2016-04-13 | ブログ
先日、金沢に行ってきました。
兼六園では、ソメイヨシノは終わりつつありましたが、違う品種の桜が次々と咲き、にぎわっていました。
兼六園では、若い女性の着物姿が多く見られました。少し年配の女性の着物姿もあり、落ち着きを感じました。
インターネットで検索してみると、金沢駅や兼六園の近くにはレンタル着物のお店が数件ありました。古都には着物が似合いますね。
若い方が着物を着ているのを見ると、着物文化は再興するかも?という気持ちにもなってきます。
今回は、着物の話題はおいて置きまして。
今回の金沢、外国人観光客が増えたような気がしました。
最近は、「外国人観光客(マスコミに取り上げられるのは中国人観光客がおおいのですが)は、買い物よりも体験や花見を好むようになった」という報道を目にするようになりました。お花見は国を問わず人気があるのでしょうか。
タクシーの運転手さんに聞いてみると、「金沢は外国人観光客は多い。しかもヨーロッパの人が多いなぁ」とのことでした。
私の感覚でも、兼六園やひがし茶屋街でも、たくさんの外国人観光客がいましたが、ヨーロッパ系の方は他の観光地よりも多い気がしました。
1.観光庁の速報から
2016年2月の観光庁の速報値では、平成26年1月から平成28年1月の外国人延べ宿泊者数は、
三大都市圏で毎年30%を超える増加を見せています。地方部では、平成26年から27年の1年では38.9%ですが、平成28年には70.0%の増加となっています。【図 1】(http://www.mlit.go.jp/common/001125865.pdf)
絶対数では、もちろん、三大都市圏が多いのですが、北海道をはじめ沖縄も地方部で検討しています。もちろん、京都も。【図 2】(http://www.mlit.go.jp/common/001125865.pdf)
また、国別では、やはり中国からの観光客が最多となっています。【図 3】
【図 3 出身地別外国人延べ宿泊者数】
(http://www.mlit.go.jp/common/001125865.pdf)
このグラフでは、ヨーロッパからの観光客はたいへん少ないこともわかります。
となると、タクシーの運転手さんのコメント、実際に見た感想と差異がでてきます。
金沢の観光客の内訳はないものかと探してみました。
2.金沢の状況
金沢市の「観光調査結果報告書(http://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/com/img/useful/exchangecity/kankouchousa-2014.pdf)」がありました。残念ながら、平成26年に調査した内容ですので、観光庁の資料と一概に比べるのは乱暴な部分もありますが、おおよその方向性はつかめるかと思います。(以下、キャプションでの説明がないものは、すべてこの報告書から抜粋しています。)
まず、金沢を訪れる外国人観光客の推移は、【図 4】のように、平成23年を底として平成26年まで順調に伸びています。
これを全体の中の外国人観光客の割合をみると【図 5】のようになります。
このグラフからみても、観光客の増加には、外国人観光客が寄与していました。
次に外国人観光客の発地を見てみると【図 6】のようになります。
この図からは、【図 3】の全国の割合と比べると、北米、ヨーロッパからの外国人観光客の割合がたいへん高いと言えます。
残念なことに、この原因は報告書に記載されていませんでした。
原因の一つに円安の影響があるのではないかと考え、為替の動向と外国人観光客数を比較してみました【図 7】。この図の為替レートは、4月第1旬をとっています。この報告書内で、観光客数が年間を通じて4月が一番多いことから、4月を取りました。
【図 7】では、平成23年からの外国人観光客の増加の場面では、円安が効果があるように見えますが、観光庁の速報では、この図にない平成27年、28年も増加しているとのことでしたので、大きな影響ではなくなっているようです。
今回は、兼六園、ひがし茶屋街を回りました。名古屋駅(特急しらさぎ)、宿泊したホテルでも、外国人観光客の団体ツアーに出会いました。
また、4~5人の団体が通訳と観光しているような場面も散見されました。
自治体、ツアー会社の努力だけでなく、通訳を依頼できる体制が整っていることも原因の一つかもしれません。
なぜ、金沢の外国人観光客の割合が多いのか、他の都市の割合と比較して何が言えるのかについては、今後の課題としたいと思います。
また、同じ古都である京都の動向について、比較したら興味深いものが出てくるかもしれませんね。
後日、TRYしてみようかと思います。