2018-12-19 | ブログ
先日、ファシリテーションとAI(Artificial Intelligence)を掛け合わせると、どんなことができるだろう?ということでアイデア出しの会を行いました。
日本ファシリテーション協会のメンバーが(プライベートな会にもかかわらず)20人も集まってくださいました。
始まりは
名古屋で行われた「人工知能学会 市民共創知研究会:みらいらぼ」でした。
(http://www.mirailabcci.com)
この、みらいらぼは3日間行われますが、3日目は研究者、技術者、話題提供者が開発可能なアイデアを考え、実装していく(ここが課題ですが)というものです。
(昨年のブログにも!ベストプラクティス賞を頂きました http://social-acty.com/blog/2651/)
そのときに、音環境認識…というものを活用すると、ファシリテーターの養成に役立つのでは?と提案しました。
その後、大学院生がプログラミングしてくださり、形になってきましたので、(ファシリテーションといえば!)日本ファシリテーション協会の8月定例会でどのように活用できるかについてアイデア出しを試みました。今年の8月でした。
8月の定例会では、本当の「KJ法」でアイデア創出をしよう!というテーマで、扱う内容を「音環境認識…」にしたのですが、扱う内容が面白すぎること、KJ法で進める方法もヘビーだったことで、うまくアイデア出しまで行きませんでした。
ということで、再度のチャレンジとなったのです。
情報工学の先生とコラボして
白松先生がこのAIに関わって研究を進めていらっしゃいます。
今回は、名工大の「ラーニングコモンズ」というワークショップができる仕様になっている場所をお借りして行いました。
とっても素敵なワークショップしやすい設備の会場です。3か所にあるスクリーン、変形させやすいテーブル、たくさんあるミニホワイトボード…。いろいろな使い方ができそうで、わくわく度が高まります。
こんなところでワークショップができるなんて、うれしい限りです。
白松先生と大学院生さんが参加というか話題提供をしてくださったので、活発な質疑応答もありました。
プログラミングもずいぶんと進んで、お試しでできるまでになっていました(!)ので、お試しもしてほしい(自分も試してみたい)ですし、アイデアも考えたいということを叶える進め方はないか?とプロセスデザインも考えてみました。
進め方(プロセスデザイン)は
OST(open Space technology)という方法をアレンジして進めました。
OSTはホールシステム・アプローチという対話を基礎にした進め方の一つで、本来は2~3日かけて行うものです。
普段、日本ファシリテーション協会(FAJ)では、OSTというとそのエッセンスの問いを参加者が立てて、その話題について話したい人が集まって話し合う(マグネットテーブルとこのごろは呼ばれています)ことを指すようになりました。
今回は、もう少しOSTに近づけまして…
マーケットプレイスというのを入れました。マーケットプレイスは、話し合いたいテーマを立て(本来は自分で宣言します)その人がそのテーマを話す時間と場所を決めます。そして話したい人が集まって話し合うというものです。
【プログラム】
アイスブレイク
レクチャー
話したいこと(テーマ出し)
マーケットプレイス
第1~第3セッションまで(1グループはAI体験)
全体でシェア、ふりかえり
としました。
【やってみて】
・AIを体験して、ふりかえりをしているうちに、活用のアイデアが溢れてきました。こんなに簡単にアイデアが出てくる!きっと、体験そのものと持っている背景が異なる人たちが集まったからこその賜物。多様性がイノベーションを生む!ということを実感しました。
・1時間のセッションの内訳は40分を話し合いにし、20分でポスターセッションと休憩としました。この時間割が心地よく、テンポよく、飽きずにいろいろなアイデアを出し、触れることができました。
・ホワイトボード、模造紙もたっぷりあったので落ち着いて、適切なツールで話し合いをすすめることができました。
・もちろん、ファシリテーションを身につけている人々でしたので、説明も簡単で理解してもらえ、短時間で期待以上の成果も出ました。それがまた、うれしい!
・話し合ったことが実現する!という手ごたえのような、お役に立った気持ち(有用感?)があり、自分達はまた、このことに関わっていきたいというコミットもしっかりと心に根付ききました。話し合いの成果の行方がとても気になります。
などなど、言い出せばきりがないほど、充実したアイデア出し会でした。
アイデアソンという方法もスピーディで楽しいのですが、やはりじっくりと対話でき、ほどよい(と感じました)テンポで進むのは、違和感が少ないように思いました。そして絞り込むときも、納得の合意で絞り込めました。対話による話し合いの成果ですね。
やっぱり、話し合いにはファシリテーションは必須!!
このようなたのしい会を開催させてくださった白松先生、プログラムを開発してくださった院生さん、そして、集まってくださったFAJの仲間に感謝します。