2023-01-15 | ブログ
建築家、安藤忠雄さんがご自分で造って、その自治体に寄付するという「こども本の森」。
大阪市、遠野市、神戸市の3都市にあるそうです。
そのうちの一つ、神戸に行ってきました。https://kodomohonnomori-kobe.jp/
絵本が平面でディスプレイされていて、下から天井までずらっとあるのは、壮観です。
本の仕訳もプロポーザルで15に分けられています。
1 しぜんの森
2 いきものの森
3 かんがえる森
4 いのちの森
5 こうべの森
6 おはなしの森
7 あかちゃんの森
8 げいじゅつの森
9 うみのの森
10 よのなかの森
11 むかし~いま~みらいの森
12 あそびの森
13 くらしの森
14 たべものの森
15 こそだての森
タイトルを見ただけでわくわくしてきます。
本を分類すると、このジャンルとあのジャンルにまたがっているよね。ということは、たくさんあります。
なので、ここでは、同じ本があちらにもこちらにも展示されていました。
日本語版と英語版も、あちらとこちらに!
英語版の表紙を見て、「これは、見たことがある絵本なんだけど、タイトルってなんだっけ?」と歩いていると、
同じ表紙の日本語版がみつかり…
「ああ!そうそう、このタイトルだった!」と記憶が蘇ってくるのでした。
いように、1.17に向けてのイベント展示がありました。
ここの本は、展示は13000冊くらいとか。
こども本の森(神戸市)で購入した本ももちろん!ですが、ご寄付だいたものも多数。
重なってしまったものは、複数展示したり閉架にしたりと、うれしい悲鳴だそうです。
もちろん、今でもご寄付があるそうです。
(バックヤードを拝見したら、ビニールで包装してある本が数冊。これは、「ぜひ、子どもたちに読んでほしい」と購入してご寄付されたのだとか)
気持ちの尊い方々の想いで成り立っているのだなぁと思わずにいられない場所でした。
その想いを受け止めて、運営していくことは重圧でもありそうです。
本の展示の仕方一つにも、震災を経験した神戸ならではの工夫があったり、こだわりがあったりしました。
図書館関係の方もご一緒だったので、展示の工夫も教えていただきました。
(平面の横に、縦置きで近い分野の本が置いてあり、何気なく手に取れるようになっているのは、こどもの世界を広げる工夫なのだとか)
未来を担っていくこどもに残していきたい本、想い。
大人たちの気持ちが伝わってくる空間でした。
おしゃれ!
本の森の前にある花時計(以前は噴水)の機械系があった建物だとか)
もちろん、本そのものも、とっても興味深いものが多くて…
次回は、じっくりと本と向かい合う気持ちで行きたい!と思いました。
そして、今、本を好きになるイベントを企画中です。
そのイベントで、参加したこどもがもっと本を好きになって、広げていってくれるといいなぁ
本って楽しい、面白い!を引き出すこともファシリテーションかも!
2022-12-23 | ブログ
12月から月に2回、小学校1~3年生を対象に「こども哲学カフェ」をさせていただいています。
小学校低学年で、哲学できるのかな?どんな話になっているのかな?
と思いますよね。
これをはじめたのは、大人の「哲学カフェ」に参加して、とっても楽しかったことがきっかけです。
こんなこと、正直に言ってもいいの?と思うことを発言したときに、面白がって対話してくださった哲学研究者。
その方が話を受け入れて、哲学的に解説してくださるのが居心地よかったのです。
そんな、温かく、お勉強ごころも刺激され(でも、自分で進んで参加してます)、楽しい時間。
そして、学ぶこと、考えることは楽しいね!ということを
子どもたちに知ってほしいと思ったのです。
普段、語らないことをこどもに語ってほしい!
いろんなことを語り合おう!と思い、企画して、今年の春、夏に数回開催しました。
春に行った「こども哲学カフェ」では、
・どうして女のクセにって?
・暴力はイヤ!
・虹って何色?
