2023-11-27 | ブログ
先日、所属しているNPO(日本ファシリテーション協会=FAJ)の定例会で「心理的安全性」について学び合いました。
心理的安全性
『心理的安全性のつくり方』を参考書にして、定例会をつくってくれました。
心理的安全性についての体験談を語り合う対話の中で、本質を探っていこうというものでした。
心理的安全性がある組織は、イノベーションが起りやすいのだということがあるそうです。心理的安全性とは?
「チームの心理的安全性とは、チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと(ハーバー大学 エイミー・C/エドモンド孫教授)」
とのことすると、
ここには、4つの原則があるそうです。
1.話しやすさ「何を言っても大丈夫」
2.助け合い「困ったときはお互い様」
3.挑戦「とりあえず、やってみよう」
4.新奇歓迎「異能、どんと来い」
だそうです。
この中で、1.話しやすさというのが、とても気になりました。
チームの中だけでなく、ひとりで試行錯誤するにあたっても、何でも口にする(言語化する)ということがとても重要なのではないかと考えています。
今、自分が感じたこと、気づいたことなどを言語化する。文字にして記憶・記録に残す。ということが必要なのではないかと。
ふと頭の中や心に浮かんだこと、これらはメモするなどして掴まえておかないと、すぐに消えてしまいますよね。
『他者の靴を履く』の中でも、自分の気持ちを言語化することの重要性が書かれていました。
犯罪者の更生、心のケアにも「自分の気持ちを言語化する」ことが重要だと。
自分の気持ちを言語化できるようになると、心が安定してくるとのことでした。
なかなかうまく自分の気持ちが表現できないと、イライラしますもんね。それが募っていくと自分の外側に向かっては暴力というパワーとなって発現してしまうということなのかもしれません。
自分が感じたことをうまく、適切に表現できる!というのは、とても素敵なことだと思っていましたが、心の健康にも必要なことでもあったのですね。
さて、「話しやすさ」に戻りますと…
何を言っても大丈夫!と言っても、本当に自分が思ったことをストレートに表現してもOKなのでしょうか?
思うことは自由なのですが、それを表現するとき、相手に伝えるときには、ちょっと工夫が必要なのではないかと思うのです。
本人は「思ったことをストレートに言っただけ。」「何を言っても大丈夫なんでしょう?」と思いがちですが…
言われた方、受け止める方の気持ちにも配慮したいものです。
受け止めきれない言葉ってあると思うのです。
自分がその言葉を〇〇な状況で言われたら…
「自分だったら、こんな風に言われたことを、受け止めることができるだろうか?」
「どういう表現をだったら、受け止めることができるのだろうか?」を考えてから言葉を発することが必要なのでは?と思うのです。
思ったことを発言する、表明するというのはとても大切なことだし、権利として認められていることもあります。
ただ、ストレートすぎて、文が短すぎて…
どのような背景で、どこまでのことを考えて発言しているのか?書き込んでいるのか?がわからず、困ってしまうことがあります。
受け止め方によっては、きついコメントに思えたり、何を指しているのかが分からなかったりします。
メッセージでも、もう少し言葉が書きこまれていたら、もっと分かるのになぁと思うことがあります。自分は分かっているので、これで伝わると思ってしまうこと、ありますよね。
これを敷衍して考えてみると…
きっと、SNSでの書き込みも似ているのではないかと思いました。
短文での書き込み。背景が分からずに、書き込んだ人は悪気はなくても、読む方は悪く受け止めてしまうことも…
ましてや知らない人からの書き込みは、その人の背景も人となりも和ヵらず、文字だけが心に刺さってしまう。
そして、SNSは文字になっているので、何度も読み返すことができてしまいます。
気になって、つい、読み返してしまう。すると、心がどんどん傷ついて行ってしまうような気がします。
発言しやすい場をつくることも大事だけれど
職場などで言いづらい、言いにくいということは、もちろんあると思います。
発言しやすい場をつくることは、求められていると思います。(本になって、たくさん買われているくらいです!)
ファシリテーターも話しやすい場をつくることは、とても大切なスキルの一つです。
そのときの発言には、(自戒も込めて!)人を傷つけない配慮が必要なのだとも思いました。
まずは、自分の思いや考えを言語化すること、それを発信することをトレーニングしたいと思うのです。
そして、次の段階としては、どういう言い方であれば、傷つけずに伝わるのか?もトレーニングしていきたい。
これはいろいろな表現の方法を知ること(やはり本を読むことですよね)、実践を積み重ねていくことでトレーニングになると思いました。
ファシリテータ―として!だけではなく、円滑な社会生活のためにもトレーニングが必要かと。
「言語化する」というキーワードについて整理したいと考えていたところへ、「心理的安全性」というキーワードがはまり、少し整理が進みました。
すぐに身に付くスキルではなくても、定例会に出てみることって気づきや学びがあるなぁ、と改めて学ぶことの大切さを感じました。