ソーシャル・アクティ まちづくり&組織の活性化・ファシリテーション

社会が、一人ひとりが、生き生きと生活できる社会の実現をめざしています。

『つながり過ぎた世界の先に』とファシリテーション

2021-10-13 | ブログ

『つながり過ぎた世界の先に』マルクス・ガブリエル(大野和基 インタビュー編、髙田亜樹訳)PHP新書、2021年

つながり過ぎた世界の先に (PHP新書) | マルクス・ガブリエル, 大野 和基, 髙田 亜樹 |本 | 通販 | Amazon(アマゾンより)

この頃、ついつい手に取ってしまうマルクス・ガブリエルの本(最近は手に取るというよりも、ポチの方が多いです)
コロナ禍で、ドイツと東京をインターネットを「つなげて」インタビューしたものを本にしたので、口語体で、内容もとても読みやすいものでした。

コロナ禍の前と後を「つながり」というキーワードで読み解いていき、哲学と経済の新たなつながりを構築していこうとしています。

この本の中で、ファシリテーターとして見逃せないことがありました。
やはり、哲学には対話!ですよね。
対話のときの問いかけ方、問いから導出された「考えること」はどういうことなのかについても書かれています。
この辺りは急に難しくなったのですが、じっくりと考えてみたい部分でした。

対話の問いかけと合意形成(意見の対立をどう解消させるかp152~154)

ユルゲン・ハーバーマスの引用から対話・ディベートの話をしています。
ハーバーマスは、対話・討議が民主主義には欠かせないもので、その対話については、議会の中の議論と一定の条件の下でオーソライズされた市民の対話の正当性を説いています。

(アマゾンより)

 

ディベートは、「何らかのプラットフォームがあり、意見の相反する提案を掲げる二人が、どちらが正しいのかを決めるための対話に入る。そういう理由でディベートは行われるべきです。」p153

まずは、対話のための準備(しつらえや心の準備も)を整え、対話を続けることで合意形成になっていきます。

p153での対話…

「さて、君は何と言った?なぜそう思たんだい?その意見を裏付けるものは?君が間違いをしたと僕が思うのは、こういう理由からだよ。裏付けはこうだ。」
 それから、賛否をリスト化して、最後にそれを二人で眺め、合理的な根拠を検討するのです。そのようにして導き出される結論は、お互いの妥協点のどこかに落ち着くでしょう。(p154)

←このプロセスはまさに合意形成!

哲学者が二人で静かに語りあって合意できるところを探究している様子を想像するとワクワクしてきます。
そこでは、どんな対話がなされているのか?理解できるかどうかは別として…)
こんな雰囲気で合意が形成されていけば、きっとお互いに納得できているだろうと思います。

まちづくりの場面でも、そのような合意を目指したいと思いました。

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「考える」ということp202

「人間が考えるとは、考えを掴むことです。
では、考えるとは何でしょうか?
正しいかもしれないし、正しくないかもしれない物事を把握するのが考えるということです。したがって、考えは正しいこともあるし、正しくないこともあります。」

読んでみて…分かったような、分からないような?思考の迷路に入り込んでしまいますよね。
きっと、理解しようとすること、迷路に入ってああでもない、こうでもないと物事を知ろうと努力することが「物事を把握する」ということなのでは?ということに私は至りました。一旦、そういうことにしておこう!と思います。

「考える」ことは、エネルギーを使いますよね。身体を動かしているわけではないけれど、疲れた~と思うことがあります。
「考える」という営みをしていたんだと思うことにします。

形成外科って結局なんですか?😳 | 南青山TOKUNAKAクリニックブログ 表参道 外苑前

そして、うれしいことに…
カントは人間に重要なことは「考える」ことと「感覚(特に美的な体験)が重要だと言っているというのです。

(難しく考えるだけではことで、ほっとします)

人間は、美を感じた瞬間に「確かに生きている」と感じるとのことでした。
美しい音楽や絵をみて心を動かされるときに自分自身を強烈に感じることができる体験と言っています。

「良い会話や良い食事、そして思考も含めて、それらの体験を高度な感覚的快楽は、良い暮らしの中にある」というのです。
(quality of life と言われて久しいですが、質の良い生活=高度な感覚的快楽のある暮らしということなのですね!)

