につかまりながら、ウトウト…
すると、風が吹いてきて、プチっと木から落ちてしまいました。
ゴロゴロ ゴロゴロ…
どこまで行くんでしょう?
4 助けて~
5 たどり着いたのは、猫のサンクチュアリ。
猫がたくさん、りんごを珍しがって寄ってきました。
アーニャはドキドキです。
「助けて~」
ゴロゴロと手で転がして遊んだり、クンクンにおいをかいだり、
食べようとしてみたり…
あれ?猫ってりんご、食べたっけ?
猫の誰かがポーンとりんごを蹴りました。
6 助けて~
7 ポーンと蹴られてゴロゴロ…
たどり着いたのは、ゆうれいのすし屋。
ここの名物は。火の玉であぶったトロ。
とっても、おいしい!?
アーニャは焦った💦
ここで、火の玉であぶったりんごずしになっちゃうの?
火の玉って熱いのかな?
8 火の玉りんごずしが、とっても好評になり、
ゆうれいは、すし屋をやめて、焼きりんご専門のお店にしました。
お寿司もおいしかったけど、火の玉焼きりんごはまた、格別!
りんごのアーニャも、おいしい火の玉焼きりんごプロデューサーとして大活躍しました。
おしまい。
いかがでしたか?
いろいろな本から拾ったコンテンツをあつめて、つなぎ合わせました。
ゆうれいのすし屋、火の玉であぶったトロ
は、ぜひぜひ!入れよう!と思ったコンテンツでした。
普段では、想いもよらない言葉が飛び出てきて、作るのもとっても楽しく、ノリノリでできました。
この中に2枚同じものがあります。「た~す~け~て~」というページです。
これは、新5年生の子が、「これを入れた方がいいよ」と急遽、作ってくれました。
ありがたい。
子どもだけでなく、大人も楽しめる、そして協働できる「本×なぞとき×物語」でした。
想像力、柔軟な発想、などは、こんなところから出てくるのだなぁと思いました。
2023-04-06 | ニュースレター
春休みは宿題がなく、暖かな気温の中で、のんびり過ごしていたような気がします。
そんな中で、子どもたちに、たっぷりと「本」を楽しんでもらおう!と企画しました。
3日のコースです。図書館で児童図書を検索したり、紙芝居を創作したり…
子どもたちが楽しんでくれるように、ゲーム的な要素を入れて、現実の世界から本の世界へ。
そして、想像の世界へ…
イメージはいろいろな所へ行って、最後は発表という形で着地!
成果があるから、より楽しい。
発表の様子もは動画に撮って、保護者の方へ!
子どもたちが、10:00~15:00まで、お昼以外は、ずっと集中していたことに驚きました。
楽しいことは時間を忘れて、集中する!子どもも大人も変わりませんね。
そんなことを感じたこの企画。
ニュースレター第139号「子どもたちと『本×なぞとき×物語』しました」以下から、ご覧ください。
2023-03-23 | ブログ
先日もご紹介した「みんなのおうち」で子どもたちとの対話の続編です。
「つながりステーション」という機能も担っています。
子どもたちが学童や学校から習い事へ行く前の時間を過ごす場所にもなっています。
(みんなのおうち連尺が入っているビルです。昨年、みんなで壁画!をしました)
先日、初めて会う小学校5年生が一人でLaQ(ラキュー)というブロックを一人でコツコツと作っていました。
鳥を作っているとのこと。
写真撮らせてらうのを忘れてしまいましたが、大きな、頭部がしっかりとした、尾羽の長い鳥でした。
ちょっと提案を。
尾羽がなが~く一本だったので、
「飛行機の尾翼みたいに、3つに分かれてる尾羽になる?」と聞いてみました。
LaQでどうやってつくるか?のイメージを共有するために、鳥が飛んでいるときの尾羽の広がりを検索しました。
そこから、彼の本領が発揮されてきました。
なんと、恐竜に興味があるそうで、
「プテラノドンは翼竜で、鳥の先祖じゃないよ」と教えてくれました。
(確かに…始祖鳥が鳥の先祖だった💦)
プテラノドンの羽根とコウモリの羽根の構造が同じ!とか
オスとメスでは、トサカ(?)の大きさや形が違うんだよ。とか
鳥の羽根のつき方、羽根が落ちるっていうのは、どういういこと。
などなど、たくさん教えてくれました。
それを聞いて、ひとつひとつ、ネット検索して検証。
そこから、話がまた膨らんでいくという
とっても素敵な対話の時間になりました。
興味があること、疑問はたくさん!
彼は、「くじらと牛が同じ種類だというのが納得いかない!」
とも言っていました。
大人からすると、「哺乳類なんだから、一緒じゃない?」といいたいところですが、
彼の疑問を(きっと、すばらしい視点)潰さないようにしたいなと思い、
「そうなの?」どんなところが?と対話を続け始めたときに、time up!
残念。彼は、塾へと行ってしまったのでした。
興味があることを追求していく!
という、彼の姿勢はとってもステキ!でした。
そして、
・得意なこと、興味のあることは、放っておいても自分で調べていくんだなぁ
・止まらないくらい、話してくれるんだなぁ
ということを改めて感じました。
その、エネルギーを分けてほしい(笑)と思いました。
きっと、誰でも、子どもではなくても、興味のあること、好きなことには、エネルギーを注いで没頭できるんですね!
教育→共に学ぶを実感
19世紀のアメリカの哲学者、ジョン・デューイが「実験学校」という教育のスタイル(あえて、ここでは、こう表現します)を提案していました。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A4)
この提案の中の学校は、教師はファシリテーターで、子どもが興味のあることを考える、やってみることを助ける役割とされています。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%95%8F%E9%A1%8C%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E5%AD%A6%E7%BF%92)
きっと、こういうことなのでは?
と、実際と理論が合致した、楽しい学びの時間を過ごしました。
そして、一緒に探究していくのは、とっても楽しいだけでなく、気持ちが落ち着きます。
彼に、「ありがとうございました。」って言っておきたくて。
そして、そんな気づきの場をいつも提供してくれる「みんなのおうち連尺」のみなさんにも感謝です。