ソーシャル・アクティ まちづくり&組織の活性化・ファシリテーション

社会が、一人ひとりが、生き生きと生活できる社会の実現をめざしています。

トップ

学会報告してきました

2022-10-23 | ブログ

先日、3年ぶりにリアルで開かれた「日本地方自治研究学会」で報告しました。
実は、この学会の研究助成をいただいて2020~2021年にヒアリングとシンポジウムを行ったのでした。

外国にルーツのある子どもの学びについてヒアリングしました。
その成果と提案を報告しました。
(学会で報告と論文の提出がmustなのです。あと、論文を書かないとっ💦)

ヒアリングしたのは、美濃加茂市の定時制高校、豊田市の公立中学校、知立市の公立小学校(ここは、コロナ禍の始まりの時期でもあったので書面となりました)

スタディピア】保見中学校|ホームメイト(保見中学校ホームページより)

もともとのきっかけは

以前、美濃加茂市で「とびだせ市長室」の1年のまとめワークショップのファシリテーターを務めさせていただいたことがあります。
とびだせ市長室は、市民が市長を呼んで意見交換会をするというものでした。
この「まとめWS」イベントは、その年に呼んでくれた人たちを招いて、その後の報告や対話をするというものでした。

そのときに、定時制高校の生徒が来てくれました。
参加してくれた高校生は全員が、外国にルーツのある子どもたちでした。
そして、ほとんどの子どもが、昼間はバイトをして、そのお金を自分の学費にしたり、家に入れたり…
本当に素直でいい子たちでした。

この子たちは、日本でどんな生活を送っていくのか?楽しい人生だったと思ってくれるのだろうか?と思ったことがありました。
とびだせ市長室ワークショップ開催! | 楽天×岐阜県美濃加茂市 - 楽天ブログ(美濃加茂市ホームページより)

もう一つのきっかけは

美濃加茂市の隣にある可児市の外国にルーツのある子どもたちのプレスクールに、数年前におじゃましたことでした。
私立で、このときは、フィリピン人が園長先生となって、とっても献身的に園を運営していらっしゃいました。
お話を伺うと、朝早くから夜遅くまで、ご夫婦で子どもたちのために文字通り東奔西走していらっしゃったのです。

日本の小学校に入ってからのことを視野に入れ、日本の慣習、学校生活で困らないようにと子どもたちに習慣づけるように努力していらっしゃいました。
「〇〇してね」というだけでも、その子の国の言葉とその後に日本語で言うという… コミュニケーションの面でもたいへん!
でも、子どもの苦労が減るように!と配慮して保育していらっしゃいました。
そのときは、確か…7か国語が飛び交っていました。(今のは、何語???と、訳が分からなくなってきました)

言語教育って大事

ヒアリングをしたところ、日常会話の言語と学習言語は異なるということを知りました。
日常会話を日本語でできても、学習時に頭の中で使っているのは、母国語(それも、何%なのかは人によって違うとのこと)という場合は多いのだとか。
その対応として、文部科学省もろいろと検討・実施していることも知りました。
(教育が専門ではないので、基礎的なことも含めて)あまりの情報の多さにたじたじしながら、ヒアリング後の文献調査でも迷子になっておりました。

文科省が提唱しているのはDLA(dialog language assessment)で、学習言語での母国語と日本語の割合を一人ひとり対話も入れて評価し、
その子に合わせて学習のプログラムを検討、実施する。
という、きめ細かい対応を必要とする施策があり、それを実行している学校もあることを知りました。
ただ、実現には人・スキル・時間などが必要で、なかなか実行できないということも分かってきました。

外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA(文部科学省ホームページより)
DLAについては、https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003/1345413.htm をご覧ください。

そして、「あ、そうだ!」と気づいたことは、いわゆる帰国子女も日本語が学習言語とは限らないということでした。
小学校あたりまで外国の学校に通っていたとすると、学習言語は日本語でない可能性が高い…

DLAは日本人にも必要なのだということが分りました。

日本に来ることを選んでもらう

話は飛びますが…

「労働力を呼んだのに、やってきたのは人間だった」
これは、スイスのマックス・フリッシュが1965年に警告した言葉です。
移民の多いヨーロッパ、外国人労働者を受け入れる先進事例とも言えますよね。
労働力というのは人間に帰属している。外国人の労働力を受け入れるということは、生活の面も配慮するということ。でした。

となると、「人間だもの」生活面での配慮も必要になってきます。
安心して生活できる、子どもを育てることができる。というのは大切な条件になってきます。

お給料が安い、円安が止まらないという日本の現状では、外国人がわざわざ暮らしにくい日本で働く意味がないのでは?と思います。
どうせ生まれ育った国を出て働くなら、お給料が良くて待遇も良く、生活しやすい国に行こう!と思うのは当然。

アメリカでも移民が経済・人口を支えているという側面があります。
少子高齢化が進んでいる日本では、もっと頼ることになりそうです。

となると、日本を選んでもらうためにも!
子どもたちの教育をさせていくことは重要なのだなぁと思ったのでした。

飛行機フリー素材のイラスト・画像集めてみた!

まちづくりの場面でも!

生活する場という意味では、地域社会のあり方も大切になってきます。
排除するのではなく、多文化共生の社会を目指していくことになるのでしょう。
地域コミュニティのほうが一足早く変わっていっているような気がします。
ここは、今後、さらに考えていきたいと思っています。

ご高覧、ありがとうございました。

 

 


 
更新情報
月別アーカイブ

株式会社ソーシャル・アクティ
〒444-0838 愛知県岡崎市羽根西2-5-16 TEL:0564-53-0370