できるだけ多くの心地よい体験をすることが、他人の楽しさを受容できることになっていくのだとか。

逆に
「人を苦しめることは、苦しめられる方にとってはもちろん、苦しめる方にも不快です。
芸術にれることは、確実に人類の進歩に重要な役割を果たします(p206)」

3.11での復興支援にアートプロジェクトがいくつかあり、なぜアートなのか?と活動している人に聞いたことがあります。
そのときは、心の中にあるいろいろな思いをアートにして吐き出すんだ、と言われたことを思いだしました。
複雑な思いを表出させることももちろん、大切です。
もう一つは、高度な感覚的快楽の体験をして、自分が生きているという実感や平穏に暮らしていた頃に心を持っていくという効果があるのかもしれません。

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そして!気持ちの良い暮らしをすることが、平和な世界を築いていくことに「つながる」のだと思ったご本でした。

ファシリテーターとしても、気持ちの良い暮らしを心掛けていくことが、よりお役に立てるようになるのだと「考え」ました。

 

 

ニュースレター第121号「オンラインでファシリテーション研修」

2021-10-03 | ニュースレター

オンラインで1日。ファシリテーション研修をさせていただきました。

いろいろと盛り込んで、内容を考えるのも楽しい時間でした。
ファシリテーションのスキルや考え方だけでなく、こんなときにはこんな風に対応してみては?といった具体的な活用の場面などを盛り込んでみました。

参加してくださった皆様からもうれしいフィードバックをいただき、とても充実した時間となりました。

お声かけくださったみなさま、ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました。

この経験を活用して、さらに充実した研修になっていくよう、務めて参ります。
今後とも、よろしくお願いします。

ニュースレター第121号「オンラインでファシリテーション研修」こちらから、ご覧ください。

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植物ってすごい!彼岸花

2021-09-21 | ブログ

1年に2回お彼岸がきますね。
コロナ禍で自粛していても、お彼岸が来て季節は確実に移っていくことを思います。

そのときには、必ず咲いているのが彼岸花。
この頃は、赤(というよりも朱赤のような)だけではなく、白い(オフホワイト?)も混ざって咲いているのが見えます。
真っ赤な絨毯の中に、白が混ざっていると、目がほっとします。

ほおっておいても、いつの間にか、お彼岸が近づくと芽が出てきて、すすっと茎が伸び、花が咲いています。
自然ってすごいです。

(これは、愛知県半田市の矢勝川の彼岸花です。1.5㎞にわたって咲いています。圧巻です。)

彼岸花の名所と言われる場所は、どなたかが「地域の名所にしよう!」「いろいろな場所から見に来てもらおう!」と植えてくださったものが多いです。
なかなか自然に任せておくと、彼岸花一色とはなりません。

人工的とはいえ、ため息が出るほど見事なものです。

日本各地に彼岸花の名所がありますが、岡崎にもあります。(というか、できました)

その前に…
「葵桜」と呼ばれる河津桜の並木があります。
この並木は、堤防の前に住む方が、桜(ソメイヨシノが中心)の名所、岡崎でソメイヨシノよりも前に咲く河津桜を植えて、岡崎を楽しんでもらおう!と植えました。
その後、県や市との確執もありながら、市民の方々を巻き込んで植え続けられました。

岡崎の葵桜の並木です

葵桜を見下ろせるレストラン「ローレライ」では、桜の季節には、こんなオプションも!

そして…
河津桜の根本に彼岸花を植えて、訪れる人に楽しんでもらおう!と植え始めました。

資金は、ご自宅のガレージでフリーマーケットをしたり、寄付を募ったりと精力的に活動していらっしゃいました。

数年前に、ご他界されていまわれたのですが…
きっと、お彼岸のたびに美しくなっていく堤防をご覧になっていらっしゃるのだろうなぁと思います。

花の名所だけでなく、いろいろな名所で市民の想いがカタチになっているのでしょう。
地域のことを思って、私財も投入して…。尊い活動だなぁと思います。

見に行くことくらいしかできませんが、その場を盛り上げてくださっている方々に感謝しつつ、
「きれい!」とため息をついて来ようと思います。

(行ってまいりました!葵桜の下に咲く彼岸花。これから株が増えていきます!)

