2022-04-03 | ニュースレター
先日、地方自治研究学会の研究部会が主催して「ひとをつないでまちづくり」というシンポジウムを開催しました。
コロナ禍ですので、対面で参加する人は少人数に絞らせていただき、その代わりに内容の濃いものになるよう、企画しました。
コロナ禍でリモートで働く人たちが増え、通勤等に使っていた時間が空きます。その方たちが家の周りを散歩すると地域のことに目が行き、まちづくりに参加する機会が増えた。
子どもは将来の(現在も)まちづくりの担い手。勉強や部活で忙しい中、どうやって地域に目を、向けてもらうか?
起業したい人が増えている、この人たちがまちに興味をもってくれるように…
その人達を支える行政職員もつながろう!
新しい、まちづくりの登場人物が増えていく!ことを期待しつつ…
対話で構成するシンポジウムとしました。
ニュースレター第127号「対話するシンポジウムを開催しました」御覧くださいませ。
2022-03-22 | ブログ
愛知県岡崎市のJR岡崎駅の自由通路で、月に3日間、駅ナカ横丁(テイクアウトまるしぇという名前でスタートしました)が開催されています。
コロナ禍になって、飲食店の営業が縮小され、飲食店そのものも町も、活気がなくなっていく…
これは、どこの駅前でも見受けられる現象でしたよね。
こんな状況の中で、立ち上がった協働の事例!をご紹介したいと思います。
JR岡崎駅周辺の経緯
駅西の区画整理が完了し(清算も完了!)駅東も終了が近くなっています。
今回ご紹介したいのは、駅東の賑わいをつくろうという「であいの駅岡崎(http://deainoeki-okazaki.jp/)」と駅前発展会(https://okazakiekimae.jimdofree.com/)、市役所の活動です。
弊社は、駅東の町内会のみなさんとご一緒に「花のまちづくり」の活動を始めたのが、2007年の合同庁舎の花上のボランティアからでした。
町内に皇帝ダリアを植えて「皇帝ダリアの咲くまち」を演出したり
町内を花でいっぱいにする活動をしたり
ポケットパークのデザインをみんなで決めたり…
今では、地元のみなさんがポケットパークの管理をしていらっしゃいます。
(ポケットパークの造成中にイベントを行いました。https://www.city.okazaki.lg.jp/300/306/p017458.html より)
いろいろと関わらせていただいてきました。
そのみなさんが、素敵にご活躍していらっしゃって、もう、尊敬!です。
岡崎駅東、住民や商店街のパワーがあるのですね!
始まりは…
今回は、であいの駅岡崎と駅前発展会の役員を兼ねている方がキーパーソン!
市役所の担当に会うたびに、自由通路を使いたいと伝えていたとのことです。
この自由通路は、もともと「道路」なので、道路を使用したいときは、使用許可や占有許可が必要になります。
道路に関する許可をとりたい!と思うと、なかなか「うん」と快く言ってもらえないのかツネですよね。
ところが、市役所の方も駅前の賑わいを創出したいという想いもあり、
コロナ禍で地元の飲食店が苦戦している…
そんなときに、市の商工労政課や観光協会も協力し、市の方も管理部署が変わり管理の形が変わりました。(変えてくださった?)
ついに、自由通路を使えることになりました!
2020年3月から毎月3日間、16:00~20:00の間(緊急事態宣言下でも、飲食店は20:00まででしたので)地元の商店に声をかけて「テイクアウト まるしぇ」を始めたのでした。
今は「駅ナカ横丁」という名前に改名しました。
始めは4店舗くらいが出店していたような記憶ですが、2022年3月では10店舗が出店。
他の団体も別の日に類似の企画を展開することになったのです。
今では、水~金の夕方は自由通路で何かの販売が行われているという状態になったのです。
お客さんもついてきて、乗降客でなくてもお弁当を予約して取りにきてくれたり、まるしぇの場で顔馴染みになって別の日に本店に来てくれたり…
新しいつながりもできてきているそうです。
閑散とした駅の自由通路でした。出かけて、駅まで帰ってきても「し~ん」としていた駅でした。
他の駅では。テイクアウトの店が出店していたり、駅ビルがあって買い物をして帰ることができたり、と、
駅そのものの賑わいがあるのですが、なかなか見られなかった…(寂しかったです)
改札を出て、人がワイワイと賑わっていると、なんとなく温かさを感じ、寒さも緩和されるような気がします。
帰ってきたなぁと感じます。
(改札を出るとこんな風景が。この日は市がアンケートも行い、10店舗が出店。)
「人の気配」「賑わい」は、こんな温かい気持ちにさせてくれるんだということを体感できています。
コトを始めるのはとてもパワーの必要なことだとお察しします。
(もちろん、続けていくにもパワーが必要ですね!)
