2020-06-11 | ブログ
先日、日本ファシリテーション協会、中部支部で特別定例会を開催しました。
なんと!劇作家で脚本家の平田オリザさんをお迎えしての定例会でした。
タイトルは「対話を生み出すどらまちっくワークショップ~平田オリザと楽しむシコウサクゴ」。
5月中頃、平田オリザさんをお迎えして定例会ができないだろうか?から始まり、あれよあれよという間に進んだ話でした。
オンラインだと、話も早いです。(場所を移動しなくてもいいので、気軽にできるのかもしれません)
NPO内の手続きも早速に済ませて、仲間を募り、6月7日(日)に開催というハードなスケジュールでした。
(http://www.seinendan.org/hirata-oriza より)
平田オリザさん、このブログでもご紹介したことがあります。
http://social-acty.com/blog/date/2015/11/
『わかりあえないことから』を取り上げました。
(https://www.amazon.co.jp/わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か-講談社現代新書-平田-オリザ/dp/4062881772/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=分かり合えないことから&qid=1591842594&sr=8-1)
今回は、『22世紀を見る君たちへ』を読んだところでした。(なんてステキなタイミング!)
(https://www.amazon.co.jp/22世紀を見る君たちへ-これからを生きるための「練習問題」-講談社現代新書-平田-オリザ/dp/4065190983/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=分かり合えないことから&qid=1591842594&sr=8-3)
演劇とファシリテーションの関係?
練習、トレーニングの場ではファシリテーションが活用されているようです。
名古屋の日本舞踊の家元も、お稽古のふりかえりなどでファシリテーションを活用されていらっしゃるとのことです。
言葉とコンテクスト(文脈)
オリザさんの今の関心はどうやら「コンテクストのずれ」だったようです。
基調講演では、対話と会話の違い、そこで使われる言葉の大切さ、そこにはコンテキストのずれがあるということでした。
日本には、会話の言葉はあっても、対話をするときの言葉がないと。
明治維新以降、今まで使ったことがない「言葉」をつくってきたそうです。
例えば、討論するときの言葉、これは日本人にはないものだったけれど、諸外国をキャッチアップしていくために必要な討論。
そこに使う言葉を作ってきたということでした。
対話の言葉は残念なことに作ってこなかった…(だから、日本には対話がないと)
なんとなく、納得。
ファシリテーターとしては、対話の場をつくってきたのに、、、
対話する言葉がないといわれてしまうと、なんとなく残念です。
でも、言葉は変化するものだし、つくっていけるものだとすれば、(現に、討論用の言葉は作ってきたのですし)
対話用の言葉をつくっていけば良いのでは?とも思います。
「対話用の言葉」を考えていかないと!その場にいつ方々と少しずつ創っていけばいい!と思いました。
対話という場があっても、そこにあふれるはずの言葉がないというのは、寂しいので。
もしかしたら、オンライン対話ようの言葉もあるかもしれません。(ここは、考えておく必要がありそうです)
そして、コンテクスト
こちらは、(社会構成主義とも通じていて)人によってイメージするコンテクストが異なっているのだ。というお話でした。
例えば、大規模、と言われて、何人を大規模と呼ぶのか?人それぞれですよね。
それは、話をしてみないとわからないことでした。
50人でも、100人でも、数万人でも人それぞれです。
そのオリザさんのおっしゃる「ずれ」は、分かり合えなさにもつながっていくような気がします。
定例会は、オリザさんの基調講演の後、ワールドカフェ、お昼を挟んでディスカッションドラマをしました。
ディスカッションドラマをオンラインで行うのは、オリザさんも初の試み!
スタッフとしての腕のみせどころとなりました。
スタッフとしては
中部支部の重鎮、テクニカルの重鎮、そして、有望な人たち+東北支部からお2人も参加してくださいました。
全部で9人のスタッフ。
ファシリテーター、テクニカル・ファシリテーター、チャット・ファシリテーターと3チームに分かれて行いました。
これまた、連携!を感じました。
9人が1か月もない短期間で、定例会のプログラムを作成、オリザさんとの打ち合わせ、スタッフだけの打ち合わせなど目まぐるしく日々が過ぎていきました。
担当を分けたり、各担当はどのように進めていくのか?を考えたり、
特にテクニカル面はどのように進めていくのか?
チャットは?
とテクニカルな話を決めることもとても大切であることを、この3月からの経験で体感していました。
とても、ステキなメンバーで、できました。
そして、そこには一体感がありました。(やはり、連携ですね)
アンケートにも、連携がとてもよくできている、ゆったりと語り合える場ができていたなど、チームビルディングがちゃんとできていた、
ということが数多く書かれており、が参加者に伝わるものだと改めて感じました。
スタッフも…
ディスカッションドラマを作るのは90分。
各チームにお任せして、スタッフは一時休憩…
のはずが、同じお題でスタッフでもディスカッションドラマをつくるという、楽しいことも裏で行っていました。
各チームの発表後、オリザさんからのコメントを聞いて、
私たちのドラマは「いいところまで行っていたのでは?」「あと、少しあそこを突っ込んで考えると面白くなったんだ」とわかり、もう一度、作り直したいと思いました。
きっと参加してくださった方々も同じ気持ちだったのでは?
オリザさんのコメントを聞いた後、もう一度チームでふりかえりをするとよかったなぁと思いました。
今度、リアル対面の定例会をすることができたら、ぜひ、最後のふりえりタイムをしっかりと取りたい。
今回は特に、企画段階からわくわくした定例会となりました。
(始まる直前は、久しぶりに緊張しました)始まってみれば、スタッフだけでなく、参加した方々と一体になって、みんなで助け合うことができました。
終わって、ほっとするとともに充実感があります。
企画段階でもいろいろなシコウサクゴのドラマがありました。
これをドラマ化するだけでも、案外おもしろいかも。
ファシリテーターとして、今後を考えていくためのとても良い機会になりました。
最後に、ご出講をご快諾くださった平田オリザさん、私の想いつきに付き合って(前のめり?)くださったスタッフのみなさん、そして、温かく見守りながら参加してくださったみなさんに感謝です。
次回、また、がんばろう!と思ってしまいました。