2014-04-21 | ブログ
web上の合意形成システムCOLLAGREEで名古屋市総合計画へのコメントをファシリテートする機会が昨年暮れにありました。「安心安全」の窓を担当したのですが、そのときに「本所防災センター」がどなたかのコメントにありました。
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-hjbskan/honjo-riyou.htm
そのときから、一度行ってみたいと思っていましたが、急に行く機会が訪れました。前日の金曜にTELにて申し込んだところ、ツアーのコースはすでに決まっていましたが、とにかく行ってみることにしました。都市型水害体験(洪水の中でドアを開くという体験。名古屋市にでかけることが増えましたので、是非体験したかったのです)は、あいにく、予約がいっぱいとのことで、断念。これは次回のお楽しみとしておきます。
コースは、
①シアターで映画鑑賞 「3.11で何を経験したのか」というようなタイトルで、東日本大震災時のことをまとめてありました。
②消火器体験 消火器の説明と一人一人が実際に消火器を持って、映像の火をめがけて放水(本当に入っていたのは水でした)をしました。見事、消えたら「消火成功!」の文字がでます。不成功の場合は、めらめらと火が大きくなっていくのです。本当に消火器をさわって火を消すという経験は初めてでした。学校での避難訓練時には体験する場面もありましたが、代表者が一人か二人でて消火するというものでしたので、うれしい体験でした。
③暴風雨体験 雨合羽の上下+長靴を借り、時速20mの風と雨にさらされる体験でした。こちらは、雨がひどく、顔をあげていると洋服まで濡れてしまうので、下を向いて風をやり過ごすことしかできませんでした。実際の台風はもっとひどいような気がしました。ここでは体験も大切ですが、目の前で他人が体験するのを客観的に見たら、とても興味深い気付きがあるような気がしました。
④煙体験 部屋の上半分の空間が煙になってしまい、その下を移動するという体験でした。また、一瞬部屋が真っ暗になり、停電したときの体験もできました。長野の善光寺にある「お戒壇巡り」のようでした。
⑤地震体験 震度7の体験をしました。起こることが分かっていても、動けないものだなと思いました。揺られているときには机の脚にしがみついているだけで精いっぱいでした。
ツアーガイドさんもついてくださり、あっという間の2時間でした。
体験から思うこと
何度体験しても、普段の備えにはなかなかつながらないだろうなぁと思いました。少しずつでも体験後に、防災グッズや非常食などを揃えていけるようにしないと!と思うのですが、帰ってきてしまうと、その気持ちが遠くなってしまいます。もちろん、忘れないように出口には「防災クイズ」もコーナーもあり、おさらいができるようになってはいました。
もう少し違った形で体験をふりかえる、例えば体験の後にHUG(避難所運営ゲーム)を初めて会った人たちとやってみる!というのも良いかもしれません。帰宅困難者という想定にはなりますが。いつも以上に想定外の回答がありそうです。多様性の視点がまた、磨かれますね!
と、そこまではいかなくても、参加した人々で体験ツアーが終わってから、10分でも20分でも感想などを共有する時間をとるだけでもいいのかもしれません。同じ時刻に同じ体験をしたのですから、共有もしやすそうです。実際に、私のツアーには小学生の子どもが3人ほどいましたが、体験中に話しかけたりして、仲良くなりました。その子たちがどんなことを思ったのか、考えたのか、とても興味があるところです。
いずれにしても、せっかくの貴重な体験のあとは、ふりかえり、共有する時間があるといいなぁと思いました。レヴィンの実験にもあるように、しっかりと記憶でき、次の行動につながるのではないかと考えました。提案してみても?