などなど、こどもならでは!の視点で対話のテーマを出してくれました。
この中で、暴力(自分⇔他人、言葉⇔力)という話をしたところ、小学校3年生の子が夏休みの研究テーマにしてくれたそうです。
お母さまのコメントでは、「今まで、暴力の話なんて、しちゃあいけないんだと思っていたみたい。でも、哲学カフェで取り上げてくれたから、『ああ、これって、しゃべってもいいんだ』と思ったみたい。」とのことでした。
自由研究、見せて~とその小学生にお願いしたのですが…
笑ってごまかされてしまっております。
とっても、うれしい、ありがたい情報でした。
こども哲学カフェの進め方
1.「今、気になっていることは、どんなこと?」
「不思議だなぁって思うこと、どんなこと?」を聴きます。
2.この中で、話してみたいことはどれ?とみんなで決めます。
3.テーマについて、みんなに、「これって、どういうこと?」「どんなことを思う?」などを聴いていきます。
4.そして、発展させていく。
このとき、ファシリテータ―としては(笑)プロッキーとA3の紙で、グラフィックしていきます。
この発展の仕方がとても興味深いのです。
こどもと一緒に楽しんでいます。(同じ目線です💦)
哲学カフェ、というよりも…
先日は、「えら呼吸」について語ることになりました。
哲学じゃなくて、サイエンス?バイオ?と頭を傾げつつ…
大人もワクワク!知らなかったことをみんなで考えるのは楽しいです。
えら呼吸といえば魚だよね。(ほんと?)
→水を飲みこんで、えらで酸素を取り込んで、えらにある動脈へ酸素をとりこみます。そして、静脈で二酸化炭素が運ばれてきて、えらで外へ放出!
という循環があったのです。
えら呼吸の仕組みをこどもたちと調べました。
その後、タコはえら呼吸?
タコのえらってどこにあるの?
どうやって水を飲みこんで、出すの?
大人でも知らなかったことが次々と出てきます。
皮膚呼吸って言ってたけど、皮膚呼吸する動物ってどんなものがあるの?・・・
対話はどんどん展開していきます。
こどもは、とても速い、この展開が楽しいようです。
(もちろん、大人も!あれ?大人のほうが楽しいかも)
そして、こどもは、とっても記憶力が良いです。
2週間前のことをしっかりと覚えています。
吸収力に感動します。
こんな内容で、「哲学カフェ」と呼んでいいのか?
という疑問もありましたが、
(そこは、もう、割り切って!)これでいい、と思うようになりました。
普段、話せないことを口にして、みんなで調べて共有する。
この流れがこどもには、刺激的なのだということが分りました。
楽しんでしゃべりしてくれる子どもがいる限り(リクエストがある限り)続けていきたいなぁと思います。
対話の場は、ファシリテータ―にお任せ💛
話し合いの場を促進するのがファシリテーター!
こども哲学カフェも、もちろん対話の場。
ファシリテーション・グラフィック(FG)とファシリテーション・スキルで
こどもたちの探究心をフォローしていきたいです。
特にFGは、こどもたちにウケます。
ふだん、あまり見ないA3の紙。「大きい!」と喜んでくれます。
そして、色鮮やかな10色のプロッキー「早く絵をかきたい!」と描いてくれます。
もちろん、私がメモするのが優先(笑)
こどもにとって、魅力的なこの(たった)2つのツールが、威力を発揮しています。
自分が言ったことが、書かれていく。
それをもとに、みんなで調べたり、対話したりというプロセスを楽しんでくれているようです。
ファシリテータ―冥利につきます。
こどもたちに感謝です。
2022-12-14 | ブログ
霊長類研究をしていらっしゃる、山極寿一先生の動画を拝見しました。
NHKラーニング(https://www2.nhk.or.jp/learning/academia/video/?das_id=D0024300107_00000)で、オンデマンドで
なんと、無料で講義を聞けます。
タイトルは「ゴリラから見た人間の本質」
内容は、ゴリラ社会にある民主主義のお話から、人間社会の戦争が起こる原因まで。
ゴリラとの対比で人間の本質が浮き彫りになるという、興味深いお話でした。
一番、刺激的だったのが、このブログのタイトル「共感を暴走させたのは言葉だった」でした。
言葉によらなくても「共感」できる!
