ソーシャル・アクティ まちづくり&組織の活性化・ファシリテーション

社会が、一人ひとりが、生き生きと生活できる社会の実現をめざしています。

「みつばちプロジェクトのお手伝いをしています」

2015-12-03 | ニュースレター

NL52

 

ミツバチの数が減っていると言われています。

はちみつだけでなく、花の受粉にも欠かせないミツバチです。私たちの食生活の元と言っても過言ではありませんよね。

そんなミツバチをまち中で飼って、ハチミツを販売しようというプロジェクトが名古屋市内にいくつかあります。

小さな試みを始めた団体さんのワークショップのお手伝いをさせていただく機会に恵まれました。

啓蒙のため、プロジェクト拡大のためのワークショップです。

対象は、小学校1年生の部、高齢者の部の2本立てです。

ファシリテーターも新しい発見があり、コンテンツも学びの場としても楽しいワークショップとなっています。

ニュースレター第52号、こちらからご覧になれます。

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武豊町のゴミ処理基本計画が策定されました

2015-11-26 | お知らせ

武豊町

昨年度、アンケート分析、ワークショップとお手伝いをさせていただいた、愛知県武豊町の「ごみ処理基本計画」が策定されました。

こちらからご覧いただけます。

http://www.town.taketoyo.lg.jp/environment/lifeinfo/kurashigomi/kurashigr/entry-2939.html

 

正確には、平成27年8月に策定され、ホームページにアップロードされていました。

大人3回+teens 1回+(大人とteens)で行ったワークショップで、

ホールシステム・アプローチ*の一つ、フューチャーサーチの方法を取り入れて行いました。

大人とteensによる最終回のワークショップ風景が掲載されていました。

 

*ホールシステム・アプローチとは

ある課題には、さまざまな利害関係者がいます。このさまざまな利害関係者(直接的な利害ではなくても、広い意味でも関わりのあるセクションにいる人々、未来の利害関係者も含みます)をシステムと仮定すると、全ての利害関係者が一堂に集まり、対話によって未来志向で課題を解決していく方法です。

先日来、このホームページでも話題にしている「ワールド・カフェ」もその中の一つの方法です。

 

『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』

2015-11-11 | ブログ

『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』平田オリザ 講談社現代新書2177、2013年

を読みました。以前から気にはなっていたのですが、書籍を読むまでにいたらなかった平田氏の本でした。

平田オリザ

 

はじめに

近年、「対話」を中心としたワークショップをさせていただくことが増えました。ホールシステム・アプローチの中の手法をその場、求めるものに合わせてアレンジしたり、組み合わせたりして使っています。

「ホールシステム・アプローチ」と言われる方法は、利害関係者を広く集めて(これが全システムであるとして)対話で話し合いを進めていくというものです。

この中には、ワールドカフェ、OST、AI 、フューチャーサーチという代表的な方法がありますこれらは、いろいろな一連のプロセスを経て進められます。

なぜ「対話」なのか?と言いますと、アメリカの物理学者で哲学者のデビット・ボウム『ダイアローグ』を読み、これからは「対話」が必要なのだと共感したからなのです。ばらばらになった人々をくっつけるのが「対話」だと言い、参加の元々の意味は加わるのではなく、一つになることなのだと言っていました。全体主義とは違う、参加者につながっている感じを持っていただけると合意できることが多いのではないかと考えて「対話」の手法を活用しています。

ということで、平田氏のいう「対話」「コミュニケーション」にもたいへん興味を持っておりました。

本書は、演劇、演じるというフィルターを通して「対話」「コミュニケーション」を見ていますが、演劇は社会の縮図とすれば、演劇の中の「対話」「コミュニケーション」は演劇の範囲を乗り越えて、広く社会に一般化できる部分が多いのではないか?と感じました。

 

「対話」について

平田氏は、「『対話』はAとBという異なる二つの論理が摺り合わさり、Cという新しい概念を生みだす。AもBも変わる。まずはじめに、いずれにしても、両者ともに変わるのだということを前提にして話を始める。」としています。

これにはたいへんな体力が必要とされそうです。そして、「対話」には基礎体力があるそうです。

「異なる価値観と出くわしたときに、物怖じせず、卑屈にも尊大にもならず、粘り強く共有できる部分を見つけ出していくこと」で、「そうした対話を繰り返すことで出会える喜びも、伝えていかなければならないだろう。」と。

