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パウル・クレー展雑感(ファシリテーションに絡む!)

2025-03-05 | ブログ

名古屋市にある愛知県美術館で「パウル・クレー展」をしています。

https://artscape.jp/exhibitions/29828/

パウル・クレーは、こんな感じの絵を描く人としか思っていませんでした。
(現代の美術って難しいなぁと)

パウル・クレーは1879~1940、スイスのベルンで生まれました。
この時代は、世界(特にヨーロッパ)が戦争の時代にあり、第1次大戦から第2次大戦へと進んでいく中で、クレーは音楽活動や絵画の創作活動をしていました。
本人も第1次大戦では、兵士として動員され、芸術家の知人も戦死するという悲しいことが起きました。
(きっと、大きなショックを受けたことでしょう)

その後、絵画の分野で認められるようになり、バウハウスや美術学校でも教鞭をとっていました。
ところが、1933年にナチス政権が成立し、前衛芸術の弾圧を行いました。その弾圧はクレーにも及び、スイスのベルンに帰ることにしました。

美術展をクレーの人生に沿って見ていくと、この弾圧がとても大きく影響したのでは?と思いました。
弾圧後に前出のような絵を描くようになったのです。
このスタイルは以前からの作品の傾向ではあったのですが、「あ、クレーの中で何かが壊れた」と感じました。

ルイス・マンフォード『都市の文化』でも、​芸術家は時代の半歩、一歩先を描くと言われています。

https://x.gd/7vqoD
きっと、クレーもこの先の世界を描いた、というよりも描かざるを得なかったのでは?というのが伝わってきました。
芸術の力ってすごいパワーがあるのですね。
80年以上経っても、その時の作者の気持ちや想いが伝わってくるのですから。
それだけのパワーを込めて描いているのでしょう…

芸術の鑑賞の仕方はさまざまですが、「なぜ、こうなっているのか?」が歴史の年表と比べながら見るとなんとなく見えてきます。

人には歴史あり(フューチャーサーという手法)

クレーやそそのほかの芸術家、アーティストのように後世に残すようなワザを持たない凡人ですが…
やはり、人と歴史は切っても切り離せないということを教えてくれます。

ファシリテーションにも「人と歴史」に焦点を当てた進め方があります。
フューチャーサーチというホールシステムアプローチの手法です。

ホールシステムアプローチは、いろいろなステークホルダーが一堂に集まって対話する方法の一つです。
そして、フューチャーサーチは、ユニセフも活用している話し合いの進め方です。

フューチャーサーチ ~利害を越えた対話から、みんなが望む未来を創り出すファシリテーション手法~https://x.gd/qSEEW

このフューチャーサーチは
1.過去をふりかえる
2.現在を探究する
3.理想的な未来のシナリオをつくる
4.コモングランド(共通のよりどころ)を明確化する
というステップで未来を考え、実行していく方法です。

この中の「1.過去をふりかえる」に「タイムライン」というワークがあります。
自分のこと、自分を取り巻くコミュニティのこと、自分の国・世界のことと3つのカテゴリーに分けて、それぞれの年表を書き込んでいきます。
すると、この3つのつながり、影響が見えてきます。
個人の動きは、コミュニティ、国・世界とつながっていることを実感できるワークです。

人と歴史を考えたときに、この「タイムライン」を思い出しました。
芸術家みたいに有名ではなくても、一般の私たちにも「人と歴史」とはつながっていることを改めて可視化してくれます。

ちっぽけな私たちもこの広い世界の一員ということを実感します。
私たちのそのような気もちを集めるのも、ファシリテーションの1つなのかもしれません。
そして、未来をつくっていく。
大きく出ましたが(笑)そんなお手伝いができるのも、ファシリテーションの醍醐味かもしれません。

 


 


 

 

 


 
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