2015-04-30 | ブログ
浅草寺にて
先日、浅草寺へ行きました。
土曜日でしたので、外国人観光客だけでなく若者も含めた大勢の人が浅草を散策していました。
お休みの日にこのあたりを歩くのは十数年ぶりかもしれません。
浅草駅から浅草寺へ歩いていく途中で、外国人観光客とみられるカップルが着物を着て歩いていました。宿泊施設のサービスなのだろうか?と思いながらさらに歩いていきますと・・・
雷門から境内に入ったところで、日本人の若い女性で2人~4人くらいで着物姿で歩いているグループが散見されました。
みなさん、写真を撮ってゆっくりと楽しんでいらっしゃるので、何かのイベント会場へむかっているのではなさそうです。
そこで、「浅草 レンタル着物」で検索してみると、着物の種類によってお値段は異なるのですが、
予算4000円から、着物から着付け、髪のセットまでパックになったレンタルがあったのです。しかも、時間は10:00~17:30と丸一日。オプションでカメラマンが同行してくれるというプランまでありました。
浴衣から着物へ
ここ十年ほどでしょうか。夏の花火大会などの催しに、若い女性が浴衣を着て出かける姿を頻繁に見かけるようになりました。まちの呉服屋さんは姿を消しつつありますが、浴衣はユニクロでも販売するようになるほど定着してきたようです。(日本には昔からあるので、定着というよりも、見直されて来た、戻ってきたというのが正しいのかもしれません)
確かに、浴衣を着て出かけると気分が変わります。非日常「ハレ」を認識でき、お出かけ気分が向上します。お手軽なハレギなのかもしれません。
まちづくりでは、日常「ケ」と非日常「ハレ」の差が鍵になり、ハレをどのように演出するかが人を引き付ける大きなファクターになっていると言われています。(田村明『まちづくりの実践』)
この季節は、浴衣には未だ早いため、ハレの気分を味わうには着物なのでしょう。(みなさん、小紋でしたので、お手軽にハレギ気分が味わえるのかと思われます)もう少し暑くなってきたらきっと「ゆかたでまち歩き」となりますね。
京都へも休日に行くことはほとんどなくなってしまいましたので、比較できないのが残念ですが、京都でも着物を着てまちあるきを楽しむ女性が増えているのかもしれません。舞妓さん姿で祇園あたりを歩くプランやもちろん、着物で歩くというプランもありまので、どのくらいの人が楽しんでいるのか、見学したいものです。
名古屋でも着物を楽しむ取り組みがありました。「絞り」で有名な有松という街で、絞りを体験してまちあるきをするプランがあります。http://www.project-index.jp/intern/7433
ハンカチなどの小物だけでなく、自分の着物をつくってしまおう!というプランまで。http://abareru.jp/area-project/町並みを、浴衣で彩る。プロジェクト-2015/)
一時は、夏祭りの浴衣でさえ着ている人を見かけなくなった時期がありましたので、日本の民族衣装として浴衣を含む着物が脚光を浴び、たくさんの方が普段から着ているのを見るのは、うれしいことです。それも特に20代、30代の若い女性が着物を楽しんでくれているのですから。若い男性も、近年は浴衣を着て歩いているのを見かけるようになりました。こちらも、見かけるとうれしくなってきます。
自分が体験するのも、気分が上向きます。
「着物を着てまちあるき」も観光資源
伝統的建築物群保存地区とまではいかなくても、ちょっとした懐かしい街並みで若い女性だけではなく老若男女が着物を着てまちあるきを楽しむというのも、地域の活性化の一つになるのかもしれません。着物の難しいお作法はこの際目をつむって、まずは楽しむことから始めると 着物+まち=観光 が観光の公式になるかもしれません。
直近ではNHKの朝の連続ドラマ「花子とアン」以来、大正ロマン的な着物が人気を呼んでいるそうです。リサイクル着物のお店を覗いた時、そのようなことを伺いました。女子大生や若い女性にもレトロな着物が人気があるようです。もしかしたら、大きなトレンドになっているのかもしれません。
このトレンドに乗ってみる、仕掛ける側になってみる、というのも楽しそうです。
そして、その地域の歴史や文化を検証し、観光資源として発掘し、着物と掛け合わせてみるのも、人を引き付ける一つの方法になるかもしれません。
2015-04-16 | ブログ
東京都新宿区の古くからある住宅街で、「クロスロード」ゲームをさせていただきました。
