
2015-10-27 | ブログ
10月25日(日)にワールドカフェが考案されてから20年の記念イベントを行いました。
当初はアメリカと日本の9会場を結んで行う予定でしたが、トラブルが起こり、日本の9会場(札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、神戸、広島、九州、沖縄)をむすんで実施しました。名古屋会場は85人、9会場合わせると500人以上の参加がありました。
名古屋会場の実行委員長とメイン・ファシリテーターを務めさせていただきました。
ワールドカフェとは?
今回はビデオでの出演となった、ワールドカフェの考案者、アニータ・ブラウン氏によると・・・
前提としてホールシステム・アプローチ(ものごとを取り巻いている全てのステークホルダーをシステムと捉え、この全てのステークホルダーを集め、対話によって課題解決や未来を描き、実現を可能なものにする手法)がありました。
そして、全てのステークホルダーが会話のような話し合いをする中で、抱えている課題の解決への手がかりが得られるといっています。
これを会話型リーダーシップと呼んでいます。会話型リーダーシップとは、「ビジネスや社会において価値を生み出すために必要な集合知を養うための中核プロセスとして、リーダーが意識的に会話を用いること(『ワールド・カフェハンドブック』より)」としています。
会話によって、私とあなたは違うことを認識し、違いを認め合うというところから始まるということだと理解しました。
そして、ワールドカフェを行えば解決できるのではなく、その他のホールシステム・アプローチと言われる方法、OST(オープン スペース テクノロジ―)*やAI*、U理論*などと組み合わせるのが効果的だとも言っていました。
(ここにフューチャーサーチが入っていなかったこと、U理論が入っていることが理解できなかったので、これは、今後、謎解きをしていこうと考えています。)
500人以上がつながる実感!
午前は、レクチャーというよりも、ワールドカフェへの熱い想いや可能性についての語りという方が近いアニータのビデオの後、一番アニータの想いを理解しているといわれるエイミー・レンゾー氏のワールドカフェ。
(エイミーがITを活用したワールドカフェの実践者です。)
午後は、エイミーのストーリーと日本の3人の実践者の話。その後のワールドカフェ体験。
(シリアとレバノンを結んでワールドカフェを行った事例を紹介してくださいました。ITワールドカフェの可能性が広がりました)
(3人の実践者の一人、田坂さんは福島にツアーを組んで行ったときに、東日本復興支援財団の専務理事、荒井さんをご紹介してくださり、ご一緒に案内をしてくださいました。そのときにお会いした「未来会議inいわき」のコアメンバーのお話でした。なぜか涙が・・・)
最後に各会場をリレーでつなぐハーベスト。
このハーベストのとき、9会場のつながりを強く感じました。
全会場で同じ問いかけについて、同じ時間に、対話し、共有する。
言ってしまえば単純なこれだけの事ですが、とても深い「つながった」感覚が残りました。
実行委員だったから?
この感覚は、実行委員だったからなのか?と思ったのですが、アンケートでは「つながった」という文言が散見されましたので、そこに参加していた方々も「つながった」ことを感じてくださったのだと考えます。
ただ、実行委員は話が持ち上がってからの4カ月の間、ミーティングを行い、協働で準備を進めてきたのでチームとしての「つながり」は空間を超えて形成されていました。
各会場の実行委員、特に、リーダー’s、ITチーム、メイン・ファシリテーターチームのそれぞれのグループ、そして、会場内の実行委員のグループ間でもつながっていました。
特に、当日はIT担当とメイン・ファシリテーターは連絡を密に取りながら進めることになります。東京(司令塔でした)とのプログラムの時間調整、スイッチングのタイミングなど常に情報を共有しながらの進行でした。
そして、グラフィッカー、撮影班の方々とも情報を共有しつつ進めました。時間がズレると各拠点での裁量の範囲で臨機応変にプログラムを変更しなくてはならないのです。これには各会場のみではなく、全ての会場が足並みをそろえなくてはいけないので、制約はきついのですが、全員でひとつのことを進めているという感覚がありました。
したがって、一日中、緊張が続いていました。そんな状況では、チームのつながりがより深まるのは当然なのかのしれません。
宴の後
まだまだ興奮醒めやらず。というのが実感です。
翌日から私を含めてみなさんご自分の仕事に戻ったものの、きっと私と同じ様に新たな気持ちで臨んでいるような気がします。
仲間がいる!という感覚があります。きっとこれがデビット・ボウムの言う「対話で世界が一つにつながる」感覚、U理論でいう「Uの谷をくぐって新たなステージに入っていく」感覚なのかもしれません。
そして、私のワークショップの設計の視点に、「参加者がつながりを感じてくださるためにはどうしたらいいのか?」というのが加わりました。加わったというよりも、潜在的には自覚していたのですが、明確に考えるようになったというのが近いかもしれません。
