ソーシャル・アクティ まちづくり&組織の活性化・ファシリテーション

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ニュースレター第88号「子どもシンポジウムでファシリテート」

2019-01-04 | ニュースレター

子どもが進める「子どもシンポジウム」

毎年行われており、脚本は大人が書いてくださっているのですが、進行は子どもたちで進めていました。

今年は、少し趣向を変えて…。

一部、大人がファシリテートしました、

でも、テーブル(えんたくん)ファシリテーターは子ども達です。

 

どこで、そんなスキルを獲得したのか?とにかく、素敵なファシリテートでした。

ニュースレター第88号「子どもシンポジウムでファシリテート」

こちらから、ご覧くださいませ。

 

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『ワークショップをとらえなおす』ことは、言葉をみなおすこと?

2018-12-28 | ブログ

拙著『多様な市民とつくる合意』と同じ日に出版された『ワークショップをとらえなおす』。

同日にワークショップ、ファシリテーションの書籍が発売になるというのは、偶然なのか?何かの意図でもあったのか?と大変興味を持って読みました。

内容は

「ワークショップ」という言葉が認知され、ファシリテーターだけでなくワークショップデザイナーまで認定されるようになった今、ワークショップへの著者の関心と今まで開発してきたワークショップについてのふりかえりを中心として、ワークショップというものは一体どのような効果が期待され、応えることができるのか?が書かれています。

参考文献には、FAJ(日本ファシリテーション協会)の創設者の堀公俊さん(ファシリテーションに関する著書多数)や、FAJの元理事でフェローの中野民雄さん(初めて『ワークショップ』という名のついた書籍を出版)が挙げられています。所属している団体の方が参考文献に上がっていること自体がうれしく誇らしいです。

中でも一番共感したのが参考文献にパウロ・フレイレ『被抑圧者の教育学』があったことです。20年近く前、NGOの職員を目指す人のファシリテーション講座というのを受講しました。そのときに教えていただいたのがパウロ・フレイレです。この話題、私にとってはたいへん共感し、考え方のベースになっていることなのですが、逸れてしまうので今回はここでストップですね。。。

この参考文献を見ただけで期待が高まりまり、読み進めました。

 

参考文献には挙がっていないのですが、先日読んだケネス・J・ガーゲン、メアリー・ガーゲンによる『現実はいつも対話から生まれる』の社会構成主義の考え方が、入っていました。そこにも、共感を覚えました。

実は…この『現実はいつも対話から生まれる』は、以前このブログでもご紹介した(http://social-acty.com/blog/1404/)「社会構成主義」の考え方を書いた『あなたへの社会構成主義』をもっとわかりやすく書いたものです。

 

名前がつくと新しい未来ができる

『ワークショップをとらえなおす』には、p3に「私たちは、ことばによってあたらしい『世界』を獲得する。つまり、名付けることは、『世界(世界観)』をつくることであり、ことばによって、人びとのふるまいや環境について、秩序立てて語れるようになる。」とあります。

そして、p4に「ひとつのことばを獲得することで、さまざまな〈モノ・コト〉のつながりが明快になり、過去や現在のみならず、将来の活動までもが語りやすく整理される」とも。

社会構成主義では、このことばの意味はそのコミュニティによって定義づけられているので、言葉を再定義することは常識(と思われていること)を再構築し、未来をつくることにつながる、としています。

わたしたちは「ことば」に縛られているのです。その縛りをとくためにも「対話」が必要だということになります。

ワークショップということばが定義され、発展している現状をみて、今一度ワークショップという言葉をとらえなおす必要があるのでは?という問いかけが作者の意図のひとつではないか?と思われます。

 

形式化してしまっている場合も

中野民夫さんの『ワークショップ』が出版されたのが2001年。この18年間でワークショップ、ファシリテーションに関する書籍も数多く出版されるようになり、ワークショップそのものも広がってきています。

広がれば広がるほど、形式だけを取り入れ本質のところが薄くなっていってしまう…というのは、散見されることです。

あえて、ここで一旦ワークショップとは何だったのか?について考えてみる時期なのかもしれません。

となると、中野民夫さんの『ワークショップ』を異なる視点で読み返してみるというのも一つのアイデアだなぁと思いつきました。

「イラスト無料 ワークショップ」の画像検索結果

今一度、「ワークショップをとらえなおす」ことが必要なのかもしれません。

・そもそも何のために行うのか?

