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『Learn Better』深い学びを得るには?

2019-01-13 | ブログ

今まで、「勉強する」方法を教えてもらったことって、ありますか?

「勉強の内容」について、「これは、こういういことですね。」というのは、学校でやってきました。

でも、どうすればその内容を学んだということになるか、そもそも学ぶってどういうこと?については教えてもらったことがありませんでした。(よね?)

(amazonより)

このアーリック・ボーザー著の『learn Better』は、学習困難を抱えていた著者が、学ぶとはどういうことなのか?について研究したものです。

深い学びってなんだろう?どんなことをいうのだろう?学ぶ方法ってあるの?

など、本を読むまで(読んでからも)期待がありました。

 

内容は

ざっというと以下のステップで「考える」ことをしていくのだそうです。

「学習とは、理解のプロセス、メソッド、体系」とのことという前提で、「学習の方法が判れば習得の度合いと効果は大きく上がる」とか。(もっと早く知っていれば…)

1.価値を見出す

  ・スキルを獲得するためにも、モチベーションの有無は大きい。それが原動力となる。

  ・専門知識に自分とのつながりができると、その「意味」を理解し始める。

 その「意味」は自分で発見するもので、その専門知識は自分にとってどんな意味があるのか?何に役立つのだろか?を勉強を始める前に、「考えてみる」「書き出す」ということをする。

2.目標を決める

  ・何を学習するか、学習するにはどのような計画を立てるべきか、目標を決める

 学習の入り口の段階では、プロセスをしっかり管理する必要がある。学習とは一種の知識の管理である面が強いので、目標設定、計画策定、前提となるスキルの習得、習得したい専門知識の絞り込みを行うということ。

*一番印象に残ったのは、「何も考えずに学習してはいけない」ということでした。

3.能力を伸ばす

  ・フィードバックの段階に入って、体系的にスキルに磨きをかける

 能力を伸ばすには的を絞ったフィードバックが必要で、そのためには専門家(教師)が必要になる。自分でも自分の評価をしなくてはならないが、それには自分のパフォーマンスを記録し、行動パターンを冷静にみることから始まる。「今ある知識を知り、何を変える必要があるかを知ること」も必要になる。 

4.発展させる

  ・知識の発展、専門の領域の拡大(理解を深化させる)

  ・質の向上

 学習をつながりあった何本もの道と考えて、知識のつながりを考える。そのためには「問いかけ」が重要で、その問いかけの答えを考える、説明する。

5.関係づける

  ・あるテーマの裏に隠れたつながりを理解する

  ・システム思考、推論を活用する

 効果的な学習を行うには、原因、類似点、相違点などを探す。専門知識の裏にあある特徴をつかむ一つの方法は、表面的な細部をさまざまに変えた例をいくつも目にすれば、その根底にある体系がはるかに分かりやすくなる。(でも、関係性をつかみにくい場合があることも忘れない)

6.再考する

  ・過信しない(謙虚であること、過去の実績にこだわらない)

  ・注意力が足りないことがある(判断を誤る前に、判断をしないことがある。思い込みやルーチンになっていて習慣となってしまう場合)

 学習の最後に、何を学んだのか、理解しづらかったことは何かなど、ふりかえりをする。また、表現媒体を変える(書く→声に出して読む)と問題が見つかりやすい。

 

となっています。ずいぶんカットしてしまいました…

もう一つ、すぐに忘れてしまうことありますよね。これは短期思考という脳の分野があり、ここはメモリーが極めて少ないのだそうです。(忘れてしまうのは、致し方ない!と心強くなりました)そこに、一番の効果があるのは、学習をした後、数週間してから復習すると長期記憶となり、忘れにくいのだそうです。

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「ふりかえり」大切でした

学習するとはどのようなことをすれば、よいのか?という、学校では教えてくれない勉強の仕方が書いてありました。

その中には、学習には計画を立てる事も必要であるとか、ふりかえりが必要であるということがありました。これは、ファシリテーション(というスキル)を学ぶにあたっても、大切なことなのではないかと思いました。

ファシリテーション協会(FAJ)の定例会などでは特に、「ふりかえり」を大切にしています。何を学んだのか?それはどのようなことだったのか?何に関連しているのか?など、今まで以上に学習を深めるふりかえりの仕方があるのだということに気が付きました。