まちづくりには、「よそもの、わかもの、ばかもの」が必要だといわれています。
よそもの:そのまち以外から来て、そのまちが好きになっている人
わかもの:次世代を担い、頭もやわらかい人
ばかもの:その地域に住み、自分の時間や私財も費やして地域のことを(ばかと呼ばれるほど)考え行動している人

「ばかもの」の呼称には少し抵抗がありますが、そういう尊い方々のお陰でまちがある!
ということを感謝とともに忘れないでいたいと思います。

子どもたちの遊び場はどこへ?

2021-09-13 | ブログ

昨年、2020年3月に、突然学校が一斉休校となりました。
そのときは、午前中は静かだったものの・・・

午後3時くらいからは、小学生の子どもたちが走り回っている声が聞こえてきて、きっと『モモ』がみんなが帰ってきた!と喜んでいるのでは?と思っていました。

モモは、ミハエル・エンデの作品の中に出てくる小さな女の子。
いつも広場で子どもたちと遊んでいたのに、時間泥棒がまちにやってきて、大人には時間を効率的に使ってお金を儲けましょう!と言い、
子どもたちには、塾へ行ってもっともっと勉強してお金を儲ける大人になりましょう!と言って回っていました。
そして、いつの間にか、一緒に広場で遊ぶ子どもはいなくなり…
モモは、子どもたちと楽しい時間を過ごそうと、時間泥棒をやっつけに行きます。


(アマゾンより)

という物語です。

子どもたちに外で遊ぶ時間ができたのだなぁと思っていました。

ところが、 今回の緊急事態宣言では、子どもたちにも感染が広がっている!ということで、公園の遊具は使用禁止になってしまいました。
新聞では見ていたのですが、​実物を見てしまうと、やはりショックでした。


 

それでも、小さな子どもは砂場で遊んでいたようです。(少し救われた気持ちです)

シーソーやブランコは使用禁止になっていないものの…
きっと、公園に遊びに来る子どもがとっても少ないのでしょう。
ブランコの周りには、いつの間にか木が生え、大きく茂りつつあり、足元は草でいっぱいになっていました。

今まで、こんな状態の公園を見たことがありませんでした。
人が歩かないし、毎年町内会で行っていた草取りもされず…
草はどんどん伸びていくですね。

ゲートボールはやっているようなので、なんとか、そのあたりは無事に土が見えています。

公園の隣にある神社も、こんなところにまで!と驚くほど草が茂って…

早くコロナ禍が収まってほしいと思いました。

ここ1週間ほど、神社を散歩しながら、草を取っています。
自分が草を取ったところを歩くたびに「よしよし、きれい♬」と思いながら悦に入っています(自己満足です)!
少しは、人が出歩いていたときの地面に近づきますように。

コロナ禍で新しい生活様式になっていくと言われています。
公園がもっと地域の人たちの心のよりどころになっていきそうな気もします。
そのときのために?草取りに励もう!と思います。

ニュースレター第120号「FAJ定例会 AI×ファシリテーション」

2021-09-01 | ニュースレター

6月のFAJ(日本ファシリテーション協会)ファシリテーション・サミットで行ったハイラブル(株)オンライン会議のデータシステムを使って東京支部定例会で話題提供させていただきました。

6月と趣向を変えて、フィッシュボウル(中で話す人々を観察者が観察して、ふりかえるというファシリテーションの方法があります)を行いました。

客観的なデータを見ることは、感情が入り込まずに冷静に観察することができました。
また、そのデータも興味深いもので、ファシリテーターの癖や進行方法が見えます。普段、見えていないものが客観的に見える!
ふりかえりをするには、とても貴重な体験をさせていただきました。

まだまだ活用の方法がありそうです。

ニュースレター第120号「FAJ定例会 AI×ファシリテーション」こちらからご覧ください。


 

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