始めてくださったことに感謝です。
他の駅前にも、この温かさが広がっていくことを祈りつつ。
ついつい買ってしまい、食べすぎるというスパイラルは止めて、食べる量を考えなくては!と思うのでした。
2022-03-13 | ブログ
名古屋市に地域の国際化を進めることを目的とした「名古屋国際センター」があります。
(https://www.nic-nagoya.or.jp/japanese/aboutnic/)
こちらのセミナーにオンラインでしたが、参加しました。
タイトルは「エンパシー(共感)が人をつなぐ」です。
エンパシーと言えば…『他者の靴を履く』ブレイディみかこ著でキーワードとなっている「共感」。
これからの時代を生きていくのに、必要なスキルなのでは?と思っていました。
そこに、ぴったりな企画!
参加するしかない!です。
このセミナーは、
ニッポン複雑紀行(https://www.refugee.or.jp/fukuzatsu/)という雑誌の編集長、望月優大さん
と
芸術文化観光専門職大学の助教、飛田勘文さん(https://www.at-hyogo.jp/teacher/staff/000112.html)
の対談とワークショップでした。
対談
お二人の対談は、とっても自然で90分があっと言う間でした。
望月さんは、2月にJICA主催のセミナーにもご登壇。技能実習生の話をしてくださいました。
今回は、エンパシーについて。ウチとソトと言われているが、ウチはきっと自分1人。ウチの人以外は全部ソトの人。
という言葉が印象に残りました。
確かに、自分以外の人のことって分かりません。分かっているつもりでいるんだなぁと思うことってたくさんありますよね。
でも、本当は、自分のことさえ分からないですよね。
「ジョハリの窓」にだって、自分の知らない自分という領域があるくらい。
(https://potect-a.com/utilization/johari_window/ より)
飛田さんは、多文化共生の中で芸術によってコミュニティをつくっていくことをご研究されていらして、演劇についてのご研究が深いのだとか。
芸術文化観光専門職大学は、演出家の平田オリザさんが学長を務めていらっしゃる大学。
飛田さんのお話を伺っていると、その関係性に納得でした。
*余談で失礼しますが、
平田オリザさん、コロナ禍の2020年6月にFAJにお招きして、定例会をしていただいたなぁ…
ご著書は何冊か拝読していましたので、あの時、勇気を出してお願いして良かったと思っています。
さて、話を戻して…(戻ったのかしら?)
飛田さんの「演劇によってルールを変える予行演習をするんだ」「社会のルールチェンジは可能だ」という考え方は、
アウグスト・ボアールという人物を思い出しました。
(https://globaldrama.org/worlddrama/ より)
『被抑圧者の演劇』という著書があり、演劇で社会問題を当事者に自覚させ、解決方法を演劇で探っていくという手法を生み出した人です。
社会開発の分野では、有効な手法として活用されているとか…
ちなみに、『被抑圧者の教育学』で識字教育で社会を変えていこうとしたパウロ・フレイレと友人だったのです。
同じ考えを異なる手法で達成していこうという同士がいたというのは、心強いことだっただろうなぁと思います。
(wikiペディアより)
エンパシーを体感するワークショップ
このワークショップの前に、外国籍の女性が登壇し、日本でのご経験を語ってくださいました。
ワークショップでは、この方のお話の一場面を切り取って、寸劇にします。
単身で日本に来て、辛いことがたくさんあったのだろうなぁと想像するのですが、前向きに生きて来られた方でした。
今では、ボランティア活動から発展してNPO登録するまでに!
