2015-09-18 | ブログ
今年度、HUG(避難所運営ゲーム)や防災まちづくり関係のお話をいただいています。そのときにお願いしていることが一つあります。
今年度は、自治体が主催、参加するのは市民の方なので、ありがたいことに、そのお願いは実現しています。
災害に対する認識を共有するために
それは、被災地に応援にいった自治体職員の方にHUGを始める前に15分~20分ほど、報告をしていただくことです。
これから来る災害に備えようという地域にとって、(被災された方々は別として)現地に行って内部者として活動してきた人の話ほど、臨場感のあるものはないのでは?と考えています。消防士、保健士などの資格を持った方だけではなく、社会福祉協議会の職員、復興に必要な都市計画や区画整理のエキスパート、などなど、たくさんの部署から被災地へ行っています。
それぞれの方の話を聞くだけでも興味がわきますし、実際に見聞してきた、体験してきた話は臨場感があります。
その話を聞いて、被災するというイメージを参加者のみなさんと共有できれば、と考えています。
もう一つの理由
庁舎内で自治体職員間では被災地支援活動の報告会は設けられていると思われます。しかし、市民がその話を聞く機会というのはほとんどないのではないでしょうか?
市民が聞くとすれば、研究者の報告やNPOの報告、ボランティアの体験談などは、興味を持って情報を探して出かけていけば、聞くことができます。そういう機会は、もちろん、それぞれの立場の視点から見えた、さまざまなことがわかる貴重な機会です。手弁当で現地まで足を運び、活動するという尊い行為のお話です。
では、わがまちの自治体の職員は?というと、もちろん、たいていの自治体からは被災地へ任務として、年間数名が支援に行っています。現在も被災地に赴き任務をこなしていらっしゃいます。自治体職員の目で見た被災地の状況や復興の状況、その内情などを市民も知っておくというのは大切なことではないか?と考えています。
市民が手を出せない「行政」として行う領域について(行政内部の手続きなど)、また、業務として関わる中で得られる知見など、東日本大震災の支援活動から学んだことをたくさん持っていらっしゃるはずです。
そんな事柄を市民も共有して、減災や事前復興に活かすことができれば、市民も自治体も、赴任した職員もうれしいことではないかと考えています。
さらに付け加えると、自治体の職員は自治体の費用で支援に行っているのですから、市民がその話を聞く機会がないほうが不思議なのかもしれません。
出前講座で「聞く会」を設定してもいいかもしれませんね。
反応は
職員の方の話を聞いた参加者の反応は、良好、といいますか、初めて聞く話に興味深々で、前のめりになって聞いてくださいます。
そして、わがまちからもちゃんと被災地へ支援にいっている職員がいるのだなぁと認識してくださり、誇らしい思いをもってくださるようです。
公費とはいえど、せっかく、現地でがんばってくださっている方がいらっしゃるのですから、わがまちの誇りにしたいですよね。