ファシリテーションの父(?)社会心理学者のクルト・レヴィンは、ワークショップを行うとその効果は継続するということを検証しています。
その実験とは、「講演の後、ワークショップを行ったグループと行わなかったグループの比較実験をしました。講演で言われたことを実践しているかどうかを1週間後、1カ月後に調査したのです。すると、ワークショップを行ったグループは1カ月経ってもほぼ全員が実践を続けていました。行わなかったグループは半数程度でした。」というものです。
いまどきの言葉にすると、「自分で考え、つかみ取ったものにはコミットメントが高い」といえます。
このレヴィンの実験結果からすると、このイベントで強く思った何かがある人ほど、その想いは継続し、実践せずにいられなくなるのでは?と考えられます。ワールドカフェの想いがさらに広がりそうです。
2015-10-16 | ブログ
合意形成はファシリテーションのスキルの中でもかなり高度で難しいものだと言われています。
ここ1,2年、試みている方法が合意形成だけでなく、参加者のコミットメントにも有効なのだと体感したことをご報告します。
はじめに
私の所属している日本ファシリテーション協会(faj)https://www.faj.or.jp ができて10年余り経ちます。
このNPOができて早々に公開セミナーも開催するようになりました。したがって、公開セミナーが始まって10年あまり。
セミナーの内容は、講師陣が常に見直し、研鑽しているため、鮮度を保っています。
しかし、そのセミナーを支えるスタッフの体制は、追加、入れ替わりがあるものの、根本的な体制の見直しはしてきませんでした。
昨年度から、このセミナー委員会の副委員長を務めさせていただいております。
従来から体制を整えることが課題となってきていたのですが、今回、念願の見直しに着手することになり、そのたたき台を作るべく、全国から委員が集まりました。
(全員で70名を超えていますので、予算上、15名に絞らざるを得ず、申し訳ないのですが)
2日間の会議のファシリテーター
会議を開催するにあたり、4人の正副委員長と講師、担当理事(計6人)で準備を進めてきました。
直前の打ち合わせの際、ファシリテーターを仰せつかってしまいました。
ゴールと2日間の大まかな話はできていたものの・・・
ゴール:セミナー委員の抱える課題を出し、解決策ができていること(参加できなかった他の委員に提案できるものができあがっていること)
大まかなスケジュール:1日目 課題だしの発散に徹する
午前中は各地の活動をふりかえる「タイムライン」をする(ランチタイムも引き続き行う)
午後は課題出し
2日目 課題の解決策ができている収束の段階
「これだけ? ファシリテーターをすると分かっていたら、もっとプログラムを作ることを話題にすれば良かった」と反省しながら、あらあらのプログラムを作成しました。
宿題の担当さんもおり、その宿題と打ち合わせメモを見比べつつ、2日間に起こるであろうことを思い浮かべつつ・・・。
プログラムは
1日目 午前 チェックイン、宿題の共有、趣旨説明、タイムラインの作成
午後 課題の共有(ワールドカフェ)、ハーベストで課題を一覧にする(マインドマップ)、マインドマップから課題を抽出する、明日の検討課題の問いをつくる
2日目 (課題解決策を考える+解決策の共有)×3ラウンド、全体共有、ふりかえりとチェックアウト
にしました。
この中で、2日目課題解決策を考える+解決策の共有 のパートでは、このごろの試みが実を結びました。
時間を区切り、グループワーク→メンバーチェンジ(グループワークのプレゼン+アイディア出し)→元に戻ってもう一度検討
その後、全体で解決策を共有しました。
すると、最終案は、他のグループのメンバーがその経緯を知っており、アイディアも入っていることから、異論なく合意できました。
そして、メンバーの意識は、「たまたまこの課題については代表で解決策を考えている。他の興味ある課題についても自分のアイディアも出しているから、どんな案が出てきてもコミットメントが高い」という状態になっていたのだと考えられます。
コミットメントも高まる進め方
グループワークにおいては、他のグループの出してきた案にコミットメントを高く合意するというのは、あまり期待できません。
この方法であれば、そのグループに参加していない人も、「自分ごと」になっていき、合意できる(できそうだ)ということが検証できました。
ワールドカフェやそれをアレンジしたプロアクションカフェなど、メンバーチェンジしながら進めるいろいろな方法が考案されています。
今回の会議で「メンバーチェンジする」ことの意味を深く体感し、場面は違えど、共通するものは同じなのだと理解しました。
今後もさまざまな場面で活用したいと思いました。
2015-10-05 | ブログ
10月4日は有松絞りで有名な名古屋市の有松地区の天神社のお祭りでした。
「迫力の祭りに迫る!有松天満社山車祭りハイライトツアー(特別観覧席付き)」に参加して、山車と絞り染め体験で有松を堪能してきました。http://www.veltra.com/jp/japan/aichi/a/123942
有松の山車は3基もあります。300年近く前からある山車も。
愛知県には山車がある町がけっこうあります。豊かな土地だったからでしょうか?