クロスロードとは
「クロスロード」というのは、直訳すれば「分かれ道」です。阪神淡路大震災で学んだことや反省などをどう伝えようか?という中からゲーム形式で行っては?となり、京都大学の矢守克也助教授(2005年当時)、慶応大学の吉川肇子助教授(同)、ゲームデザイナー網代剛氏と神戸市職員の協力で作られたカードを使ったゲームです。
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/torikumi/kth19005.html
悩ましい課題をYES or NOで答え、みんなで なぜYES なのか、なぜNOなのかについて話し合います。一方的な講義ではないこと、これが正解というものがないことなどから記憶に残り、いざというときに役に立つというものです。
阪神淡路大震災後、このゲームができたことを知り、神戸市役所勤務のNPO日本ファシリテーション協会の友人や語り場の方に現場の話を聞きながら、知識を積み重ねてきました。
このごろは、刈谷市さんの防災リーダー養成講座や、応用編として大学の講義、大学生むけのキャリア講座にも活用しています。問題は自由に作成でき、クロスロード研究会に登録されクロスロードファシリテーターが共有しているものもあります。話し合いに参加し、多少のゲーム性をもあるので、的を射た問題ができればたいへん盛り上がります。
地域に根差した問題づくり
せっかく町内会で行うのですから、その地域で起こりそうなことを想定した問題が良いだろうと、事前にまちあるきを行いました。そこでは、今年に入ってすぐに火事があったことから、災害は地震だけではないので火事や洪水のときも問題にしようということになりました。
実際にまちあるきをすると、再開発された表通りとは異なる静かな住宅街でした。一部は耐火性のものに建替えられていましたが、木造密集市街地といわれる状況が散在しており、まだ木造の古い住宅やアパートもありました。
個人的には、銭湯があったので、高い煙突が懐かしく、違う楽しみがある地域だと思いました。時間が許せば入ってみたかったのですが。
問題は、ブロック塀や、電柱についているトランス、火事、洪水、避難所での食事(これはもう定番です)の問題など6問にしました。
その後、問題を参加者のみなさんに作っていただきました。これは何度も行っていますが、みなさん頭を悩ませながら、それでも問題を作成されます。今まで一件も問題作成できなかったというグループがないという素晴らしい成績です。
参加した感想は
参加者は昔からこの地域に住んでいるご高齢の方が多かったのですが、町会長さんのお話によると、顔を知らない人も何人かいらしたとのことでした。やはり、防災は興味のある方が多いのかもしれません。そして、地域内にある小学校の校長先生もお休みにも関わらず、参加してくださいました。
簡単なアンケートをとってくださったのですが、「クロスロード」については、たいへん評判がよく、「楽しかった」「話し合いが面白かった」などの感想をいただきました。
やって良かった。と思うありがたいアンケートでした。
今後もこのような活動を続けて行きたいと考えております。
防災、就職活動、授業にも使えます。お問い合わせは、こちらから~
social-acty@m4.catvmics.ne.jp
2015-04-16 | ブログ
JR岡崎駅からシビックセンターまでのコミュニティ道路に6つのポケットパークがあります。
http://www.city.okazaki.aichi.jp/1100/1110/1166/p013179.html
今回、6つめのポケットパークがオープンしました。
一番小さなポケットパーク(カザグルマの広場)ですが、広場にはインターロッキングで絵がデザインされています。
このデザインは地域の子どもから大人が集ってワークショップを行いました。明治時代に岡崎駅ができて以来のこの地域の発展の様子を見たり聞いたりしたときに、木炭バスや市電が走っていたことから、地域の歴史を刻むために市電の絵としました。
オープニングのセレモニー
除幕式
市電の資料DVD鑑賞
カザグルマづくり
植樹+記念撮影
おやつ(これは欠かせません)
と進めました。
できる限り、参加してくれた子どもたちの手を借りて、大人と一緒にみんなで何かをする、ということを心がけました。また、カザグルマの広場にちなみ、カザグルマを作成して公園のフェンスに飾りました。
少しでも子どもたちに楽しい思い出として残ることを期待して!
