2015-03-25 | ブログ
先日、愛知県東浦町で、「自治基本条例を考えるシンポジウム」が開催されました。
このところ、なんとか会場に来てくださった方々が参加できるようなものにならないかな?と考えていましたところ、その希望をかなえる機会をいただきました。
普通であれば、基調講演とパネルディスカッションで終わるのがシンポジウムのスタイルです。
基調講演を 話題提供と町長との対談に置き換え
パネルディスカッションを 意見交換会(フィッシュボウル手法)に置き換え
という流れで、参加型のシンポジウムというよりも対話集会に近いものになりました。
このようなわがままを聞いてくださった、東浦町の町長さまはじめ、職員の方々に感謝いたします。
ざっとシンポジウムの概要をご紹介します。
シンポジウムの概要
(1)話題提供では、
①協働の事例として
私の関わっている「花の活動」をコトの始まりから、現在までの活動をかけ足でご紹介しました。たびたび、このブログでも取り上げています。
②自治ってなんだろう?
自治について考えてみると、「自分で考え、自分で決めて、行動すること」ではないかということを話題提供としてお話ししました。
自治については様々な見解がありますが、自己決定に基づく行動(ハンナ・アレントによるとactionと言う段階の働きかと考えています)が基礎にあると考えています。
③私はどんなまちに住みたいんだろう?
そのようなことをまず考え、考えたことを他の市民と共有してみることから自治が始まるのでは?と考え、最後にこの問いかけで終わりました。
(2)町長との対談
ここでは、町長の考える自治について
町長の考える「住みよいまち」とは?
なぜ自治基本条例が必要なのか?
についてかみ砕いたお話をしていただきました。
詳細は、後日、ご案内しようと思います。
参加したみなさんに「私の住みたいまちってこんなまち」というテーマで一言紙に書いてもらい、貼りだしていただきました。
そこから、はじめに気になったテーマを拾い、それを書いた方に前にでてきていただいて町長、市民の方3人、林で意見交換会を進めます。
そして、フィッシュボウルをはじめます。
話しをする5人+1の椅子を中心に何重もの円になって座ります。はじめは上記の5人が意見交換します。
椅子を一つ余分においておきます。この椅子は何か話したいと思った方が前にでてきて話すために用意してある椅子です。いつでもお話してくださいという想いをこめて。
一人が出てきたら、誰かが自分の席にもどり、常に椅子が一つ空席になっているという状態で意見交換会を進めます。
始めに高校生が3人プレゼンしてくれました。それに刺激されたようで、大人達は徐々に活発にフィッシュボウルを始めました。
誰も出てきてくれなかったら?とご心配をいていただいたのですが、逆に話し出すと止まらないという人も出ることなく、順番に人が入れ替わって進みました。
東浦町に住んでいる大学生が2人前に出てきて意見を言ってくださったり、東浦に引っ越してくる予定の妊婦さんが想いを語ってくださったりと(失礼なのですが)こちらの予想以上に盛り上がりました。
自治というのは、簡単なようで難しいものです。民族の自決と言い換えると急にきな臭くなってくるような気がします。
自分で考えるという自治の基礎となることを放棄している大人はたくさんいます。(そういえば、ハンナ・アレントは、思考停止は「悪の凡庸」と言っていました)
しかし、まだまだ捨てたものではありません。自分の言葉で語ることができる人はたくさんいました。
今回のシンポジウムでは地域社会に対して熱い想いをもった大人がいること、若い人も自分のまちの未来をちゃんと自分の言葉で公の場で語れること、そしてなによりも、この場に70人近く(動員かけずに!)の集ってくださる方がいらしたことがわかりました。
このような、意見交換会をもっとしたいなということと、意見交換だけではなく対話をしていきたいなと思いました。
神谷町長もブログに取り上げていらっしゃいました。
http://kamiya-a.cocolog-nifty.com/turezure/2015/03/post-ed9b.html
穏やかでフランクな、いろいろなことを吸収しようとしていらっしゃる謙虚な方でした。
尊敬する方の一人です。