ふりかえりをする場合でも、専門的なスキルや知識を背景にして、的確な段階に的確な言葉でのふりかえりをすることが、とても大切なのですね。

 

「フィードバック」も大切

なかなか辛口のフィードバックはしにくいし、なかなかもらえません。アイメッセージ(I=自分を主語にして、私はこう感じました。とか私だったらこうしてほしいな。などの表現で感じた事などを本人にプレゼントの気持ちでします)でなくてもいいので、的確なフィードバックがほしいと思いました。

FAJに入った頃、いくつかいただいたフィードバックがあります。本当に貴重で、10年以上経った今でも、覚えています。(それくらい、ドキッとしました)今思えば、言う方も勇気がいったと思います。お陰で、フィードバックされた内容は、今でも気を付けています。

また、新しい仲間と定例会のワークをすると、「あ、そういうところって、言われればあるなぁ」というフィードバックをもらうことがあります。やはり、同じ目的(ファシリテーションを学びたい)という仲間からのフィードバックはありがたいです。

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「自分にとってどんな価値があるのか」を考える

このことについては、目からうろこでした。

自分はもちろんのこと、学生さんたちにもやってほしいなぁと思いました。より授業に対するモチベーションがあがるかも!

セミナーなどは、わざわざ時間を作って、その場所まで行って、お金も払う場合もあり…ということで、積極的に学びたいと思って出向くのですから、モチベーションはもともと高いですよね。

でも、自分自身に「これは何のために学ぶのか?」「自分の専門知識、スキルにどのように役立つのか?」と問いかけて、メモしておくということもあると、課題も確認でき、より深い学びの時間になりそうです。

アイスブレイクの前に、この時間をとるといいのでしょうね!

 

自分の学び、学びの情報提供のし仕方に、すぐに効果のある本でした。

 

 

 

『ワークショップをとらえなおす』ことは、言葉をみなおすこと?

2018-12-28 | ブログ

拙著『多様な市民とつくる合意』と同じ日に出版された『ワークショップをとらえなおす』。

同日にワークショップ、ファシリテーションの書籍が発売になるというのは、偶然なのか?何かの意図でもあったのか?と大変興味を持って読みました。

内容は

「ワークショップ」という言葉が認知され、ファシリテーターだけでなくワークショップデザイナーまで認定されるようになった今、ワークショップへの著者の関心と今まで開発してきたワークショップについてのふりかえりを中心として、ワークショップというものは一体どのような効果が期待され、応えることができるのか?が書かれています。

参考文献には、FAJ(日本ファシリテーション協会)の創設者の堀公俊さん(ファシリテーションに関する著書多数)や、FAJの元理事でフェローの中野民雄さん(初めて『ワークショップ』という名のついた書籍を出版)が挙げられています。所属している団体の方が参考文献に上がっていること自体がうれしく誇らしいです。

中でも一番共感したのが参考文献にパウロ・フレイレ『被抑圧者の教育学』があったことです。20年近く前、NGOの職員を目指す人のファシリテーション講座というのを受講しました。そのときに教えていただいたのがパウロ・フレイレです。この話題、私にとってはたいへん共感し、考え方のベースになっていることなのですが、逸れてしまうので今回はここでストップですね。。。

この参考文献を見ただけで期待が高まりまり、読み進めました。

 

参考文献には挙がっていないのですが、先日読んだケネス・J・ガーゲン、メアリー・ガーゲンによる『現実はいつも対話から生まれる』の社会構成主義の考え方が、入っていました。そこにも、共感を覚えました。

実は…この『現実はいつも対話から生まれる』は、以前このブログでもご紹介した(http://social-acty.com/blog/1404/)「社会構成主義」の考え方を書いた『あなたへの社会構成主義』をもっとわかりやすく書いたものです。

 

名前がつくと新しい未来ができる

『ワークショップをとらえなおす』には、p3に「私たちは、ことばによってあたらしい『世界』を獲得する。つまり、名付けることは、『世界(世界観)』をつくることであり、ことばによって、人びとのふるまいや環境について、秩序立てて語れるようになる。」とあります。