・本当に必要なステップなのか?

・主催者・参加者の思いは形になるのか?

・その形には、参加者はコミットできるのか?

・そんなプロセスデザインができているのか?

など、ワークショップのデザインを考えるときには、自分に問いかけて対話しよう!と思いました。

 

2018年も終わろうとしています。1年、お付き合いいただき、ありがとうございました。

今年最後にふりかえって、新しい年を迎えられそうです。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

「AI×ファシリテーションのアイデアを考える会」開催しました

2018-12-19 | ブログ

先日、ファシリテーションとAI(Artificial Intelligence)を掛け合わせると、どんなことができるだろう?ということでアイデア出しの会を行いました。

日本ファシリテーション協会のメンバーが(プライベートな会にもかかわらず)20人も集まってくださいました。

始まりは

名古屋で行われた「人工知能学会 市民共創知研究会:みらいらぼ」でした。

(http://www.mirailabcci.com)

この、みらいらぼは3日間行われますが、3日目は研究者、技術者、話題提供者が開発可能なアイデアを考え、実装していく(ここが課題ですが)というものです。

(昨年のブログにも!ベストプラクティス賞を頂きました http://social-acty.com/blog/2651/)

そのときに、音環境認識…というものを活用すると、ファシリテーターの養成に役立つのでは?と提案しました。

その後、大学院生がプログラミングしてくださり、形になってきましたので、(ファシリテーションといえば!)日本ファシリテーション協会の8月定例会でどのように活用できるかについてアイデア出しを試みました。今年の8月でした。

8月の定例会では、本当の「KJ法」でアイデア創出をしよう!というテーマで、扱う内容を「音環境認識…」にしたのですが、扱う内容が面白すぎること、KJ法で進める方法もヘビーだったことで、うまくアイデア出しまで行きませんでした。

ということで、再度のチャレンジとなったのです。

「イラスト無料 AI」の画像検索結果

情報工学の先生とコラボして

白松先生がこのAIに関わって研究を進めていらっしゃいます。

今回は、名工大の「ラーニングコモンズ」というワークショップができる仕様になっている場所をお借りして行いました。

とっても素敵なワークショップしやすい設備の会場です。3か所にあるスクリーン、変形させやすいテーブル、たくさんあるミニホワイトボード…。いろいろな使い方ができそうで、わくわく度が高まります。

こんなところでワークショップができるなんて、うれしい限りです。

白松先生と大学院生さんが参加というか話題提供をしてくださったので、活発な質疑応答もありました。

プログラミングもずいぶんと進んで、お試しでできるまでになっていました(!)ので、お試しもしてほしい(自分も試してみたい)ですし、アイデアも考えたいということを叶える進め方はないか?とプロセスデザインも考えてみました。

 

進め方(プロセスデザイン)は

OST(open Space technology)という方法をアレンジして進めました。

OSTはホールシステム・アプローチという対話を基礎にした進め方の一つで、本来は2~3日かけて行うものです。

普段、日本ファシリテーション協会(FAJ)では、OSTというとそのエッセンスの問いを参加者が立てて、その話題について話したい人が集まって話し合う(マグネットテーブルとこのごろは呼ばれています)ことを指すようになりました。

今回は、もう少しOSTに近づけまして…

マーケットプレイスというのを入れました。マーケットプレイスは、話し合いたいテーマを立て(本来は自分で宣言します)その人がそのテーマを話す時間と場所を決めます。そして話したい人が集まって話し合うというものです。

【プログラム】

 アイスブレイク

 レクチャー

 話したいこと(テーマ出し)