戦争の原因は言葉の暴走ともおっしゃっています。
ということは…
戦争を起こしたのは、言葉!
言葉を大切にするファシリテーターとしては、大衝撃でした。
それは、どういうことか?簡単にお伝えすると…
言葉と共感
言葉を獲得した人類。
言葉は「意味(情報)」を伝えるもので、時間・空間を超えることができる。
さらに、因果関係や物語をつくることができる。
負の側面は、意味を付け加えることができる。想像で言葉をつくることができる。
事実を超えた「虚構」ができてしまう。
共感は、見える関係の中で成立していた。ゴリラの社会でも共感はある!
共感を基にして共同体ができていたが、顔が見える関係は減ってきた。
特に今日では、インターネットが発達し、言葉の力が強くなってきている。
言葉による情報が発達し、対面(身体的コミュニケーション)の情報が減っている。
社会がおかしくなってきている。
この状態の中では、「言葉はソフトな武器である」
相手の顔が見えない→不安が増大→うらみが募る→暴力を引き起こす→戦争へ
となってしまう。
ファシリテーションは言葉を駆使する
ファシリテータ―には「言葉」が大切で、「言葉(言語化)」にして記録していくということもミッションの中にあります。
そして、言葉を理解して話し合いのプロセスに介入します。
もちろん、内容にも介入することもあります。
具体的には、
ファシリテーション・グラフィックでは、口から出た言葉を文字化します。
話し合いのプロセス(とっても抽象的!)を言葉で説明します。
話し合いの中では、今の話し合いは本題から逸れていないか?を考えています。
そして、参加者間で誤解がないだろうか?ちゃんと伝わっているだろうか?と考えています。
意見を引き出すいうのも、想いを言葉にしてoutputしてもらうことです。
などなど常に言葉を中心にして参加者といます。
ファシリテーターとして、言葉にする、意見を引き出すというよりも…
「共感」を引き出せていただろうか?
合意は共感から始まるような気がします。
今後のキーワードは「共感」なのかもしれません。
ここで、講義にもどって…暴力と戦争をのようにして防ぐのか?
山極先生は、「身体的コミュニケーションを増やして信頼関係をつくること、身体の共鳴」とおっしゃっていました。
そして、新たな社会、共同体をつくる、そして、自由な時間をたくさん作って助け合おう!とも。
そのためには「遊動」すること。
平等に共感力を高める。そのためには、人間が日々動いて、自由に集まってコミュニケーションをとること。
だとおっしゃっていました。
そして、私たちが未来をつくるキーワードは「共有」と「共有財」で、
これらを拡大していくと「共助の社会」になっていくということでした。
ここまでくると、地域社会の大切さを認識できたような気がして、
コミュニティをつくる、活性化するというのは、未来をつくっていくことにつながっている!
と、つながってきました。
まだまだ、考察は足りないのですが、
心にひっかかりを持って、考え、実践していきたいと思いました。
2022-11-25 | ブログ
東京、目黒にある雅叙園。
(https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event)
名前だけは聞いていたのですが…
今回、ご縁があり、行ってまいりました。
今回は、時間の都合で「百段階段」だけを見学しました。
この百段階段は、東京都の有形文化財になっています。
今の目黒に移転したのが、昭和6年。料亭として目黒に建てられたそうです。
映画の舞台に!
百段階段は、映画「ぼくは線を描く」の舞台となっているそうで、平日でしたが見学の方が意外に多く驚きました。
その映画にちなんで、企画展示は水墨画でした。
映画の主人公が師事する の絵も展示されていました。なんと、墨の香りの香水も漂っていました。(墨の香り…こんな香水があるなんて!)
残念ながら、この映画を見ていなかったのですが、
きっと、見ていればより楽しめたような展示もありました。
主人公が描いたという椿もありました。
百段階段!