そして、p4に「ひとつのことばを獲得することで、さまざまな〈モノ・コト〉のつながりが明快になり、過去や現在のみならず、将来の活動までもが語りやすく整理される」とも。

社会構成主義では、このことばの意味はそのコミュニティによって定義づけられているので、言葉を再定義することは常識(と思われていること)を再構築し、未来をつくることにつながる、としています。

わたしたちは「ことば」に縛られているのです。その縛りをとくためにも「対話」が必要だということになります。

ワークショップということばが定義され、発展している現状をみて、今一度ワークショップという言葉をとらえなおす必要があるのでは?という問いかけが作者の意図のひとつではないか?と思われます。

 

形式化してしまっている場合も

中野民夫さんの『ワークショップ』が出版されたのが2001年。この18年間でワークショップ、ファシリテーションに関する書籍も数多く出版されるようになり、ワークショップそのものも広がってきています。

広がれば広がるほど、形式だけを取り入れ本質のところが薄くなっていってしまう…というのは、散見されることです。

あえて、ここで一旦ワークショップとは何だったのか?について考えてみる時期なのかもしれません。

となると、中野民夫さんの『ワークショップ』を異なる視点で読み返してみるというのも一つのアイデアだなぁと思いつきました。

「イラスト無料 ワークショップ」の画像検索結果

今一度、「ワークショップをとらえなおす」ことが必要なのかもしれません。

・そもそも何のために行うのか?

・本当に必要なステップなのか?

・主催者・参加者の思いは形になるのか?

・その形には、参加者はコミットできるのか?

・そんなプロセスデザインができているのか?

など、ワークショップのデザインを考えるときには、自分に問いかけて対話しよう!と思いました。

 

2018年も終わろうとしています。1年、お付き合いいただき、ありがとうございました。

今年最後にふりかえって、新しい年を迎えられそうです。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

「AI×ファシリテーションのアイデアを考える会」開催しました

2018-12-19 | ブログ

先日、ファシリテーションとAI(Artificial Intelligence)を掛け合わせると、どんなことができるだろう?ということでアイデア出しの会を行いました。

日本ファシリテーション協会のメンバーが(プライベートな会にもかかわらず)20人も集まってくださいました。

始まりは

名古屋で行われた「人工知能学会 市民共創知研究会:みらいらぼ」でした。

(http://www.mirailabcci.com)

この、みらいらぼは3日間行われますが、3日目は研究者、技術者、話題提供者が開発可能なアイデアを考え、実装していく(ここが課題ですが)というものです。

(昨年のブログにも!ベストプラクティス賞を頂きました http://social-acty.com/blog/2651/)

そのときに、音環境認識…というものを活用すると、ファシリテーターの養成に役立つのでは?と提案しました。

その後、大学院生がプログラミングしてくださり、形になってきましたので、(ファシリテーションといえば!)日本ファシリテーション協会の8月定例会でどのように活用できるかについてアイデア出しを試みました。今年の8月でした。

8月の定例会では、本当の「KJ法」でアイデア創出をしよう!というテーマで、扱う内容を「音環境認識…」にしたのですが、扱う内容が面白すぎること、KJ法で進める方法もヘビーだったことで、うまくアイデア出しまで行きませんでした。

ということで、再度のチャレンジとなったのです。

「イラスト無料 AI」の画像検索結果

情報工学の先生とコラボして

白松先生がこのAIに関わって研究を進めていらっしゃいます。

今回は、名工大の「ラーニングコモンズ」というワークショップができる仕様になっている場所をお借りして行いました。

とっても素敵なワークショップしやすい設備の会場です。3か所にあるスクリーン、変形させやすいテーブル、たくさんあるミニホワイトボード…。いろいろな使い方ができそうで、わくわく度が高まります。

こんなところでワークショップができるなんて、うれしい限りです。

白松先生と大学院生さんが参加というか話題提供をしてくださったので、活発な質疑応答もありました。

プログラミングもずいぶんと進んで、お試しでできるまでになっていました(!)ので、お試しもしてほしい(自分も試してみたい)ですし、アイデアも考えたいということを叶える進め方はないか?とプロセスデザインも考えてみました。

 

