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『呪いの言葉の解きかた』読みました

2019-07-24 | ブログ

働き方改革の法案策定の際に国会の参考人で呼ばれたり、「国会パブリックビューイング」で解説したり、とご活躍の

上西充子(法政大学教授)がお書きになりました『呪いの言葉の解きかた』を読みました。

(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51QsTEh2VaL._SX344_BO1,204,203,200_.jpg)

 

タイトルを見ると、オカルト?と思ってしまいますが、実は全く違います(ほっ)。

「呪い」とは、ものを縛ってしまう言葉のことでした。

安倍晴明が「この世で一番短い呪(しゅ)は名」だと言っているそうです。コミックからの引用でしたが…

「ものの根源的な在様を縛るというのは名」だそうです。映画「安倍晴明」で、主演の野村萬斎さんが、口に指をあてて呪文を唱えているシーンが浮かびます。

 

「私たちは、言葉を通じてものを考え、状況を認識し、自分の気持ちを把握する。言葉によって、私たちの思考は、行動は、縛られもするし、支えられもする。p258」

と上西先生は書いていらっしゃいます。

 

ここまで来ると、「社会構成主義」との共通点が見えてきました。共通点というよりも、同じことを少し違う視点から表現しているのですね!

(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/5136PRMCTAL._SX333_BO1,204,203,200_.jpg)

そこに納得しつつ、本文を読んでいくと…

 

【概要と感想】

前半は

・世の中には、たくさんの「役割」や「行動」を期待する「呪いの言葉」がある

・その「呪いの言葉」に、知らず知らずのうちに縛られている

・「言葉」なんだから、言葉で解くことができる

という内容を具体例を示しながら、ときにはTVドラマや映画、コミックを引用して楽しく教えてくださっています。

きっと、言葉にがんじがらめになっている私たちを自分で開放できるようにしてくださっているのかもしれません。

例えば、「逃げるは恥だが役に立つ」を見ていた時、ヒロインのみくりさんの言葉に「よく言ってくれた!」から「ああ、そういう見方があるな」「それ、そんな風に受け止めるの?でも、よく考えたら、そうなのかも」ということまで、たくさん気づきがありました。(「好きの搾取」という表現は刺激的ですが、内容を聞けば納得!とか)

そして、いかに自分が「言葉」の呪いにかかっていたのか?を客観的に見ることができます。

名前を付けると、気が楽になることや逆にレッテルを貼るようになったりしてしまう自分を思いうかべました。

その解きかたも併記してくださっているので、自分が持った違和感を大切にしてどこから来るのか?を考えてみる、それが解きかたでもあるようです。

「イラスト無料 安倍晴明」の画像検索結果

後半になると

呪いの言葉から、灯火(ともしび)の言葉、湧き水の言葉へと移っていきます。

文字をみてわかるように、希望が湧いてくるような内容になっています。

社会構成主義でいう「言葉で未来をつくっていく」とはこういうこと!という内容が書かれています。

灯火の言葉は「相手に力を与え、力を引き出し、主体的な言動を促す言葉p194」です。

言葉でエンパワーメントするということなのですね。

実体験からしても、落ち込んだ時に誰かが言ってくれた言葉で、気づくことがあったり、前向きになれたりすることがあります。

このことかと思います。

 

湧き水の言葉は、「みずからの身体から湧き出てきて、みずからの生き方を肯定する言葉、呪縛から自らを解き放つ言葉p236」と定義されています。

例えば「わたしは自由だったんだ」と小説の主人公が言う場面があります。自分が自分の役割として「言葉」に縛られていたということを自覚し、自分を解き放った言葉です。

自分を自分で縛ってしまう言葉。たくさんあるような気がします。どんな言葉が自分を解き放ってくれるのか?それを自覚したときは、すがすがしい気持ちだろうなぁと思います。

 

 

まるで謎解きのドラマを見ているように、始めからすいすいと読み進んだご本でした。

読み終わったあとも、すっきりと気持ちがよく、前向きになれました。「灯火の本」でした。

あとは、自分の中から湧き出てくる「湧き水」を感知して言語にすること!なのだと思います。

 

【言葉を疑う】

普段使っている言葉には、呪いがかかっていたのですね。

もちろん、これによって秩序が維持されることもあります。ただ、必要以上に自分達を勝手に縛っていることもあるのだろうと胸に手を当ててみました。

自分で気づくことは難しいかもしれませんが、ふとした時に「これは、どういう意図なのだろう?」ということを考えてみる事(自分との対話)も必要なのでは?と思いました。

ファシリテーターは言葉を扱います。

問いかけを考えるときには、常に「この問いかけでゴールにたどり着けるだろうか?」「どんな話し合いにあるのだろう?」「迷走しないだろうか?」など自分に問いかけています。

これからは、「この問いかけは呪いになっていないか?」も加えた方がよいかもしれません。

さらに、「この問いかけで呪いを解くことができるか?」も場合によっては求められるのかもしれません。

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呪いを解かれたときの解放感。

きっと、エンパワーメントにつながるのでしょう。

でも、問いかけだけではできません。問いかけられて、考えるという時間が必要なのだと思います。

数分でも、落ち着いてふりかえって考える時間をもつことが大切なのですね。

 

ファシリテーターとして、言葉に繊細になりたいと思いました。


 
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