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サークルカフェで対話の原点に。

2017-11-24 | ブログ

先日、FAJ(日本ファシリテーション協会)中部支部のイベントがありました。

テーマは「未来をつくる 学生と社会人の対話カフェ」。

中心に学生と社会人が「働く」をテーマに1日対話をするという企画です。

対話の方法は、5つ。

午前中に1つ。

参加者自身が楽しいときや輝いているときの話を1:1でインタビューする「ハイポイント インタビュー」

午後から、分科会形式で4つ。

ワールドカフェ、ブラインドカフェ、サークルカフェ、サイレントカフェ

でした。この中のサークルカフェのメイン ファシリテーターを務めました。

(近頃、対話の場のことを「カフェ」と呼ぶことが多くなりました)

 

サークルカフェとは

定例会の中で生まれた中部支部オリジナルの対話の方法です。

15人程度(が適切な人数?)で輪になり、トーキングスティックを持って対話します。このトーキングスティックを持っている人が話ができ、他の人は聴いているというものです。話し終わったら、トーキングスティックを真ん中に戻し、次に話したい人がそのトーキングスティックを持って話す、そして、戻す…を繰り返して対話が進んでいきます。

FAJのメンバーである中野民夫さんの『ワークショップ』にも書かれていた対話の方法で、ネイティブ・アメリカン(本にはこのように記載してあったので)の昔からの対話の仕方をベースにして、アレンジを加えました。

サークルの真ん中に火を置き、「みんなが持ち寄った経験や知恵などが薪となります。そして、お互いに敬意をもって聴こうという気持ちが発火材になり、他の人の話をよく聴くことで理解の火花が散るのです。」(『ワークショップ』p6)

『ワークショップ』に紹介されていたのは、焚火を中心におき、トーキングスティック(枝)を持った人だけが話せ、他の人は口を挟まずに聴く、というものでした。時間やテーマなど所与のものがある中での対話、ファシリテーション グラフィック(板書のようなもの)を加えたのがオリジナルな部分です。

イベントでは、40分強の時間で行いました。

(本物の火は使えませんでしたので、ろうそくっぽいオブジェを代用)

 

テーマは、ハイポイント インタビューとワールドカフェでの対話の中での気づきや感想を語ってもらい、そこから今の気持ちに近いものを考えました。このときは「職場で価値感(年齢や文化も含む)を越えて対話すると?」にしました。

アイスブレイクを兼ねて一言ずつ感想などを発言しながらスティックを回すことを2周、その後はトーキングスティックをサークルの真ん中において、話したい人が取りに行って、話すということを繰り返しました。

ファシリテーターはその間、グラフィックをしました。みなさんがトーキングスティックの使い方に慣れてくると、ファシリテーターの介入がなくても対話が進んでいました。

最後に一人一言ずつ、ふりかえりを言って終わりとしました。

 

終わった後の感想は

じっくりと問いかけに向き合えた。

親子で参加してくださった方は「こういう話を真面目に子どもとしたことがない。なかなかできないので、今日はとても良い機会だった」とおっしゃてくださいました。(これを受けて、お子さんもいろいろな人がいるので話を素直にできた、とおっしゃっていました)

価値観が「違う」を前提に対話する。

モノサシをたくさん増やそう、そうすれば相手の話や考えを理解できるようになる。

共感して理解しても、実現できないこともある。いろいろな人を広く受け入れられるようになりたい。

などの深いふりかえりが出てきました。

 

そして、ファシリテーターを務めた感想は、

15人で進める対話の時間は、40分では少ないだろうか?15人一度での対話(ワールドカフェでは1テーブル4人程度)は精神的にきびしいものになるのでは?と懸念していました。しかし、参加者の皆さんが、ルールを守ってくださり、傾聴をしてくださったお陰で、じっくりと深い話し合いができたと感じました。40分で終わるというしばりがなければ、もっと話せたのかもしれません。(『ワークショップ』にあるように一晩でも可能かも)

対話を聴いていた立場でも、ファシリテーターという立場でも、じっくりと話せたという達成感が持てました。

対話の満足度は、発言量の多寡ではなく、自分がどれだけその場に存在していたのか、自分がその場に存在していたことが貢献になったという実感を得られたことが影響するのではないかと思いました。

 

「対話をする」「対話の場をファシリテートする」ことには深い学びや気づきがありそうです。そんな機会を得られたことに感謝しています。

 

 

 

 

 

 


 
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