カザグルマの広場の由来はここに植えられた「テッセン」という植物です。クレマチスはテッセンがヨーロッパにわたり、栽培しやすくなって日本に戻ってきたそうです。今回は、苗がまだ小さいのでカザグルマを作ることにしました。
植樹の後、子どもたちの身長がのびたときに、「この頃はこの木のこのあたりまでだったんだなぁ」と思いだしてもらおうということで、木と並んで撮影しました。
少しでもこの土地の思い出をつくって、大きくなった時に思い出し、岡崎に戻ってきてほしいという願いも込めました。
6つのポケットパークでは、デザインや植樹、インターロッキングのワークショップなどポケットパークができるまでの過程にある作業をイベントに仕立てて子どもたちに関わってもらってきました。
それは、上記のように、子どもの頃の活動やそのときの人との関わりが思い出になり、その思い出から、自分の子どもを育てるならこの土地で!と戻ってくる子どもたちが少なからずいるからです。
延藤安弘先生の著『マンションをふるさとにしたユーコート物語』に詳しいのですが、コーポラティブハウス(設計から住民が関わる集合住宅)で、マンションの整備も住民が家族ぐるみで関わっており、約30年後には、そこに住みたいと当時の子どもたちが、また戻ってきているというのです。あの頃の思い出が楽しくて、あんな思い出を自分の子どもたちにも味わせてあげたいと。
楽しさは、子どもだけが行うことでも味わえますが、やはり、大人も一緒に活動する、その中でつながりができ、つながっていることを実感できることが楽しい思い出になるのでしょう。
この地域に子どもたちが住み続ける、戻ってきてくれますように。大人の共通の願いを共有して、まだまだ楽しいことを仕掛けてまいります。
応援お願いします。
2015-04-10 | ブログ
名古屋都市センターで「ボウサイのミライ ~気象技術と女性目線で考えるこれからの防災~」というイベントに参加しました。
http://www.nui.or.jp/kikaku/26/26sonotokinisonaeru.html
http://yamorybosai.com/workshops/1195/
この企画は主催は名古屋都市センターでしたが、名古屋市内で若者が企業活動として行っている yamory のみなさんが中心に行いました。yamoryさんは非常食の定期宅配や非常食宅配つきの賃貸住宅もあっせんしているようです。
http://yamory.com
ただ、活動はこれだけではなく、名古屋市の中心にあるテレビ塔下で避難所体験をしてみる「サカエキャンプ」や一斉に地震が起きたと想定して身を守る訓練「シェイクアウト」などを行って、防災の意識向上も行っています。
若者がステキな活動をしている団体です。
ゲストは
サブタイトルにあるように、一般社団法人「防災ガール」の女性とウェザーニュースの気象予報士の方でした。
防災ガールは
若い女性が、東日本大震災のボランティア体験から東京を改めて見つめると、他人事ではない災害に対して関心のない若者に防災の意識をもってもらいたいという想いから始まったとのことです。
若者だけでなく他の世代でも読みづらい、内閣府等の資料(確かに大量で文字ばかり・・・)をぱっと一目でわかるように編集して、身近に防災を感じてもらえるようにしたり、特に女性にスポットを当て、女性の持ちやすい非常用グッズの開発や避難訓練などを行ったりしているそうです。
http://bosai-girl.com
自分たちの目線からの提案をしているので、気取らず、とっつきやすい、女子の心をちょっとくすぐるような事業を展開していらっしゃいます。
ウェザーニュースは
気象と災害は切ってもきれないような気がしますが、実は事前の予知であったり、予知できたとしても知らせることはタイミングをはじめとするセンシティブな課題がたくさんあるように想像できます。
