2014-11-18 | ブログ
11月15日にFAJ(日本ファシリテーション協会)中部支部のイベントがありました。中部支部のイベントは毎年11月に開催しています。
今回は初めて実行委員にはならずに参加者として楽しみました。
毎回、何か新しい手法にチャレンジしてきたのですが、今回は従来のイベントでも扱い、FAJの中ではスタンダードになっているワールドカフェ、OSTの対話を中心に進められました。ここでの感想をご報告します。
*ワールドカフェは、このごろは○○カフェという語り合いの場でよく使われています。4~5人で一つのテーブルを囲み、ある程度の時間が経ったら一人を残してメンバーチェンジ。これを数回繰り返してハーベスト(まとめ)を行うという対話の方法です。
**OSTはOpen Space Technology の略で、あるテーマの元で話し合う話題について、話し合いたい話題を参加者が提起し、時間、場所も参加者が決めるという自律的な対話の手法です。
参加者は子どもを含めて110人余り
今回は、参加者のうち、若者が1/3ほどを占めまていました。前半のワールドカフェでは若者も入った対話を経験しました。私は、たいていメインファシリテーターをしているので、歩きまわってどんな話し合いがされているのかを聞きながらタームキープや進行を気にしていますので、じっくりと参加者として対話に入ることがほとんどありませんでした。
ですから、とても新鮮でうれしい機会となりました。
イベントに参加した若者は「名古屋ど真ん中まつり」の学生実行委員の方々、ボランティアをしている学生、南山大学のファシリテーション研究ゼミ(略してファシゼミ)の方、など学生さんが多くいらっしゃいました。また、就職して研修を担当する部署にいる方にもお会いしました。もっとたくさんの多様な立場の若者が参加してくださっていたはずです。
対話をしての感想
若者と対話をしてみて感じたのは、「会議での成果は納得したものにしたい」「いろいろな人々と話し合うことが楽しいことを伝えたい」ということが伝わってきました。
もうひとつ、私達がFAJ(日本ファシリテーション協会)で10年の間に学んできたことを、今度は次の世代にバトンを渡していくことを考える時なのかもしれないと思いました。
若者は真面目に考え、求めていました。それにある程度の解(というとおこがましいのですが、こんな方法で進めてみては?という経験)を伝えることができるように成長した私達。もちろん、対等な関係の中で学び合うという姿勢には変わりはありません。FAJにいる私たちだけで共有している段階ではないということなのかもしれません。
FAJも設立以来10年、私も会社を興して10年経ちます。この積み重ねを持って、次のステージに移ることを考えるときなのだなぁと思いました。私ができることはまだまだ小さいのですが、小さいなりに変化を生みだしていけるよう、次の世代に伝えることがあれば伝えていけるように精進しなくては、そんなことを感じたイベントでした。
先日、名古屋で国際会議のあったESD(Education Sustainable Development)でも、そもそも何のために?と問われれば、「子どもたちに残していくために」「私達の世代で地球の資源を枯渇させてしまわないために」ということになってきます。
この思いをつなぎ、実現させていくためには、ファシリテーションの技術を活用することも必要な場面があると考えています。多様な立場の人々みんなが集まって、対話し、その中で納得できる結論を導き出していくことが、次の世代にバトンをリレーしていくことにつながっていくのかもしれません。
そして、イベントの最後には・・・
上記のことを象徴しているのかもしれません。写真のように、参加者全員でつくった「未来」。一人ひとりの明日からできること、することを記してつないでつくる一つの未来。このアイディアは南山大学のファシゼミの方々のアイディアです。自然、木漏れ日、温かさ・・・。次の世代に残していきたいものなのかもしれません。
いろいろなことを考えさせられたイベントでした。
対話には、しみじみと考える、じわじわと心に湧いてくる、こんな効果もあるのですね。