進め方(プロセスデザイン)は

OST(open Space technology)という方法をアレンジして進めました。

OSTはホールシステム・アプローチという対話を基礎にした進め方の一つで、本来は2~3日かけて行うものです。

普段、日本ファシリテーション協会(FAJ)では、OSTというとそのエッセンスの問いを参加者が立てて、その話題について話したい人が集まって話し合う(マグネットテーブルとこのごろは呼ばれています)ことを指すようになりました。

今回は、もう少しOSTに近づけまして…

マーケットプレイスというのを入れました。マーケットプレイスは、話し合いたいテーマを立て(本来は自分で宣言します)その人がそのテーマを話す時間と場所を決めます。そして話したい人が集まって話し合うというものです。

【プログラム】

 アイスブレイク

 レクチャー

 話したいこと(テーマ出し)

 マーケットプレイス

 第1~第3セッションまで(1グループはAI体験)

 全体でシェア、ふりかえり

としました。

【やってみて】

・AIを体験して、ふりかえりをしているうちに、活用のアイデアが溢れてきました。こんなに簡単にアイデアが出てくる!きっと、体験そのものと持っている背景が異なる人たちが集まったからこその賜物。多様性がイノベーションを生む!ということを実感しました。

・1時間のセッションの内訳は40分を話し合いにし、20分でポスターセッションと休憩としました。この時間割が心地よく、テンポよく、飽きずにいろいろなアイデアを出し、触れることができました。

・ホワイトボード、模造紙もたっぷりあったので落ち着いて、適切なツールで話し合いをすすめることができました。

・もちろん、ファシリテーションを身につけている人々でしたので、説明も簡単で理解してもらえ、短時間で期待以上の成果も出ました。それがまた、うれしい!

・話し合ったことが実現する!という手ごたえのような、お役に立った気持ち(有用感?)があり、自分達はまた、このことに関わっていきたいというコミットもしっかりと心に根付ききました。話し合いの成果の行方がとても気になります。

などなど、言い出せばきりがないほど、充実したアイデア出し会でした。

 

アイデアソンという方法もスピーディで楽しいのですが、やはりじっくりと対話でき、ほどよい(と感じました)テンポで進むのは、違和感が少ないように思いました。そして絞り込むときも、納得の合意で絞り込めました。対話による話し合いの成果ですね。

やっぱり、話し合いにはファシリテーションは必須!!

このようなたのしい会を開催させてくださった白松先生、プログラムを開発してくださった院生さん、そして、集まってくださったFAJの仲間に感謝します。

 

 

 

 

 

外国人が訪れたいまち!

2018-11-27 | ブログ

先日、飛騨古川駅周辺と高山市へ行ってきました。

飛騨古川は、映画「君の名は」の聖地がいくつかあります。ロードショーは終わっていますが、まだまだ人気は衰えず!

まちを散策すると、歩きやすくコンパクトにまとまっていて、蕎麦屋やカフェ、大きなお寺や山車会館、造り酒屋は2軒もありました。

そして、飛騨古川といえば、鯉が泳ぐ水路。

散策するのに飽きない、インスタ映えしそうなスポットもたくさんありました。

歩いているのは、ほとんど日本人で、高齢者が多かった印象があります。

 

宿泊は高山市で。

宿でも市内を散策しても、外国人率が高いと感じました。

夜、駅前のコンビニに行くと…

店員のおじさまが「久しぶりに日本語を聞いたよ」とおっしゃるくらいの外国人観光客数。

 

隣のまちなのに、なぜこんなに印象が違うのでしょう?

実は、私も古川に行ったのは初めてでした。高山には何度も行っているのに…。

・公共交通の便(どうやって行くの?)→高山駅から3駅

・観光地のインパクトの差(ポスターをよく見かけるのは高山市?)→鯉が泳いでいるのは印象にあるけれど

・高山では、飛騨牛楽しみ→古川は?