2014-04-14 | ブログ
購買心理を考えるワークショップ
営業職の新入社員研修を初めてさせていただきました。このような機会を与えてくださった方に感謝しています。その研修での気付きをシェアします。
営業は日興證券と朝日生命保険で経験していましたが、営業に特化した研修は初めてのことでしたので、どうしたものかと悩みました。が、やはり、私の得意なワークショップで営業に大切なことに気づいてもらうのが一番!とワークショッで行うことにしました。
購買心理について話し合い、その後、寸劇のようなロールプレイングをします。そして他の参加者からのフィードバックや感想を受け取るというプロセスにしました。
まずは、自分たちの生活の中での購買シーンを思い浮かべ、一般化しました。そこには、営業のテキストにあるようなエッセンスが詰まっていました。
そして、ロールプレイングでは、寸劇をつくり、実際に演じたり客観的に見たりすることで、寸劇の中にある実体験との乖離や不足しているところ、アイディアなどに気がついたり、確信したりできました。
教えられるのはなく、自分たちでつかみ取ったのです。きっと詳細は忘れてしまっても、強く印象に残ったことはずっと忘れずに心に残っていることと思います。
教育は引き出すことを実感
教育は詰め込むことではなく、education=引き出すこと とよく言われています。
クルト・レヴィンという社会心理学者が1945年に行った実験結果があります。クルト・レヴィンは、グループダイナミクスを提唱し、「場の理論」を発表した、ファシリテーターにとってはルーツの一人です。
このレヴィンが、産後のママたちに赤ちゃんにはビタミンが必要で、オレンジジュースを飲ませるとよいことを①講義形式で教える②自ら飲ませる事を決定するワークショップ形式でおしえることとしました。そして2つのグループを比較しました。講義もワークショップもともにかける時間は25分です。
その結果は?
2週間後にオレンジジュースを飲ませているのは①35%、②85%でした。4週間後には、①55%、②100%でした。自分たちで決定したグループの方がその後の実行率も高く、参加した全員が赤ちゃんの健やかな成長のためにオレンジジュースを飲ませていたのです。
このように自己決定することがその後の行動にも大きく影響します。ワークショップ参加者の潜在的な能力を引き出し、その能力によって自己決定するのです。すると、忘れることなく、自分の決定には責任をもって対応できるのです。
講義形式で教えてもらうといのは、とっても効率が良いように見えます。今回のように半日かけてつかむことをさらっと数分で手に入れる事ができるのですから。しかし、どのくらい研修の内容が心に残り、実行されるのでしょうか?研修する側の気になるところですよね。
この研修では、自分たちの生活の中から購買心理を導き出し、どのようにすれば「購入しよう」という気持ちになるのかを寸劇を考える事で練り上げました。その場で即興で行うロールプレイングも気付きは多いのですが、もう少し時間をかけてじっくりと作戦を立てて実演してみる、というのが初めて営業をする方には向いているのかもしれません。
そして、実際に参加した方々は見事に自分たちの力でつかみ取ったのです!購買心理の真理を導き出し、それを実行に移し、営業の極意に近づいていったのです。
さらに、「実践ではこんなにすんなりとはいかないだろう」「商品を勉強しておかなくては!」「お客様にメリットだけでなく、デメリットもきちんと伝える事が信用されることになる」などの鋭いふりかえりも出てきました。
さらっと言われただけでは、ここまでのふりかえりは出てこないと思います。自分たちで頭を使って導き出したものだからこそ、深い洞察や、実行の期待度が高まります。
参加者のみなさんの持っている能力が引き出せたのではないかと自負しています。
まとめ
研修はワークショップ形式で行うことが一般的になってきました。しかし、ただワークショップで話し合いをすればよいというのもではないことは、みなさん、お気づきのことと思います。
話し合いを実りのあるものにするためには、ファシリテーションのスキルが欠かせません。
参加者が納得し、次のステップに自分ごととして自ら移すためには、参加者の立場に立っったプロセスデザインが必要となってきます。どのように進めたら目的が達成できるのか、参加者が話しやすいか、無理なく決定できるか、話しやすい場ができるか…などなどファシリテーションの技術が活躍します。(「そんなこと既にやってるよ」という方からすると、ご自分のやっていることのあと付けでファシリテーション・スキルと命名されているのかもしれません)