「みんなが幸せでほしいから」という言葉と実行する力が素敵でした。
オンラインでは、演劇ワークショップを見ているだけでしたが、時間の許す限り参加しました。
ファシリテーションでいう「観察」に徹していると、本当にいろいろなことが見えてきます。
アイスブレイクからだんだんチームができていく過程
ファシリテーター(飛田さん)のファシリテートとプログラム構成
参加者のみなさんのコミュニケーション力
ファシリテーターとしても、とっても学びになりました。
そして、演劇の力を感じたのでした。
以前、NGOのたまごセミナーを受講したことがあります。
そのときに、「寸劇をつくって演じる。他のチームが演じるのを見る。」というワークをしました。
新聞から一つテーマを取り上げて、ストーリーをつくり、演じるというものでした。
自分たちが演じるよりも、演じているのを目の前で見る!(至近距離で観る!)というのは、たいへんな迫力がありました。
(鳥肌がたってしまったことを覚えています。何十年経っても覚えています。)
演劇(インプロと呼んでもいいかと…)を活用してみたいなぁと思いました。
インプロ。
社会開発のファシリテーターが活用するように、まちづくりのファシリテーターにも必要なスキル(?)なのかもしれません。
2022-03-05 | ニュースレター
先日、子どもの送迎サービスの事業化を目指して、さまざまなステークホルダーの方々に集まっていただき、ワークそっぷを開催しました。
ワークショップはリアルの対面とオンラインのハイブリッドで行いました。
集まってくださったみなさまは、ご自分の知見を惜しみなく出してくださいました。
お陰で、いろいろな視点から考えることができました。
現在、報告書を作成中です。この報告書を見ながら、次のステップに進んでいきたいと考えています。
ご参加してくださったみなさまのアツイお話。感謝しかありません。
みなさまの子どもたち、子育て世代の方たちのために!というお気持ちが伝わってきました。
ステークホルダーが集まるというのは、優しい気持ちが集まるということなのだと感じました。
ニュースレター第126号「ステークホルダーが集まるWS」御覧くださいませ。
2022-02-24 | ブログ
日本ファシリテーション協会、中部支部で活動をしております。
このNPOに入って、もう19年目…
中部支部の立ち上げから参加していますが、あっという間でした。
時が経つのは早いものです。
FAJは、各支部で毎月、定例会をして、ファシリテーションのスキルを仲間とともに学んでいます。
今回ご紹介したいのは、1月2月の合同企画(全4回)の中の一つです。
この企画は、いろいろな分野で、ファシリテーションと謳わないけれど、
社会課題の解決に取組んでいる方を4人お招きして、インスピレーショントークをしていただいています。
先日、NPO法人「おてらおやつクラブ」の理事をしていらっしゃるお坊さん(お若いのでびっくり!)をゲストに呼びし、お話をしていただきました。https://otera-oyatsu.club/
心がとっても寛い、おだやかな方だなぁと思いました。
その方が、おてらおやつクラブのご紹介をしてくださったのですが…
改めて、「お寺」とはどんな存在なのか?と考えることができました。
おてらおやつクラブとは?
おてらおやつクラブは、お寺でのおさがりが(お盆やお彼岸など)時期が集中しておすそ分けしても余ってしまっていた…
一方でお菓子を食べられない子がいる…
これをマッチングさせるという仕組みです。
マッチングは、配食支援をしている団体へ送ります。その団体から必要とされる人たちへ送られるというものでした。
ただ、近頃はお寺に直接依頼があることもあり、どうしようかと悩んだ結果、直接送ることもあるのだとか。
そもそも、おてらおやつクラブの趣旨は何か?直接送ることが、その趣旨にあっているのか?と悩まれたとのこと。
NPOであるということは、ミッションがあり、そのミッション達成のために活動する団体です!というのを表明しているということなので、その行為はミッション達成のためになるのか?ということなのでしょう。
定例会では
お礼の手紙やコメントなどをご紹介いただきました。
心に残るコメントは…
・お寺さんからの支援だと思うと、仏様に守られているような気がして、安心できる。
・私は存在していていいんだと思った。
でした。
お寺は昔は、村の中心であり、いつでも住職さんがいてお話をしてくれる。
村の人たちの心のよりどころ。のような場でした。
それが、いつの間にか離れていって…(都市化の影響なのか?コミュニティの希薄化の現れなのか?…)
ここは、探ってみたいところです。
お寺さんと聞くとなんとなく気持ちが和らぎ、ほっとします。
今でも、心のよりどころになっている部分もあるのですよね?
コメントの「仏様に守られている」というのは、この部分なのかなぁと思いました。
冷たいと(感じている)中にいても、優しく接する人がいてくれると、涙が出そうになりますもんね。
もう一つのコメント「存在していていいんだ」は、そこまで追い詰められているんだと思い、こちらの胸が締めつけられました。
自分は何のために生きているんだろう?私はこの世に不要なのでは?
と思ってしまうくらいだったのですよね。
食べること、甘いものをいただくことは、人に心を取り戻してくれるのだなぁと思いました。
(忙しすぎると、本当に、人としての心をなくしてしまいますもんね)
ブレイクアウトルームでは、女性3人でしたので、うるうると涙声になりつつ…感想を共有しました。
その中に、定時制高校の事務をしている方がいらして、こんなお話をいただきました。
外国にルーツのある生徒で親は母国へ帰国したが、子どもだけで日本に残って働きながら定時制高校に通っている生徒がいる(それも、複数人)とのことでした。
高校生の年齢で、自分で働いて学校へ…
・・・
生活は、いかばかり
「そんな子に『修学旅行の積み立て分を払ってね』というのがつらいけど、言わないといけない」というお話を聴いて、
何かできることはないのでしょうか?考えたいね!となりました。
日本の貧困は相対的。目に見えづらいといわれています。
コロナで外にでなくなったとはいえ、本当に(私には)見えていない現状を見せていただいた気がします。
ファシリテーターとして!というよりも、同じ社会に生きている人として、何かできることはあるだろうか?と考えなくては!という気持ちになりました。
ファシリテーターの何かがお役に立つことがあれば!ファシリテーターの活動範囲を広げていきたいと思いました。