2020-12-13 | ブログ
先日、ニュースレターでご紹介した「商店街オープン」の舞台の一つ、名古屋市中村区の大門(おおもん)。
ここは、大正時代に大須から遊郭が移転してきた地域だそうです。
大正から昭和初期に移転が進み、売春防止法が施行される昭和33年まで遊郭として栄えたそうです。
その後、廃業または旅館業などに転換して、周辺は商店街として新たな発展を遂げていました。
しかし、近年は多分に漏れず、営業している商店ももちろん多くありますが、商店街は廃業したりマンションになったりしているお店もあります。
この中には、遊郭を取り壊している場合も多く、数件が遊郭建築を残してくださっています。
商店街オープンのワークショップでは、残っている遊郭建築(しかも、格が一番高かったという)の2階にある大広間をお借りして行うという贅沢な時間を過ごさせていただきました。
お借りしたのは「松岡旅館」今は、健遊館としてデイサービスの施設になっています。
建築当初のたたずまいを残した、とっても素敵で素晴らしい建物でした。
(ワークショップ前に館内の見学もさせていただきました)
建物の中は…
木造2階建て。素晴らしい中庭がありました。
ワークショップを行った大広間の舞台には、立派な日本画の、力強い松が描かれていました。
(岐阜県大垣市出身の守屋多々志作とか)
各お部屋もとても凝っていて、お部屋ごとに木の名前がついていて、その木がモチーフになってお部屋ができていました。
こんな細かいところまで!と感動するほどの凝りようでした。
格が高いといわれたことがよくわかりました。
例えば…
「さくら」というお部屋は、部屋の外はこのような桜の彫がしてあり、中に入ると…
床柱や長押も桜の木になっていました。
もちろん。欄間も!
そして、館内の窓ガラスもとても貴重なもので、すりガラスや模様が入ったもの、ステンドグラスなど、場所によって異なるとても素敵なものでした。
ご紹介しきれない、とっても素敵な建物でした。
今では、こんなガラスはできないよね。こんな細かい細工はなかなかできないね。というものが普通にふんだんに使われていました。
まちづくりに関わると、目の保養もできるということなのだと、参加してくださったみなさんと一緒に興奮しておりました。
こんな素晴らしい体験をさせていただいたこと、とっても感謝しております。
今ではなかなか見られない、貴重なものに囲まれて時間を過ごすことができました。
まちづくりのファシリテーターをしていて役得(不謹慎でしょうか?)をかみしめておりました。