 マーケットプレイス

 第1~第3セッションまで(1グループはAI体験)

 全体でシェア、ふりかえり

としました。

【やってみて】

・AIを体験して、ふりかえりをしているうちに、活用のアイデアが溢れてきました。こんなに簡単にアイデアが出てくる!きっと、体験そのものと持っている背景が異なる人たちが集まったからこその賜物。多様性がイノベーションを生む!ということを実感しました。

・1時間のセッションの内訳は40分を話し合いにし、20分でポスターセッションと休憩としました。この時間割が心地よく、テンポよく、飽きずにいろいろなアイデアを出し、触れることができました。

・ホワイトボード、模造紙もたっぷりあったので落ち着いて、適切なツールで話し合いをすすめることができました。

・もちろん、ファシリテーションを身につけている人々でしたので、説明も簡単で理解してもらえ、短時間で期待以上の成果も出ました。それがまた、うれしい!

・話し合ったことが実現する!という手ごたえのような、お役に立った気持ち(有用感?)があり、自分達はまた、このことに関わっていきたいというコミットもしっかりと心に根付ききました。話し合いの成果の行方がとても気になります。

などなど、言い出せばきりがないほど、充実したアイデア出し会でした。

 

アイデアソンという方法もスピーディで楽しいのですが、やはりじっくりと対話でき、ほどよい(と感じました)テンポで進むのは、違和感が少ないように思いました。そして絞り込むときも、納得の合意で絞り込めました。対話による話し合いの成果ですね。

やっぱり、話し合いにはファシリテーションは必須!!

このようなたのしい会を開催させてくださった白松先生、プログラムを開発してくださった院生さん、そして、集まってくださったFAJの仲間に感謝します。

 

 

 

 

 

ニュースレター第87号「女性のための『ファシリテーター入門講座』」

2018-12-04 | ニュースレター

名古屋市の男女平等参画推進センターさんの講座を一つ、担当させていただいています。

その名もズバリ!「ファシリテーター入門講座」です。

参加してくださっている女性の方々はコミュニケーション能力が高く、こちらも勉強になります。

そして、この企画をしてくださった担当の方の「在り方」がとても勉強になっています。参加される方の事情に合わせた対応がステキなのです。

とても冷静に柔らかく対応されていらして、いざというときはこの方に言えばなんとかなる!と思わせる安定感があります。

お聞きしたら、小学校の先生をしていらして、「小学生ではよくあることなんですよ」とこともなげにおっしゃいます。

「いえいえ、その対応は素晴らしすぎです!」

参加していらっしゃる方々からも、フィードバックをいただき大変貴重な機会をいただいています。

ニュースレター第87号「女性のための『ファシリテーター入門講座』」

ご覧ください。

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外国人が訪れたいまち!

2018-11-27 | ブログ

先日、飛騨古川駅周辺と高山市へ行ってきました。

飛騨古川は、映画「君の名は」の聖地がいくつかあります。ロードショーは終わっていますが、まだまだ人気は衰えず!

まちを散策すると、歩きやすくコンパクトにまとまっていて、蕎麦屋やカフェ、大きなお寺や山車会館、造り酒屋は2軒もありました。

そして、飛騨古川といえば、鯉が泳ぐ水路。

散策するのに飽きない、インスタ映えしそうなスポットもたくさんありました。

歩いているのは、ほとんど日本人で、高齢者が多かった印象があります。

 

宿泊は高山市で。

宿でも市内を散策しても、外国人率が高いと感じました。

夜、駅前のコンビニに行くと…

店員のおじさまが「久しぶりに日本語を聞いたよ」とおっしゃるくらいの外国人観光客数。

 

隣のまちなのに、なぜこんなに印象が違うのでしょう?

実は、私も古川に行ったのは初めてでした。高山には何度も行っているのに…。

・公共交通の便(どうやって行くの?)→高山駅から3駅

・観光地のインパクトの差(ポスターをよく見かけるのは高山市?)→鯉が泳いでいるのは印象にあるけれど

・高山では、飛騨牛楽しみ→古川は?