山車は車引き(方向を転換するとき)が見所ですね。
特別観覧席(一番の見どころが民家のベランダで、そこをお借りしました)と、間近な場所から2度見物しました。
手を伸ばせば届くくらいの身近で見るのは初めてで、その迫力に感動しました。
山車を見ているときにコミュニティの力が伝わってきました。
世代を超えて
迫力満点の「車引き」は、車輪を軸にして梃の原理で山車を回転させます。
山車の後ろに厄年の男性が乗り、山車の前で男衆が担ぎあげます。そして、掛け声とともに転回。
うまくいけば、3回転もするそうです。
その間、山車の中ではお囃子が鳴り続け、からくり人形はお祓いをし続けます。
乗っているほうも命がけです。
ツアーガイドさんは、現役で山車を担いでいる方で、昼間はツアーのためにお休みだとか。(申し訳ないです)
この一連の動きには、小学生からご高齢の方まで関わっていました。みんなが一致団結しないとできないことでした。
男の子は小学生からお囃子を始め、全体の流れや感覚をつかみながら大人になっていくのですね。
世代を超える、世代を繋いでいかなくてはできないことです。
さらに、町内ごとにおそろいの浴衣(もちろん有松絞り)に身を固めています。(贅沢なユニフォームですよね。)
これで、町内の結束がさらに固まり、テンションも上がっていくようです。
小学生から中高生、大人までが同じ浴衣を着て、同じ目的に向かって協力しあう・・・
こんな活動があれば、いざというときにはお互いの顔も知っているし、家族の顔もわかります。
年に1回でも、その準備は何カ月も前から始めなくてはなりません。つながりが強くなっていけるチャンスがたっぷりあります。
年寄衆は・・・
山車の前に梵天係がいます。梵天の上に神様がいらして、神社からお出かけになるそうです。この梵天係のすぐ後ろを(たぶん、町の長老)歩く紋付袴の方が数人いらっしゃいました。
みなさん、羽織の下は有松絞り。
地域の、そしてご自分達の仕事に対する誇りを感じました。
非日常のためには、日常の結束がなくては成功しないのですね。きっと。
田村明先生も非日常(ハレ)と日常(ケ)がコミュニティを培ってきたとおっしゃっていました。その言葉を思い出し、目の前で見ることができた一日でした。
追記 有松絞り体験
いろいろな絞り染めがあるそうです。初心者に向いているという、「石花絞り」をしました。
ピンクと青の2色。どんな柄になるのか?出来てみないと分からない・・・

ステキなハンカチができました。
浴衣を自分で染めて、仕立ててもらうというイベントもあったそうです。
挑戦してみたくなりました。
2015-09-24 | ブログ
大人になって初めて、キャンプに行ってきました。
お恥ずかしいのですが、キャンプは中学校の山の学習以来だったような気がします。
ほとんど初体験でしたが、キャンプの先輩方にお世話になりながら、楽しく一晩過ごしてきました。
キャンプ用品というのは、優れモノがたくさんあるのですね。といいますか、優れモノばかりで驚きました。
そして、当然といえば当然なのですが、キャンプは非日常で、災害時にも活用できる経験やグッズの宝庫でした。
中学生のときと比べて、いろいろと進化しているのですね。
ほんの一例では、
・ コンパクトにしまえて、軽量。(道具だけでなく、食料もコンパクトに)
・ 火力の強い調理器具。(カセットボンベが使えるので火力は安心)
・ 保温性のよい就寝グッズ
など、ひとつ一つに驚きと技術の進歩に感心してきました。
今更ではありますが、「これは災害時にも使える!」と実感しました。
アウトドアのグッズを製造しているメーカーからも「非常用持ち出し袋」がでているそうです。
ホームセンターで購入するよりも高価なのですが、品物は持ちがよく、繰り返し使えるものです。
(キャンプの先輩方の説です。私はそう言えるほど使っていないのが残念です。)
中身も少し違っています。登山用品・キャンプ用品を製造しているだけあって、視点が違っているような気がします。
例えば・・・
エマージジェンシ―イニシャル セットでは、
軍手 ではなく ノーメックスグローブ(耐火性もあるたいへん丈夫なグローブ)
懐中電灯 ではなく HCヘッドライト(暗い中でも両手が使え、明るいのです)
はさみ ではなく ビクトリノックス(はさみだけではなく、ナイフやドライバーもつている多機能なツール)
などなど。
これらの使い方に慣れるためにもキャンプは有効だと分かったのです。
(写真は、モンベルのホームページにあるセットです。)http://webshop.montbell.jp/sys_img/related/ecinfo_002_00856.jpg
こんな小さな即席めんも!
