2021-10-20 | ブログ
名古屋鉄道が運営してきた「杉本美術館」https://www.meitetsu.co.jp/sugimoto/ですが、
なんと、今年2021年の10月末で閉館となってしまいます。
杉本健吉画伯がご存命の際は、アトリエ兼ねて、展示をしていました。
確か…
ご存命のきは、毎週火曜日の午後にギャラリートークがあったような…
残念なのですが、一度もお目にかかったことがなく。。。
杉本さんの絵や彫刻は、じっと見ていると、ご本人が登場したりしてとてもほっこりとします。
奈良のまちづくりに関係していた友人がきたときにも、ご案内しました。
奈良は、杉本さんが愛したまちです。
奈良に滞在して、東大寺や興福寺、仏像などを描いていらっしゃいました。
(その後、奈良に行った時には、杉本さんの大きな絵が飾られている居酒屋さんに連れて行っていただきました。「ならまち」の元置屋さんに杉本さんが贈られたのだとか…)
いろいろなご縁がある「ならまち」です。
ご存命の頃は、美術館の敷地内の池のほとりを散歩することができ、美術館の隣ではお昼をいただくことができました。
亡くなられてから、レストランはお茶のみになり、ちょっと寂しい思いをしたことを覚えています。
主がいないと建物や池も寂しいのですね。
最後の展示は、常設展示のものと、杉本さんの一生をふりかえる作品が並んでいました。
絵だけではなく、彫刻やポスターなどもあり、今でいうグラフィック・デザイナーだったことが分かります。
今の名古屋市の地下鉄のマークや名鉄(名古屋鉄道)タクシーのツートンカラーも、杉本さんのデザインなのだとか…
(名鉄タクシーHPより)
そして、名古屋市の能楽堂の鏡板も!
(https://rurubu.jp/andmore/spot/80023556 より)
愛知県の津島市のご出身のだとか。しっかりと作品が地元に残り、愛されているんだなぁと思いました。
心残りは…
曼荼羅の絵があるのですが、その中に杉本さんがいる!はずなのですが、見つけられなかったことです。
(まるで、ウォーリーを探せ!)一度も見つけられなかった…。
杉本さんの絵には、ご本人が描かれていることが多く(もちろん、ご本の挿絵などにはいないはず)、見つけるのも楽しいのです。
飄々と絵を描いたりしている姿(自画像?)が描かれています。見つけると、にっこりしてしまうのです。
ご本人お人柄が伝わってきます。
とってもコンパクトですが、気持ちが優しくなれる美術館でした。
閉館してしまうのはとっても残念ですが、これからは、きっと、ご自分のアトリエを出て、より多くの人の心を優しくしていってくださるのですね。
どこかで、また作品にお目にかかれるのを楽しみにしつつ…
芸術に触れる「良い暮らし」をしていると、相手が嫌がることをしない。とマルクス・ガブリエル氏も言っていました。
本当にそうだなぁとしみじみ感じて帰ってきました。