というようなことが足が向かなかった原因でした。

 

外国人観光客が増えている

ところが、飛騨市の観光統計を見てみると…

観光客数が増え、外国人宿泊客数も増えているのです。

昔ながらのまち散策だけでなく、景色を体感する!というのが外国人観光客の目的のようです。

(https://style.nikkei.com/article/DGXMZO26834420T10C18A2H46A01?channel=DF220420167277)

 

普通の農村の景色が好まれているのだとか。

確かに、農村の景色は見られなくなってきました。日本人よりも外国人が好んで訪れてくれるのは、うれしいことだなぁと思います。(もっと日本人も普通の農村の景色を大切にしたいとも思いました。)

 

その結果、平成28年度から平成29年度は古川町は119.81%の観光約数の伸びとなっていました。

 

飛騨市全体の宿泊客数は逓増傾向ではありますが(29年は減少)、ユースホステル・ゲストハウスの宿泊者数は増えています。

古川町の観光客数の推移
筆者グラフ化

(https://www.city.hida.gifu.jp/uploaded/life/9310_12387_misc.pdf)

 

 

飛騨市の宿泊客数の推移
筆者グラフ化

ゲストハウスに泊まると、外国人比率が格段に高いことを痛感します。リーズナブルに泊まる!浮いた予算を、体験やその土地の食に回す、ということなのですね。

 

外国人観光客が期待すること

お隣の高山市の外国人観光客へのアンケート結果からも外国人の日本での楽しみは…

①日本の食、③歴史的建造物・町並み、⑤自然・景勝地観光を期待している人がダントツで多いようです。

普通の(昔懐かしい?)農村の風景が人気があるのは、この結果からも納得できました。そして、その風景をどのように楽しむのか?を提案するのがインバウンドの成功のカギになりそうです。

そういえば、高山市で外国人観光客が1週間程度、町家に滞在し観光協会の職員が生活のサポートをするという取り組みを見た記憶があります(残念なことに、根拠を探せませんでした…)。

気に入った土地があると、もっとそこにいたい、その土地での暮らしを体験したい、地元の食材を自分で料理して食べてみたいという欲求が満たされることになるのですね!

そして、それを実現できる幸せ。

観光はその土地の光を観ることだと言われていますが、長期滞在するということは、その土地で光るものに触れている、非日常を日常に近づけてみるということなのでしょうか?

そこから新しい発見があり、その土地への親近感がさらに湧いてくる。そんな気がします。何度か訪れてみると土地勘もできてきて、「あ、あのお店ね。うん、美味しいよね。」なんて、まるで自分のまちのように言うと、もう、気分はその土地出身者ですよね!

これ、外国人観光客でなくても、同じ国に住んでいる日本人でも感覚は同じかもしれません。

 

外国人観光客の楽しみ方に近づく?

こうしてみると、日本人の観光の楽しみ方も、外国人観光客に近づいているのかもしれません。

何度も繰り返して同じところへ行ったり、ゲストハウスに泊まっていろいろな人と触れ合ったりすることを楽しむ観光が増えてきたように思います。(古川でもゲストハウス利用客は激増していました)

京都でも、簡易宿泊施設や町家を改装した宿泊施設が増えていることにも関係しているのかもしれません。人気がなければ増えませんよね。

(http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000193/193116/kyoka_suii201804.pdf の表から筆者作成)

2階建ての京町家を改装した宿

今後は、今まで以上に「その土地と深く関わる、人と深く関わることが観光に求められていく」、その演出や場づくりが必要なのかもしれません。

 

飛騨古川を初めて訪れてみて、落ち着いたステキな土地だなぁと思いました。その日のうちに高山市へ移動してしまいました。もっとゆっくりすれば良かったと思いました。何回も訪れてみたい町でもありました。

そんな思いがリピーターになるのだなぁと思った経験でした。

 

 

 

 

 


 
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