カップヌードルなどおなじみの麺が大きさ半分になっています。
食べ慣れたものを食べると、日常を取り戻せるそうです。日常を取り戻すには、食べることが一番早いそうです。おいしいものをたくさん食べたはずの旅行から帰って来たときも、帰ってからのいつものお茶やコーヒーは、ほっと落ち着きますものね。
http://shop.nissinfoods.co.jp/product/refil/
フリーズドライのスープやシチューもあります。これなら、たまには手抜きしたいときにも使えそうです。
周りは暗く、とても静かで、川のせせらぎと虫の合唱だけが聞こえました。
大人にはこういう時間が好まれるのでしょうね。
2015-09-18 | ブログ
今年度、HUG(避難所運営ゲーム)や防災まちづくり関係のお話をいただいています。そのときにお願いしていることが一つあります。
今年度は、自治体が主催、参加するのは市民の方なので、ありがたいことに、そのお願いは実現しています。
災害に対する認識を共有するために
それは、被災地に応援にいった自治体職員の方にHUGを始める前に15分~20分ほど、報告をしていただくことです。
これから来る災害に備えようという地域にとって、(被災された方々は別として)現地に行って内部者として活動してきた人の話ほど、臨場感のあるものはないのでは?と考えています。消防士、保健士などの資格を持った方だけではなく、社会福祉協議会の職員、復興に必要な都市計画や区画整理のエキスパート、などなど、たくさんの部署から被災地へ行っています。
それぞれの方の話を聞くだけでも興味がわきますし、実際に見聞してきた、体験してきた話は臨場感があります。
その話を聞いて、被災するというイメージを参加者のみなさんと共有できれば、と考えています。
もう一つの理由
庁舎内で自治体職員間では被災地支援活動の報告会は設けられていると思われます。しかし、市民がその話を聞く機会というのはほとんどないのではないでしょうか?
市民が聞くとすれば、研究者の報告やNPOの報告、ボランティアの体験談などは、興味を持って情報を探して出かけていけば、聞くことができます。そういう機会は、もちろん、それぞれの立場の視点から見えた、さまざまなことがわかる貴重な機会です。手弁当で現地まで足を運び、活動するという尊い行為のお話です。
では、わがまちの自治体の職員は?というと、もちろん、たいていの自治体からは被災地へ任務として、年間数名が支援に行っています。現在も被災地に赴き任務をこなしていらっしゃいます。自治体職員の目で見た被災地の状況や復興の状況、その内情などを市民も知っておくというのは大切なことではないか?と考えています。
市民が手を出せない「行政」として行う領域について(行政内部の手続きなど)、また、業務として関わる中で得られる知見など、東日本大震災の支援活動から学んだことをたくさん持っていらっしゃるはずです。
そんな事柄を市民も共有して、減災や事前復興に活かすことができれば、市民も自治体も、赴任した職員もうれしいことではないかと考えています。
さらに付け加えると、自治体の職員は自治体の費用で支援に行っているのですから、市民がその話を聞く機会がないほうが不思議なのかもしれません。
出前講座で「聞く会」を設定してもいいかもしれませんね。
反応は
職員の方の話を聞いた参加者の反応は、良好、といいますか、初めて聞く話に興味深々で、前のめりになって聞いてくださいます。
そして、わがまちからもちゃんと被災地へ支援にいっている職員がいるのだなぁと認識してくださり、誇らしい思いをもってくださるようです。
公費とはいえど、せっかく、現地でがんばってくださっている方がいらっしゃるのですから、わがまちの誇りにしたいですよね。