この研修でも、参加者のみなさんは自ら考えて、より実践的な真理や実践のコツをつかみ取りました。詳細を忘れてしまうことはあるでしょう。しかし、このとき自分でつかんだ事柄は忘れる事はありません。表層的な記憶ではなく、潜在的な記憶の方へ移行しますので、必ず何かのきっかけで、ふと蘇ってきます。そして、その時の自分を思い出し、自分を信頼してあげることもできます。
ファシリテーターの側からすれば、ファシリテーション・スキルの中でも、プロセスデザイン(目的を達成するための話し合いの道筋や時間配分などを考える)が重要なポイントだと改めて考える事ができました。そして、何のためにこれをするのか、達成したい目的は何なのかについて、ワークショップの前に明確にすることが非常に大切であることも再認識しました。
今回参加した方々のご活躍をお祈りしています。
そして、ソーシャル・アクティにとっても、お役に立てる機会や分野が増えたことを喜んでいます。と同時に、精進しなくては!と改めて誓いました。
お問い合わせは、social-acty @m4.catvmics.ne.jp まで
2014-04-11 | ブログ
先日、コミュニケーションの研修をしました。そのときに取り上げたのが「Non Violence Communication」でした。備忘録も兼ねて書いておきます。
コミュニケーション研修のなかで「言いにくいことを主張する」を扱うときは大抵「アサーション(やわらかな主張)」というのをします。
お互いがwin-win になるように、相手のwin も考えて話しましょう。とか、まずは相手の言いたいことを聴きましょう。と言い、そのあとに自分の主張をしましょう!というのをします。私もそんな研修を受けたことがあります。
これはこれで、とっても実践的で、明日と言わず、今からでも使える!と思っています。
ただ、自分の主張というよりも、もっと心の深くにある自分の感情や本当にしてほしいことは何か?について、しっかり自分と向き合わないと主張したいことすらわからないということってあるのでは?と思います。特に感情が高まっているときには、意地になってしまい、何を言ってくれても、何をしてくれても満たされないということになってしまうこともありますよね?
自分の感情だけでなく、ファシリテーターとしてもどうしたらいいのか?と戸惑うことがあります。
納得の主張方法であり、相手の納得が得られる方法がありました。心理学者で、紛争を対話で解決に導いているというマーシャル・ローゼンバーグ氏のいう「Non Violent Communication(非暴力的会話)」です。その名の通り、自分や相手の心に暴力的でない会話の方法です。
会話の中で心が傷ついたりすることってありますよね。これは、相手からすれば、他人の心に対して暴力をふるっていること、自分が言いたいことを我慢していることは自分の心に暴力をふるっていることになります。お互いに暴力的でない、自分の本当にしてほしいことを相手がしてくれるという充足感を伴う会話の方法なのです。
ステップは
1.観察して現状を把握する
2.自分の感情を把握する
3.感情の奥にある自分のニーズ(本当にしてほしいこと)を知る
4.はじめて要求を表現する
この順番に進めます。
例えば、
「彼と彼女が今度の日曜にデートの約束をしていました。ところが、彼のほうに急に仕事が入ってしまいました。これを聞いて彼女は『え~っ!楽しみにしてたのに!!』と怒ってしまいました。彼は何とかしたいとは思っているのですが、彼女の怒りは解けそうにありません・・・。」
←このたとえ話が一番わかってもらえました。
このとき、どうしたら、彼と彼女はお互いを傷つけることなく納得できるのでしょう?
NVCでこうなります。
1.(観察)
彼女「今度の日曜日に断れない仕事が入ってしまったのね。」
2.(自分の感情を把握)
彼女「日曜日のデート、とても楽しみにしていたのに、とても残念だわ。」
3.(本当の自分のニーズ、してほしいことを知る)
彼女「今度の日曜日はあなたの誕生日のお祝いをしようと思って、レストランを予約してあったの。一緒に食事をしたかったのよ。」
4.(はじめて要求を表現する)
彼女「夜6時からの予約がいれてあるのだけれど、その時間までに仕事を終えてくれると、うれしいわ。」
5.おまけ
彼「仕事は4時には終わるよ!その後、迎えに行くよ!!♪」な~んて。
こんなに冷静になって、本当に自分のしたかったことは何かを見つめ、相手に何をしてほしいのかをきちんと伝えることができれば、お互いの心を満たすコミュニケーションができますよね!
『NVC ~人と人との関係に命を吹き込む法~』では、具体的な訓練方法が載っています。ただ、これはちょっと難しいです。「感情と評価を分ける」というのがとても難しい。いかに、評価を感情として取り扱ってしまっているか…を思い知らされます。
この取り違えが積み重なってくると、人と人が本当に傷つけあう「紛争」になっていってしまうのですね。きっと。
相手のニーズを探るのにもつかえる!
