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『多様性の科学』多様性ってよく耳にするけれど…

2022-09-14 | ブログ

『多様性の科学』を読みました。

多様性いう単語、よく耳にも、目にもします。
近頃、ますますその機会が増えているような気がします。

さまざまな人がこの世界にはいます。
というか、自分以外はみなさん、多様…(他の方から見れば、自分が多様な人の一人ですよね)

その多様性を科学的に証明する?効果を検証する?
どのようなことが展開されるのか、楽しみにページをめくっていきました。

本の帯に、映画のように科学するとありましたが、事例のストーリーとその検証(というか、ストーリーをつなぐ?)
確かに、小説を読むような気持で読み進めました。

この中で、一番印象に残ったのが、
「多様性は、集合知である。その集合知のためには、コミュニティの中でお互いに信頼していることが大切。そのためには、コミュニケーションをとることがカギ」
でした。
これは、『フィンランドの国家戦略イノベーション』の中にもあった内容と同様で、こちらの本にはこんな趣旨のことが書かれていました。
「知識資本主義の時代にむかっていくためには、イノベーションが起ることが必須。イノベーションを起こすのは、人。その人をどのように育成していくか?については、一人ではイノベーションは起こせない。人と人の間で生まれる。そのためには、お互いが信頼することがベースである。とすると、コミュニケーションをとって信頼関係を築いていくことが求められるのだ。」
ということでした。

そして、「信頼できるようなコミュニケーションをとる、イノベーションが起るような話し合いが行われるようになる。」(これが、市民の参加、民主主義につながっていくともありました)

フィンランドの国家イノベーションシステム

そこには、ファシリテーションが必要で、小学校入学前から、ファシリテーションを体得させていくことが求められる。なので、フィンランド・メソッドと言われる教育方法には、ファシリテーションの要素がちりばめられていたのです。

『多様性の科学』には、リーダーについても書かれています。
これが、また既視感。
リーダーがいる集団といない集団についての考察がGoogleを例に書かれていました。
そのリーダーのタイプが「支配型」と「尊敬型」と2種類あります。
(クルト・レヴィンの実験だ!と思わず、声を出してしまいました)

レヴィンは、支配型を専制的リーダー、尊敬型を民主的リーダーと呼んでいました。
実験の中、専制的リーダーの下では、グループのメンバー間では、互いに無駄な話はせず、作業も言われたことを黙々とこなしているが、メンバーはバラバラになっている。
民主的リーダーの下では、メンバーはお互いに信頼し、協力しあって作業を行う。そして、キラキラした目で、成果もあがっている。

さて、話を戻しますと…💦

イノベーションと多様性の関係は、
それまで関連なかった異分野(ここが多様でないと異分野にならない)のアイデアを融合することができる。
異分野は、従来の慣習への疑問があることが必須で、その疑問は、従来の枠の中にいると見つけられない(見つけにくい)ものであると言われています。
そこで、出てきた疑問を受け止め、新しいアイデアを組み合わせるとイノベーションが生まれると言います。

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従来の枠組みの中にいる当事者でも、一旦、第3者として枠の外に自分を置いて見ることが大事。とありました。

自分にこの、幽体離脱のようなことができるか?
訓練が必要な気がします。

今まで、多様性というと市民社会の中の多様性、さまざまな言語・文化を持った人が対等に暮らしていく。
暮らしやすい地域社会をつくっていくためには、さまざまな視点が必要で、そのためにも、さまざまな人・文化を大切にしていこう!
というような認識でした。

この本を読んで、一口に多様性といっても、ゆるい条件のようなものがあり、そのためにはスキルも必要になるということが理解できたような気がします。
そして、多様性は集合知を生み出し、イノベーションが起っていくということも分かりました。

今度は、それをどう、実現させるのか?が課題です。
イノベーションが起きて社会が変化していくためにも、ファシリテーションの力を借りることが必要だと思いました。

ますます、これからもファシリテーションが大切なスキルになっていくということを思いました。

地域社会でのイノベーション。これが多発していくと、どんな社会になるか、とっても楽しみになってきました。
多様性が生み出す、集合知やイノベーションは、まちづくりでいうところの「よそ者、若者、ばか者」なのでは?と思い至ったのでした。


 

 


 
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