2017-03-20 | ブログ
先日、所属しているNPO、日本ファシリテーション協会の中部支部の定例会に参加してきました。
(https://www.faj.or.jp)
「ゲーミフィケーションとORID体験」というタイトルでした。
ゲーミフィケーションは、リアル脱出ゲームのようで、チームで難問を解いて、ファシリテーターを探すというものでした。
その途中で一度、最後にもう一度、ORIDというふりかえりの体験をしました。
ORIDとは?
O:Objective Question (客観的問いかけ)で合理的、事実に基づく質問
R:Refractive Question(内省的問いかけ 肯定的+否定的)で、自分の感情に基づく質問
I:Interpretive Question(解釈的問いかけ)で、経験の意味や価値、創造的に考える質問
D:Decisional Question(決断的問いかけ)で、判断や判定、次のステップへの質問
です。
そして、経験を学びに変えるふりかえり、と言われています。
コルブの「学習モデル」というのあり、
それは、
経験⇒リフレクション⇒概念化⇒実験⇒経験…
経験:具体的な経験
リフレクション:経験をふりかえる
概念化:リフレクションから教訓を考える、自分なりの理論をつくる
実験:概念化した理論を新たな状況に適用する
(http://www.spod.ehime-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2015/09/2802A.pdf より)
というサイクルを描くモデルだそうです。
このサイクルの中の ‟リフレクション⇒概念化⇒” あたりで行うふりかえりのような気がしました。
(このブログを書いているのも「ふりかえり」であって、経験を学びにしています。でも、このふりかえりは残念ながら定型化されたORIDの進め方ではないのです。せっかくなので、ORIDで進めてみればよかったと反省。)
定例会では
ゲームでチームに分かれてのなぞ解きをしていく途中で、一旦手を止めてORIDによるふりかえりを行いました。
このときには、20分というふりかえりの時間が惜しくて、早く次のなぞ解きをしたい!という気持ちがあったのですが、
今日は、ふりかえりの体験と思い直し、一旦、冷静になってふりかえってみました。すると、ゲーム途中で気になっていたことを文字にして顕在化でき、解決策も共有できました。
実際の経験に従って(順を追って)ご紹介します。
【Step1】
まずは、みんなでスタート!目の前にある問題を解いていきます。
ところが、目の前のゲームに夢中になっているメンバーと、何をしたらいいのか?わからないのでウロウロしているように見えるメンバー、他のメンバーは何をしているのかが見渡せないメンバーがいました。
その様子が気になりつつも(なぜか)焦り、次々に問題を解くことに傾注していました。
そこで、簡単にORID的ふりかえり。
すると、他のメンバーも同じことを気にしていたことが分かりました。
解決策(D)も、メンバーの全員が同様に「情報の整理と共有」「役割分担をはっきりとする」とシートに記載していたのです。
【Step2】
その後のゲームの進め方は、
まずは情報の整理。何が解けていて、何がまだなのか、どこまで進んでいるのか?今の課題は何か?をはっきりさせ、共有しました。
次に、役割分担をして、次のステップに行くときは、声をかけて、状況を共有しながら進めることができました。
あと1問を残してタイムアップとなってしまったのは心残りですが、終わったときには、全員が達成感をもったようです。
【Step3】
最後にもう一度、ていねいにORIDでふりかえり。
このときはORIDの各ステップで10問ずつあり、その問いかけに一人でシートに記入⇒チームで共有をしました。
学んだことは1.
共有するうちに、はっと気が付きました。
①「チームごとにゲームをする」ということで「他のチームに負けたくない!」と思い、逆にみんながバラバラになって突っ走ってしまったこと。
②「そもそもチーム対抗戦だったの?」という問いかけがありました。もしかしたら、他のチームに助けてもらったり、助けたりして定例会のメンバー全員でゲームを進めてもよかったのでは?という根本のところに行きつきました。
そういえば、そのあたりは何も言われていなかった…
これらは、否定的なリフレクションと次へのステップを合わせて考えたときに、気が付いたものです。
否定的なことはなかなかオープンに言いたくありませんが、あえて言ってみることも大切なのだと思いました。
学んだことは2.
上の他に、今回の経験を通して分かったことは、
・ORIDはチームができていてプロジェクトを進めている途中で行うと、とても効果的。その後のチームの動き方や満足感がまったく違ってくるということ。
・次回のプロジェクトの進め方は、ここに気を付けよう!と忘れずにできること。(経験を通した学びは忘れにくい)ただし、心理的なアプローチでのプロセスのようです。
・ふりかえりのフレームワークには、KPT(Keep Problem Try)というのもよく使われます。KPTは、プロジェクトそのものを引き継いでいくときに有効なふりかえりであると思われます。行動として、プロジェクトのコンテンツとして他のチーム、他の人に引き継ぐときは、KPTでふりかえりをするのが有効であるようです。
*KPTは以下の順にふりかえっていきます。
K:Keep 良かったこと・引き続き行いたいこと
P:problem 課題となったこと・改良したいこと
T:Try 次回への提案、次回取組んだらもっと良くなると思うこと
まとめ
ORIDはチームがプロジェクトを進め、達成するにあたって、心理的なプロセス(感情など)をふりかえり、一人一人がより気持ちよく力を発揮し、チームの力を引き出せるように「経験を学びに変えていく」もの。
KPTは、他のチーム、メンバーが同じようなプロジェクトを進め、達成するにあたって、コンテンツ(中味)をより良いものにしていくため、「経験を引きついでいく」もの。
だと思いました。