この方法、相手のニーズを探すことにも使えます。
1.(観察)
彼「今、君はとても怒っているようにみえるよ。」
2.(自分の感情を把握)
彼「僕も、日曜日のデートをとても楽しみにしていたから、とても残念だし、申し訳ないと思っているんだ。」
3.(本当のニーズ、してほしいことを知る)
彼「君を少しでもがっかりさせたくないから、僕にできる事があれば言ってほしいのだけど…。」
4.(はじめて要求を表現する)
彼「仕事は昼間の3時間、4時までには終わるんだ。その後からでも付き合ってもらえないかな?」
5.(おまけ)
彼女「ちょうど、6時からレストランを予約していたのよ!食事だけでも一緒にできるわね!!♪」
めでたしめでたし。
まとめ
いつもいつもこのように話が長いのは「面倒な人」になってしまいそうです。
本当のニーズを察してほしくてストレートではなく婉曲な表現をしてしまうことってありますよね。それで、察してくれないと悲しくなり、相手や自分の心を傷つけてしまう。そんなことがないように、NVCのステップで毎回表現するかは別としても、自分の本当ののニーズを考えるというのは重要なことだと思います。相手にも何をしてほしいのかがきちんと伝わるので、お互いに満足できます。
でも、自分の気持ちを伝えるときや、相手が何をしてほしいのかわからないときには、こんな素敵なコミュニケーションがとれるようになりたいと思います。日々、心がけて訓練しようと思います。
2014-04-06 | ブログ
ケア宮城、PLAN JAPANの活動報告を聞きました。
東日本大震災で子どもたちの心のケアをしていたNPO、NGOの方々です。震災直後から3年経った今でも活動をしていらっしゃいます。
意外だったのは
ケア宮城は震災後、学校心理士、臨床心理士、臨床発達心理士の有志で立ち上げた、教師、保護者、保育者などへの支援を目的とするNPOです。NGOのPLAN JAPANと協働して活動しています。(http://www.sed.tohoku.ac.jp/~caremiya/)
震災直後よりも現在のほうが心の傷が原因でさまざまな症状が発現されたりしているというこは、マスコミやSNSを通して広く共有されています。
意外だったのは、ケア宮城の発起人でもある心理学の教授が学会報告をしたときの話題です。
国際的な学会でケア宮城の報告をしているとき、ケニアの少年兵の事例の報告があったそうです。ケニアの少年兵は、ものごころつくかつかないうちに兵士として養成された子どもたちです。親や兄弟を自らの手で殺害させられたりして心を亡くし、殺人兵器となってしまった子どもたち。この子どもたちは解放されても普通の心を取り戻すことは難しいというのが共有されていました。
・・・ユニセフでの「フューチャーサーチ(利害関係者が一堂に集まって、対話による計画づくりの方法)」でも取り上げられている話題です。ファシリテーターとしてたいへん興味深いテーマです・・・
ところが、なんと、そういう子どもは40%で、60%は普通の心を取り戻すことができる!というものでした。
人間のレジりエンス(回復力)もすごい!!と思いませんか?
適切な(?)ケアがあれば、心を亡くしたように見えても、心の奥底にある人間としての感情を取り戻すことができるのですね。
レジリエンスモデル
レジリエンスモデルは立ち上がる力、跳ね返す力に注目した支援。人間はもともともっている力、それを信じて促進する(ファシリテーターはこういう表現をしてしまいます)。そういうことは可能なのですね!ケニアの少年兵だって立ち上がれるのです!
とはいえ、できるだけ傷つかなくてよい心は傷つけないほうが良い。だから初期対応が重要になってくるのです。第一印象がその後の人間関係を決めたりしますもんね。
HUG(避難所運営ゲーム)でも心のケア
ソーシャル・アクティが行うHUG(避難所運営ゲーム)では、心のケア(Psychological First Aid =初期対応)もコンテンツに入っています。(株)ユナイトの臨床心理士、成田有子さんと作り上げたコンテンツですので、彼女の被災地での臨床心理士としての活動を基礎にした内容になっています。(株式会社ユナイト http://www.unite22.co.jp/)彼女に「Psychological First Aid は、心理的な応急処置。専門家だけでなく、素人だってできることはあるのよ。」とコツを教えていただきました。むしろ、避難所などでの対応がその後の心に大きな影響があるのだと。
素人だって、ちょっとした心掛けで傷ついた心にハンドエイドを貼ってあげることができる!