百段階段は99段の階段がまっすぐに延びていて、途中、途中で階段の横に7つお部屋がありました。
そのお部屋一つ一つが凝っていて…
贅沢な趣向が凝らされていました。
2時間ほどでしたが、日本の伝統文化を堪能しました。
畳に座って、ゆっくりできたら、至福の時間だろうなぁ。
ちょっとだけ、ご紹介しますね。
まっすぐに99段!ここを登っていく途中にお部屋があります。
これが、映画の主人公が師事したという方(お名前が…)の絵です。
レリーフになっている床柱。初めて見ました。そこに着色してあって…迫力がありました。
映画の主人公が描いたという椿。赤がとっても効いてしました。
かぼちゃの日本画、初めてでした。さすが料亭!かぼちゃのお料理をこのお部屋でいただいたのかも。
あっという間に時間が過ぎてしまいました。
建物のディテールだけでも、充分楽しめましたが、各お部屋の日本画もとっても楽しいものでした。
とっても画材にお金がそうな絵もありました(笑)
一日いても飽きない場所でした。
本館も素敵なようなので、ぜひ!次の機会あったらランチつきで!
できれば、宿泊・・・
と、妄想しながら急な坂を上って駅に向かったのでした。
2022-11-12 | ブログ
このところ、来年度のイベントに向けて、オンラインでミーティングをしています。
そのミーティングの際に改めて、ファシリテーション グラフィックは大事!と感じました。
そのイベントは、FAJ(日本ファシリテーション協会)が毎年行う総会の前に行うものです。
FAJは、全国的なNPOなので、総会で定数の人が集まるのは、なかなか難しい(定款で1/2以上の出席、または委任状となっています)のです。
そこで、総会に集まってくれるように年に1回、総会に絡めて全国的なイベントを開催します。
そのイベントの準備を始めました。
ミーティングでは、もちろん!ファシリテーション グラフィック(略してFG:板書)をします。
(ファシリテーション協会ですもんね)
リアルのときは、模造紙やホワイトボードを使って、オンラインになってからは、Googleのスプレッドシートを使っています。
FGの効果
先日のミーティングで、FGを担当しました。
画面共有してもらい、みんなでFGを見ながら、そこに書かれる内容を確認しながら進めることができました。
効果その1
FGの効果の一つは、なんといってもFGする人(グラフィッカーと呼んでいます)がいると・話し合いの内容が逸れたとき、それが分るということです。
特にグラフィッカーは、それが一番わかります。
FGは、みんなの意見を書いていくのですが、この意見や質問に対する答えはここに書こう!と思いながら書いていきます。
そのイメージが埋まっていかないと、
・ まだ結論は出ていないな
・ あれ、また、違う話題が出てきたぞ
・ 何が決まったことなの?
という、ミーティングのプロセスが見えてきます。
話し合いのプロセスが見えると、プロセスの修正や決定事項をfixするというのもできます。
そして、活発に意見が出て、決まったことが確実になり、共有されていくことになります。
効果その2
それが、うまくいくと、FGしている人もファシリテーターも、なにより参加者の納得度があがります。
参加者からは、自分の意見が通らなくても、意見を言い、受け止められた!という実感(記録に残ります)
ファシリテータ―では、話し合いの進捗が把握でき、参加者も共有しているという手応え
FGは自分が書いているものが役に立っている、ちゃんとまとめられていくという実感
そして、みんなの納得感が伝わってきます。
FGのコツ
改めて、FGのコツを共有しますね。
①発言をコンパクトに要約する(体言止めは避ける)
②ポイントを強調する(アンダーラインや囲み、色付けなど)
③ポイント同士の関係を示す(矢印を活用する)
④図解ツールを使って構造化する
(『多様な市民とつくる合意』より)
(アマゾンより)
聴きながら書くというのが苦手!という方もいらっしゃるかと思います。それは、よく聞きます。
たぶん、慣れていないだけという方も少なくないと感じてします。
練習しなくてもできてしまうという幸運な方も、もちろんいらっしゃいます。
FGはスキルなので、練習すればできるようになります。
慣れていない方は、ぜひ、楽しんでスキルを獲得してください。
できるよ~という方は。楽しんでスキルアップしてくださると、とってもうれしいです。
FGするのが、あまりにも久しぶりだと…
カンが鈍ってしまうようながします。「あれ?もう少し、うまく書けたはずなのに…」と。
実は、先日の会でも…
常に、書くようにしていよう!と改めて思いました。
基本は、大事!なんですね~
今度、FGの勉強会しようかな?