2016-09-21 | ブログ
3連休の最終日、名古屋市東区に「文化のみち二葉館」という建物があります。
明治時代に海外でも活躍、絶賛されていた、日本初の女優 川上貞奴(マダム貞奴)が建てた洋館です。
貞奴は、川上音二郎の妻でアメリカ興業に同行し、現地でピンチヒッターとして舞台に立ったようです。これが日本初の女優の始まりだったとか。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/川上貞奴)
そして、女性起業家でもあったのです。
音二郎が亡くなった後、女優を引退。後に木曽川で水力発電の会社を二番目の夫となる福沢桃介とともに設立しました。
その彼女が福沢桃介と住んでいたのが、二葉館です。当時は二葉御殿と呼ばれていたそうです。
館の数か所の窓にはめ込まれているステンドグラスがとても素晴らしい、素敵な女性を忍ばせる建物です。
明治時代から大正時代の建物と照明には心惹かれるものがあります。
その中で、端唄と小唄の会がありました。
二葉館1階にステンドグラスのホールがあり、そこで催されました。
初めて聞いたのですが、とっても興味深いものでした。
唄のはじめに内容や由来の解説をしてくださったので、唄の言葉も理解できました。タイトルが「男が唄う女心、女が唄う男心」とあるように、少し艶っぽい唄でした。
すっと心に入ってきて、くすっと笑えたり、状況を想像して当時を思い描いてみたりと唄を聞いている時もとても楽しい時間でした。
最後の演目は、「貞奴」という華房真子、小真師匠がお創りになった唄でした。貞奴が住んでいた建物で貞奴の唄を唄うという素敵な企画です。
一緒にうたおうというコーナーがあったのですが、初めて聞くのになぜか口ずさめてしまうのです。聞きに来ていたお客様方が大きな声で唄っていらしたお陰です。みなさん、師匠方のファンなのでしょうね。(ファンという表現は正しくないですね)
ご出演は、華房流の創始者真子師匠をはじめとする小真師匠とお弟子さん方。
小真師匠とご縁があったのですが、普段はとても気さくで気風のいい女性です。
演奏中もそのお人柄がでていらっしゃいました。ふだんに増しての目力とお腹から出している声量が本当に素晴らしく、端唄・小唄の世界に引き込まれて時間が経つのを忘れておりました。
舞台ではさらりと演奏していらっしゃいましたが、伝統芸能を受け継いで、発展させていくのには、想像できないくらいの精進を重ねていらっしゃるのだろうなと思いました。
師匠方の舞台を拝見して、足元に及ばなくてもファシリテーターを続けていくためにも、人間としても、見習って精進しなくては!と思いました。