というようなことが足が向かなかった原因でした。

 

外国人観光客が増えている

ところが、飛騨市の観光統計を見てみると…

観光客数が増え、外国人宿泊客数も増えているのです。

昔ながらのまち散策だけでなく、景色を体感する!というのが外国人観光客の目的のようです。

(https://style.nikkei.com/article/DGXMZO26834420T10C18A2H46A01?channel=DF220420167277)

 

普通の農村の景色が好まれているのだとか。

確かに、農村の景色は見られなくなってきました。日本人よりも外国人が好んで訪れてくれるのは、うれしいことだなぁと思います。(もっと日本人も普通の農村の景色を大切にしたいとも思いました。)

 

その結果、平成28年度から平成29年度は古川町は119.81%の観光約数の伸びとなっていました。

 

飛騨市全体の宿泊客数は逓増傾向ではありますが(29年は減少)、ユースホステル・ゲストハウスの宿泊者数は増えています。

古川町の観光客数の推移
筆者グラフ化

(https://www.city.hida.gifu.jp/uploaded/life/9310_12387_misc.pdf)

 

 

飛騨市の宿泊客数の推移
筆者グラフ化

ゲストハウスに泊まると、外国人比率が格段に高いことを痛感します。リーズナブルに泊まる!浮いた予算を、体験やその土地の食に回す、ということなのですね。

 

外国人観光客が期待すること

お隣の高山市の外国人観光客へのアンケート結果からも外国人の日本での楽しみは…

①日本の食、③歴史的建造物・町並み、⑤自然・景勝地観光を期待している人がダントツで多いようです。

普通の(昔懐かしい?)農村の風景が人気があるのは、この結果からも納得できました。そして、その風景をどのように楽しむのか?を提案するのがインバウンドの成功のカギになりそうです。

そういえば、高山市で外国人観光客が1週間程度、町家に滞在し観光協会の職員が生活のサポートをするという取り組みを見た記憶があります(残念なことに、根拠を探せませんでした…)。

気に入った土地があると、もっとそこにいたい、その土地での暮らしを体験したい、地元の食材を自分で料理して食べてみたいという欲求が満たされることになるのですね!

そして、それを実現できる幸せ。

観光はその土地の光を観ることだと言われていますが、長期滞在するということは、その土地で光るものに触れている、非日常を日常に近づけてみるということなのでしょうか?

そこから新しい発見があり、その土地への親近感がさらに湧いてくる。そんな気がします。何度か訪れてみると土地勘もできてきて、「あ、あのお店ね。うん、美味しいよね。」なんて、まるで自分のまちのように言うと、もう、気分はその土地出身者ですよね!

これ、外国人観光客でなくても、同じ国に住んでいる日本人でも感覚は同じかもしれません。

 

外国人観光客の楽しみ方に近づく?

こうしてみると、日本人の観光の楽しみ方も、外国人観光客に近づいているのかもしれません。

何度も繰り返して同じところへ行ったり、ゲストハウスに泊まっていろいろな人と触れ合ったりすることを楽しむ観光が増えてきたように思います。(古川でもゲストハウス利用客は激増していました)

京都でも、簡易宿泊施設や町家を改装した宿泊施設が増えていることにも関係しているのかもしれません。人気がなければ増えませんよね。

(http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000193/193116/kyoka_suii201804.pdf の表から筆者作成)

2階建ての京町家を改装した宿

今後は、今まで以上に「その土地と深く関わる、人と深く関わることが観光に求められていく」、その演出や場づくりが必要なのかもしれません。

 

飛騨古川を初めて訪れてみて、落ち着いたステキな土地だなぁと思いました。その日のうちに高山市へ移動してしまいました。もっとゆっくりすれば良かったと思いました。何回も訪れてみたい町でもありました。

そんな思いがリピーターになるのだなぁと思った経験でした。

 

 

 

 

 

『ファシリテーション入門 第2版』

2018-11-14 | ブログ

ファシリテーションについて、コンパクトに分かりやすく書かれている、ファシリテーションのバイブルみたいな本があります。

 

『ファシリテーション入門』これが始まりでした

堀公俊さんがお書きになった『ファシリテーション入門』

(https://www.amazon.co.jp/ファシリテーション入門-日経文庫-堀公俊/dp/4532110262/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1542116071&sr=8-2&keywords=ファシリテーション入門)

この本を読んだのは、修士課程を終えて、ファシリテーションのことをもっと学びたいなと思っていた時でした。出版も2004年!