さらに、「対話」をするには、相手の言うことを聴くだけではなく、自分のことも相手が理解できるように説明し、理解してもらうことが重要だということでした。

「対話」には言葉が必要です。もちろん、言葉がなければ話すことはできませんが、関係性がなければ言葉はありません。昔は女性の上司が男性に命令・指示するということはほとんどありませんでした。したがって、その場面にしっくりとくる言葉がないのです。そして、現在は、そのような「ジェンダーや年齢といった区別なく、対等な関係で『対話』を行うための言葉を生成していく『過渡期』だと言っていいだろう。」と。

対話できる、対話にふさわしい言葉をつくっていくことが求められるのかもしれません。そういえば、ヨーロッパでは、親、教師、上司にもファーストネームで呼ぶのだとか。名字や立場に縛られない関係を言葉でつくっているのかもしれません。

 

そして「成熟社会」のコミュニケーションとは

もう、日本は成熟社会です。その中では、国民の幸せの目標は一つではなく、多様です。その多様な、バラバラな価値観やライフスタイルのままで生きていくにしても、「どうしても、社会生活を営んでいくうえで、地域社会で決めていかなくてはならないことがある。」のです。

そのためには「非常に短期間に集団でイメージを共有し、コンテクストを摺り合せるノウハウ」「この技術こそが、いまの日本社会、日本の地域に必要なものではないか」と提案しています。それを平田氏は「協調性から社交性へ」と表現しています。

そして、今まで日本社会の前提となっていたことを覆す必要があると。「心からわかりあえないんだよ、すぐには」「心からわかりあえないんだよ、初めからは」を前提として対話していくことが求められている、ということでした。

確かに、さまざまな考え方の上に生きている人々には、“これ、常識だよね”と言っても人によって常識の範囲は違っていることを痛感しています。(だから、行き違い、心のすれ違いがおきるのですよね)

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めざす合意形成は

この前提を踏まえて、AとBを対話によってCにすることが可能になるのですね。この考え方は、私の「対話」に対する姿勢と共感できるところが多くありました。「対話」の手法で導き出したい答えは、AかBかを選ぶのではなく、Cという“止揚”されたものだからです。(実際に今夏、中学生と高校生の子ども会議でも“止揚”による合意形成を試みたところ、参加者のアンケートでは達成感を感じ、成果に納得しているという回答ばかりでした。)

お互いに出した答えに納得し、新しいものを生み出す。これが「対話」による合意形成なのではないかと考えるのです。

その納得が答えに対するコミットであり、お互いに信頼関係をつくっていくプロセスの重要なポイントなのではないでしょうか?

答えに対するコミットが高ければ、参加意欲が高ければ、その実行は成功します。デビット・ボウムのいう「ひとつにつながる」ことへ前進するのだと考えます。

 

対話によって成果をひきだすホールシステム・アプローチ。これからも活用する場面がますます増えそうです。

 

 

 

「ワールドカフェ20周年イベント」ニュースレター51号

2015-11-03 | ニュースレター

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ニュースレター第51号

先日のワールドカフェ20周年イベント、簡単ではありますが、記事を掲載しました。

4か月準備にかけてきたイベントが終わってほっとしています。

と同時に、ワールドカフェの可能性を試してみたくなっています。

こちらからご覧ください。

 

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500人以上&日本がつながったワールドカフェ20年イベント

2015-10-27 | ブログ

10月25日(日)にワールドカフェが考案されてから20年の記念イベントを行いました。

当初はアメリカと日本の9会場を結んで行う予定でしたが、トラブルが起こり、日本の9会場(札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、神戸、広島、九州、沖縄)をむすんで実施しました。名古屋会場は85人、9会場合わせると500人以上の参加がありました。

名古屋会場の実行委員長とメイン・ファシリテーターを務めさせていただきました。

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ワールドカフェとは?

今回はビデオでの出演となった、ワールドカフェの考案者、アニータ・ブラウン氏によると・・・

前提としてホールシステム・アプローチ(ものごとを取り巻いている全てのステークホルダーをシステムと捉え、この全てのステークホルダーを集め、対話によって課題解決や未来を描き、実現を可能なものにする手法)がありました。

そして、全てのステークホルダーが会話のような話し合いをする中で、抱えている課題の解決への手がかりが得られるといっています。

これを会話型リーダーシップと呼んでいます。会話型リーダーシップとは、「ビジネスや社会において価値を生み出すために必要な集合知を養うための中核プロセスとして、リーダーが意識的に会話を用いること(『ワールド・カフェハンドブック』より)」としています。

会話によって、私とあなたは違うことを認識し、違いを認め合うというところから始まるということだと理解しました。

そして、ワールドカフェを行えば解決できるのではなく、その他のホールシステム・アプローチと言われる方法、OST(オープン スペース テクノロジ―)*やAI*、U理論*などと組み合わせるのが効果的だとも言っていました。

(ここにフューチャーサーチが入っていなかったこと、U理論が入っていることが理解できなかったので、これは、今後、謎解きをしていこうと考えています。)

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500人以上がつながる実感!

