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『まちづくりの実践』古い本ですが、新しい発見!

2022-08-13 | ブログ

このところ、20年以上前(?)に大学院に入った頃読んだ本やその頃読んだ本を読み返す機会が多くありました。
古典いうのは、どのくらい前のことをいうのか?は不明ですが、
根本だなぁと思う本は、時代が変わっても不変!ということを感じております。

今日はその中の一つをご紹介します。

『まちづくりの実践』から

例えば
田村明『まちづくりの発想』1987年、岩波新書
田村明『まちづくりの実践』1999年、岩波新書
を読み返しました。
(「たしか、研究計画書を書くときに、読んだなぁ」と懐かしく思いながら、うっすら被っていたほこりを払ったのでした)

(アマゾンより。どうやら絶版になっているようです。残念)

田村明!といえば…横浜市役所に勤務時代に都市づくりの総合プロデュースを進めたことが有名で、高速道路の地下化、港北ニュータウンなその横浜市6大事業、横浜スタジアム建設などを担当されました。その後、法政大学で教鞭をとられました。
横浜へ行くと、軌道の残る道をみたり、赤レンガ倉庫をみたりすると「田村先生だ!」と思って、オタクっぽい感動に浸っていたりしたことを思い出します。

まちの歴史やまちづくりのヒストリーを見たり聞いたりすると、ついつい語ってしまいたくなりますよね。
当時、友人からは「オタクだねぇ」と言われたりしていました。

その中に、例として出てきた福岡県の柳川市。
柳川市にある掘割はかつては運搬や飲み水などとして使われていたのに、高度成長期にどぶ川となってしまった。
そのどぶ川を暗渠にするという計画が持ち上がり…。以前、上水道担当だった市の係長が調査研究して、その計画を止めた!
そして、掘割の水を住民とともに浄化し、今では観光の名所にもなっている。

川下り(https://www.city.yanagawa.fukuoka.jp/kanko/kawakudari/kawakudari/kawakudari.html より)
市のホームページのトップも飾っていました。↓

yng-header.png

福岡へ行ったついでに、柳川まで行き、観光船に乘って、しみじみご苦労や住民の方々のご努力を思い浮かべつつ・・・
(というよりも、観光を)たのしみました。

思わぬ発見!

行った当時はアナログの写真なので、データがないなぁとネットで探していたところ、
なんと!「柳川掘割物語」というタイトルで、映像化されていました!!

しかも、製作は宮崎駿!以下のような豪華メンバー。

  • 製作:宮崎駿
  • 脚本・監督:高畑勲
  • 撮影:高橋慎二
  • 監督補:宮野隆博
  • 撮影助手:戸塚均、平尾恭一
  • 照明:八巻貢
  • 録音:鈴木武夫
  • ネガ編集:高橋辰雄
  • 監修・脚本協力:広松伝
  • 解説:加賀美幸子、国井雅比古
  • 主題歌:間宮芳生「柳川掘割物語」
  • プロデューサー:久保進

 https://www.disney.co.jp/studio/ghibli/0391.html より

(ニコニコ動画でも配信されていました。)

ジブリのみなさんの心にも響いていたんだ!と、何故か誇らしく思ってしまったのでした。(全く関係ないのですが💦)
まちへの情熱が実った、素敵な事例でした。(もちろん、ご苦労のほどは、はかり知れません)

今のように、自治体職員の人数が足りないような状態では、柳川掘割物語のようなことは期待してはいけない期待したら、申し訳ないと思うのですが…

水俣病も市の職員の地道なご努力がきっかけで公害病に認定されたことを考えると、自治体職員って、尊い職業だなぁと思うのでした。

協働すれば、もっと!

職員さんと住民がもっと早くから協働していれば?
「たら」「れば」の仮定は難しいですが、住民の中の理解者と協働すると、活動の広がりや速度も変わり、もっと苦労せずに成し遂げることができたのかも?
もちろん、住民を納得させるようなデータを揃えるとか、先の見えないことを理解してもらい、協力を得るのは、想像するだけで、暗い気持ちになりますが…

たった一人に任せてしまって、よいのだろうか?とも。

市民としても、葛藤するところです。(市民が主体で進めるまちづくりの活動ももちろん!枚挙にいとまがないのです)

 

いろいろなことを考えさせられ、新しい発見もあり、応援してもらえた!という本でした。

〇十年も開くことがなかった本ですが、名著とか基本書とされるのには、ちゃんと理由があるんだ!と納得しました。

「まちづくり」の「まち」とは何か?を改めて考えていこう!というきっかけにもなりました。

 


 
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