ウェザーニュースさんは数式を使っての予想+アメダス+全国にいるウェザーリポーターの方々のレポートからより正確な天気を予想しているそうです。
天気はリスクコミュニケーションと捉えて、船舶であればどのルートをたどれば一番リスクを少なく目的にいけるかが実現できるということだそうです。これをプラスに活用すると、コンビニの発注であれば、今日は○○℃超えそうだからシャーベットっぽいアイスをたくさん発注しよう、となるのだそうです。
これを防災、減災に活用すると・・・
ウェザーリポーターは毎日写真を撮ってレポートを投稿することが習慣になっているため、3.11のときは被災の様子のレポートがたくさん投稿されました。日本全国から送られてきますので、報道されていない地域の被災状況もわかり、3.11の被害状況が網羅的に集まったのだそうです。
例えば、東海地方とくに名古屋市内では揺れはありましたがその他いくつかの自治体と協働して減災プロジェクトが進んでいるそうです。自治体と協働すると、地域の中で被害の大きい場所が判り、ピンポイントで救助に向かうことも可能になるということでした。
災害時には自助・共助は必須だと思いますが、混乱の中で消防や行政が効率的な行動を起こしてくれることは、もしかしたら大変心強いことであり、落ち着いて行動できる要因になるのではないかと思いました。
イベントの流れ(参加者同士の話し合いもありました)
防災ガールの話題+質疑応答
ウェザーニュースの話題+質疑応答
5人ずつで話題の共有
最後に宣言文を各自書いて記念撮影
防災の新しい切り口で和やかな中にも学びの多い話題提供でした。
話題の共有では、5人ずつでグループになり、話題提供者からのお題について語り合うというものでした。
お題は
①そもそも「未来の防災」ってどうなってるの?
②あなたにとってのつながりとは何ですか?
というものでした。少し難しいお題でした。
これを初めて会った5人で話し合うというのもちょっと難しいな、どこまで話していいのかなと考える人はいるだろうなぁと少し心配していました。
しかし、私のグループにはきちんとお話できる方が2~3人いらして、(もちろん、自己紹介はしましたが、それでもまだ残っていた)初期の不安は、その方々の発言で解消されたように感じました。きっとオープンな気持ちの方なのですね。同じグループの方もオープンな気持ちになれそうで、話し合いが進んだような気がしました。
講演内容を定着させるには
講演会の後に共有することは、とても大切なことだと改めて思いました。
講演会やゲストトークの後、バズセッションやワールドカフェをお手伝いさせていただいたこともあります。参加者の立場にたつと、より、その考えが強くなりました。
ゲストの話題やそのとき感じたことなどを自分の中に定着させることができました。2週間近く経った今でもそのときに感じたことや心に残った話題などが蘇ってきます。
1940年代のクルト・レヴィンの研究に「講演の後でワークショップをすると2週間後、1カ月後にも講演会で奨められた行動を続けている人が減っていかない(ワークショップをしない場合は2週間後には半分、1カ月後には0に近くなってきます)」というものがあります。
まさに、これを体感できました。
ワークショップの効果乃再認識と防災のコンテンツについて。学びの多いイベントになりました。
2015-04-02 | ニュースレター
合併10年を迎えた豊田市が市民・事業者・行政で未来指向で考え、実行しようという「ミライのフツー☆」
その中で、市民・事業者の提案事業のコンテストがありました。
新しい試みもあり、上限が100万円。提案は40件もありました。
そこに審査員として参加させていただきました。そのご報告です。