堀さんが初代会長のNPO法人日本ファシリテーション協会(Facilitators Association Japan 略してFAJ https://www.faj.or.jp)もこの年に結成されました。そして、翌年、中部にも支部をつくろうかというときでした。タイミングよく、この時からFAJに参加しました。

その後にさまざまな「ファシリテーション」という名の付く本が出始めてきたときでもありました。(歴史を感じます…と言っても、まだ14年)

FAJに入会していらっしゃる方は、この本か森時彦さんの『ザ・ファシリテーター』を読んだことがきっかけという方が多かったようです。

 

そして、第2版

(https://www.amazon.co.jp/ファシリテーション入門〈第2版〉-日経文庫-堀-公俊/dp/4532113989/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1542116071&sr=8-1&keywords=ファシリテーション入門)

この本から14年後(2018年、今年)に第2版が出版されました。

内容はやはり、第1版(?)の焼き直し?追加して何か書いた程度?と思っていましたが…

思いっきり変わっていました。

もちろん、ファシリテーションの4つのスキルは押さえてありますが、活用の場についてとても詳しく書かれています。

様々なファシリテーションが活用されていると言われている集団の中でのファシリテーション活用の意義や活用方法などに焦点を当てて書かれています。

(https://www.faj.or.jp/facilitation/application/  より)

 

印象に残ったのは、2点です。

1.ファシリテーションが活かされる場面が検討されています。

①強いリーダーシップは、組織が未成熟なときや、環境が激変するとき

②緻密なマネジメントは、組織が安定的に成長しているとき

③ファシリテーションは、変化が絶え間なく起こる、不確実で不透明なとき

とされているということです。

だから、先行きが不透明と言われている現在、ファシリテーションを身につけたい、知識として知っておきたいという人が増えたのでしょう。

そして、FAJもメンバーが増えていった…(現在1600人もいます)

 

 

2.はっきりと書かれたのが、ファシリテーションの3つの効果についてです。

①相乗効果を活かし、高い成果を生み出す

②納得を高め、やる気を引き出す、メンバーの自律性と協働をはぐくむ

③学習するスピードを高める

これらは、社会心理学などで測ることができるのでしょうか?数値としてみてみたい気がします。(測るとすれば、その方法は?)

ファシリテートされると、どのくらいのスピードがアップするのでしょう?ファシリテートされた場合と、ない場合。比較は難しそうですが、感覚としてはわかる気がします。

「イラスト、無料 ファシリテーション」の画像検索結果

FAJの中でいろいろなスキルやマインドを共有したり、トライしてみたりという積み重ねをさせていただいたお陰で、身に付いたものがたくさんあります。ファシリテーションの研鑽の場というのがあるのは、とても貴重なことです。一度、試してみて(人の試みを参加者として体験してみて)そのふりかえりから学び、次の機会に活用できることがたくさんありました。

そんな場を目指して、FAJはつくられました。(ここでも、きたえられました)

 

社会的な認知度は明確ではありませんが、私の周りではファシリテーターを名乗る人が増えてきた今、第2版が出版された(しかも内容も大幅に手が加えられた)ということは、何かの起点・ターニングポイントになるような気がします。

目指す社会、組織の姿を描き、その実現に向けて歩を進めていく。今まで以上に、一人一人が一歩進めることが必要な時なのかもしれません。

 

第2版の変化は、この14年で、ファシリテーションに求められるものが変化してきたことを象徴するようなものだと思いました。

その変化に気づき、自分はどうありたいのか?何をしていけばよいのか?を改めて自分に問う!ということを(常に問い続けているはずなのですが)意識していこうと思いました。

そんなことを考えるきっかけになった本でした。

 

*fajでいろいろなことを学び、現場で実践してきました。お陰様で、ファシリテーションとコミュニケーションに関する書籍も出版できました。ありがたいことです。

 『多様な市民とつくる合意 ~コミュニケーションとファシリテーションのレシピ~』

(https://www.amazon.co.jp/多様な市民とつくる合意-コミニケーションとファシリテーションのレシピ-林-加代子/dp/4872997913/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1542121400&sr=8-1&keywords=多様な市民とつくる合意)

 

 

 

 

 


 
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