2014-07-25 | ブログ
まち、地域と企業の問題についてファシリテーション協会の定例会で取り上げました。ずっと気になっていたこの話題。一度企業の方々に考えていただきたかったことです。念願がひとつ、叶いました。
趣旨は
普段、地域のことを考えていないだろうと思われるビジネスマンの方々。実際に「我々は世界に向けて仕事をしています。国や地域のことは会社や自分が高い税金を払っているので義務は果たしているでしょう。なぜ、それ以上のことをしなくてはいけないのか?」と言われたことがあります。そこまで明言しなくても、「そんな時間はないなぁ」「休日はゆっくり休ませてほしいなぁ」と地域のことは奥様(共働きでも)にまかせっきりという方も少なくないかと・・・
いえいえ実は、地域の問題は職場の問題と相似形なのです!お互いの成功事例は共有でき、アレンジ次第で使える事例となるのでは?と定例会で挑戦することにしました。
進め方
(1)地域の問題についてのレクチャー(情報のベースを合わせる)
大きく3つ「限界集落化」「少子高齢化」「担い手不足」
(2)レクチャーをもとに5年後の地域の姿を語る(地域の出来事を想像する)
(3)職場のことばに置き換えると?(他人事→自分ごとに)
(4)ファシリテーションでできること(自分ができることを考える)
(5)ふりかえり(感想などを共有する)
と、このように進めました。
(2)では、他人事として、シビアな意見がたくさんでました。
そして、(3)で模造紙に書きこまれた地域をめぐる5年後の姿を職場の言葉に言い換えると・・・との問いかけに
一瞬の沈黙。
その後は、地域の言葉・地域の状態だったものが、職場の言葉にほとんど当てはまっていくのです。ご自分の体験と言葉がシンクロしていくように見えました。
そして、(ファシリテーション協会なので)ファシリテーションでできること、ファシリテーションを使ってできることを話し合いました。
感想など
・1mmも考えたことがなかった「地域」について考えてみると、本当に企業の中と相似形だと思った。
・これから、地域の事をもう少し身近に考えていこうと思った。
・キーワードは「面識」ということに納得した。
・みんな場所はどこであれ「つながりたい」と思っているのだ。そのつながりをつくるのはファシリテーションだ。
など、ふりかえりでは嬉しい言葉がたくさんありました。
他人ごととして語ること=冷静に、シビアにみることができる
自分ごとにする方法=他人ごとで語られた言葉を自分のテリトリーの言葉に置き換える
ということが実感をもってわかりました。これは今後活用したいプロセスです。どこかで使ってみよう!と思いました。
地域であれ、職場であれ、「コミュニティ」「組織」という意味では同じで、人間が集まって集団を作っています。目的はそれぞれであっても、中にいる人間の心の基礎は同じなのだと実感しました。そういえば、経営学の大御所、ドラッガーさんは企業でのマネジメントで注目されていますが、非営利組織も教育の場でもその構成員が人間である限り、マネジメントの基本は同じだとおっしゃっていました。
「挑戦してよかった。自分自身の中でも納得した。地域のことがビジネスマンも身近に感じたようだ。」と、終了直後のただ今の感想です。これから先、ふと気がつくことがあると思います。そんなときは、このブログの場で共有できればと思います。
どんなことに活用できるのでしょう?
今、思いつくことは・・・
・防災やゴミ減量などは地域の役員だけががんばればよいというものではないので、企業を通してその従業員の方々に働きかける何かの手掛かりになるかもしれません。
・地域での課題解決の成功事例がビジネスへ応用できるかもしれません。
・逆にビジネスの手法が地域に応用できるかもしれません。
・企業のCSRに関わることかもしれません。
などなど妄想はまだ具体的にはなっていませんが、これから具体的な何かにしていきたいと考えています。