午前は、レクチャーというよりも、ワールドカフェへの熱い想いや可能性についての語りという方が近いアニータのビデオの後、一番アニータの想いを理解しているといわれるエイミー・レンゾー氏のワールドカフェ。

(エイミーがITを活用したワールドカフェの実践者です。)

午後は、エイミーのストーリーと日本の3人の実践者の話。その後のワールドカフェ体験。

(シリアとレバノンを結んでワールドカフェを行った事例を紹介してくださいました。ITワールドカフェの可能性が広がりました)

(3人の実践者の一人、田坂さんは福島にツアーを組んで行ったときに、東日本復興支援財団の専務理事、荒井さんをご紹介してくださり、ご一緒に案内をしてくださいました。そのときにお会いした「未来会議inいわき」のコアメンバーのお話でした。なぜか涙が・・・)

最後に各会場をリレーでつなぐハーベスト。

このハーベストのとき、9会場のつながりを強く感じました。

全会場で同じ問いかけについて、同じ時間に、対話し、共有する。

言ってしまえば単純なこれだけの事ですが、とても深い「つながった」感覚が残りました。

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実行委員だったから?

この感覚は、実行委員だったからなのか?と思ったのですが、アンケートでは「つながった」という文言が散見されましたので、そこに参加していた方々も「つながった」ことを感じてくださったのだと考えます。

ただ、実行委員は話が持ち上がってからの4カ月の間、ミーティングを行い、協働で準備を進めてきたのでチームとしての「つながり」は空間を超えて形成されていました。

各会場の実行委員、特に、リーダー’s、ITチーム、メイン・ファシリテーターチームのそれぞれのグループ、そして、会場内の実行委員のグループ間でもつながっていました。

特に、当日はIT担当とメイン・ファシリテーターは連絡を密に取りながら進めることになります。東京(司令塔でした)とのプログラムの時間調整、スイッチングのタイミングなど常に情報を共有しながらの進行でした。

そして、グラフィッカー、撮影班の方々とも情報を共有しつつ進めました。時間がズレると各拠点での裁量の範囲で臨機応変にプログラムを変更しなくてはならないのです。これには各会場のみではなく、全ての会場が足並みをそろえなくてはいけないので、制約はきついのですが、全員でひとつのことを進めているという感覚がありました。

したがって、一日中、緊張が続いていました。そんな状況では、チームのつながりがより深まるのは当然なのかのしれません。

 

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宴の後

まだまだ興奮醒めやらず。というのが実感です。

翌日から私を含めてみなさんご自分の仕事に戻ったものの、きっと私と同じ様に新たな気持ちで臨んでいるような気がします。

仲間がいる!という感覚があります。きっとこれがデビット・ボウムの言う「対話で世界が一つにつながる」感覚、U理論でいう「Uの谷をくぐって新たなステージに入っていく」感覚なのかもしれません。

そして、私のワークショップの設計の視点に、「参加者がつながりを感じてくださるためにはどうしたらいいのか?」というのが加わりました。加わったというよりも、潜在的には自覚していたのですが、明確に考えるようになったというのが近いかもしれません。

ファシリテーションの父(?)社会心理学者のクルト・レヴィンは、ワークショップを行うとその効果は継続するということを検証しています。

その実験とは、「講演の後、ワークショップを行ったグループと行わなかったグループの比較実験をしました。講演で言われたことを実践しているかどうかを1週間後、1カ月後に調査したのです。すると、ワークショップを行ったグループは1カ月経ってもほぼ全員が実践を続けていました。行わなかったグループは半数程度でした。」というものです。

いまどきの言葉にすると、「自分で考え、つかみ取ったものにはコミットメントが高い」といえます。

このレヴィンの実験結果からすると、このイベントで強く思った何かがある人ほど、その想いは継続し、実践せずにいられなくなるのでは?と考えられます。ワールドカフェの想いがさらに広がりそうです。

 

 

 

 

 

 

 


 
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