頭の中の引き出しに入れておいたら、いざというときに開ける事ができますよね。体験や話し合いを伴うと、記憶は強く残ります。という研究結果もあります。
心のケアも取り入れたHUG。今後もがんばって行こう!と思いました。
(お問い合わせは、social=acty@m4.catvmics.ne.jp へ)
2014-03-27 | ブログ
「大災害後の回復力を高めるために」というテーマの講演を聞いてきました。3連動地震が懸念される中、何をしておけば早い回復ができるのか?についてとても参考になりました。
講演はアメリカ、パデュー大学政治学部准教授 ダニエル・アルドリッチ氏によるものでした。
大災害からの回復に必要な力は?
災害時に必要なものは日本では、定性的にコミュニティの絆だと言われています。アルドリッチ氏はこれを統計学的に検証していました。そして、一言でコミュニティや地域と言いますが、その単位は従来的には小学校区でした。しかし、氏の想定する範囲は極小のものでした。家ごとであったり町内ごとのレベルでつながりが強いと回復が早いというのです。アルドリッチ氏は関東大震災、阪神淡路大震災、インド洋津波、ハリケーンカトリーナの4つを事例として、人口に対する犯罪件数や人口密度、投票率などさまざまな数字を検証しました。その中でもっとも興味深い指標がありました。
日本の中の規模の似ている2つの地域を比較したものがあります。以下は、アルドリッチ氏の資料を記載します。
(アルドリッチ氏の資料より)
この表のどちらに地域の回復が早かったのでしょう?その地域で生まれ育ち、その地域で生活している持家の住民が多いと回復力が高いといえます。着色した3つの指標は地域アイデンティティ形成、地域の結びつきに寄与しているものです。ということで、もちろん、B地区のほうがより早く復興しています。
この他に氏は、区レベルの選挙投票率が高いこと、まちづくNPOが設立されている地区なども回復が早いと言っています。これは、住民が地域についての関心が高く、地域内の活動に熱心である指標でもあるといってよいのでしょう。
氏は、最後につながりをつくるために4つの施策を提言しています。氏はこのつながりを「社会的インフラ」と呼んでいます。
1.町内レベルで、そこに住んでいる人々のつながりをつくるプログラムを実施すること
2.地方自治体が住民を(孤立から)引っ張り出して、地域活動に参加するプログラムを実施すること
3.特定集団を対象にして、ある問題について話し合うようにすること
4.地域通貨
まとめ(感想や気づきなど)
1.コミュニティ内のつながりは災害後の回復には必必要なものだということが数値的にも確認できました。
2.氏の4つの提案について、地方自治体が取り組む施策としています。コミュニティのことは、コミュニティ内で解決する、それが自治でしょうと言われてきた私たちにとっては、「地方自治体が主体となって」ということに新鮮な驚きとやはりという納得がありませんか?
コミュニティのつながりづくりにには、住民の力だけではうまくいかないことがたくさんあります。ちょっと行政が力を貸してくれるといいのになぁという場面は数えきれません。ただ、それは住民の甘えとして活動を縛ってきたような気がします。
名古屋大学の廣井准教授も、以前参加した研究会で、東日本大震災時の帰宅困難者についての報告の際、提言として、ソフトの防災は地域コミュニティのつながりを作ることで、今後はそこに予算をつけていかなくてはならないのでは?とおっしゃっていました。社会的インフラ(社会的関係資本ですね!)の整備に注力していくことが減災になると。
3.話し合いの場を設定すること。これは、ファシリテーターにとってはお墨付きをいただいたようでとてもうれしいことでした。やはり、社会的インフラづくりには話し合いが必須なのですね!
4.地域通貨。いきなり地域通貨が出てきたので驚きました。が、私の論文を後押ししてくださったようで、これもうれしいことです。実は、地域通貨について論文を書いたのですが、「コミュニティの再生のツールとしての地域通貨」というタイトルでした。
5.孤立の問題も含めて、コミュニティの中につながりをつくっていくことが、減災にもなる!と確信を深めました。