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RESASを活用した政策立案ワークショップ

2017-02-14 | ブログ

2月9日に下呂市でRESAS(注)のデータを活用したワークショップの成果報告会があり、参加してきました。

(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/resas/pdf/h28-12-05-seisaku_workshop.pdf)

この報告会は会場となった下呂市だけではなく、加茂圏域(美濃加茂市、川辺町、八百津町、七宗町、白川町、東白川村)の7つの自治体のみなさんが集まって検討したものです。複数の自治体によるものは少ないのだそうです。

この検討ワークショップのお手伝いをさせていただいていました。参加した皆さん、とても熱心で深く話し合いをされていましたので、そこにご一緒しているだけで楽しい時間でした。

少しですが、このワークショップについてご紹介します。

会場となった下呂市交流会館。中に入ると木材をふんだんに使った内装でした。棚田テラスと呼ぶそうです。

会場となった下呂市交流会館。中に入ると木材をふんだんに使った内装でした。棚田テラスと呼ぶそうです。下呂市HPより

 

ワークショップの経緯

このワークショップは全部で5回。おおよその経緯をご紹介します。

○参加者:7つの自治体の地域おこし協力隊、企画、観光(商工会含む)、まちづくりの部署の方々

○ワークショップの流れ:

第1回 RESASを活用した圏域自治体の現状分析、コンテンツの引き出し、ブラッシュアップ

第2回 10年後の圏域の未来ビジョンを考える、第1回のアイディアを関連付ける、何かできるのか?を考える

第3回 現状の意見・想いを表出させる、地域資源の掘り起こし(追加)

第4回 事業に優先順位をつける、全体プロデュース(事務局)の機能・その担い手の育成を考える

第5回 それぞれの事業の実行・運営の体制を考える、人材の育成方法を考える、KPIを考える

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○ワークショップの特徴:

このワークショップでは、①事業化を目指す、②事業化を実現するために必要な事務局の人材を発掘、育成すること、この二つを念頭に置いています。従って、ワークショップでは、事業の具体化、優先順位、進め方(スケジュールも含む)、事務局に求められる機能、そこに求められる人材、人材の育成のことまで話し合いました。本気で実現させようという意気込みがうかがえる内容でした。

 

RESASの分析に基づいた、さまざまな地域資源を活用したアイディアがでました。その中でも一番印象的なものが、外国人の活躍の場でした。

美濃加茂市には外国籍の人が多く(日本で3番目に外国人の割合が多いまちなのだとか)、その人々が働く場として「観光」があってもいいのではないかという内容です。2次産業だけでなく3次産業にも活躍の場があることは2世、3世の子どもたちの励みになるのではないかと思います。

日本に移住してきた方々の子どもたちが将来○○になりたい!という夢がかなえられる圏域となれば、素敵だと思いました。

 

もう一つ、印象的なことがありました。ワークショップを通して、参加してくださった皆さん、熱心に話し合ってくださいました。特に地域おこし協力隊のみなさんの熱い想いが、このワークショップ成功の大切な要因の1つでした。

まちづくりに必要な人材は、よそ者・若者・ばか者といわれています。地域おこし協力隊の方々は、地域を客観的に見ることができ、もちろん若いみなさんで、地域になじんでいこうと努力していらっしゃる方々なのだということを感じました。地域おこし協力隊の方々は「よそ者・若者・ばか者」を併せ持っているのでは?と思いました。

本当に地域の物的な資源と質的な資源をよく観察していらっしゃったので、地域資源を発掘するという場面では、もともと住んでいる人には当たり前すぎて見過ごしてしまう地域のお宝をたくさん出してくださいました。

 

ワークショップのデザインの特徴

このごろ、ワークショップという名称ではありますが、内容は「対話」をメインにしています。今回も「対話」で進める手法の一つ、「ワールドカフェ」的、「プロアクション・カフェ」的な進め方をしました。

グループワークをしながら、途中でメンバーチェンジをし、たくさんの視点からのアイディアを入れていきます。そして、また自分のいたテーブルへ戻って、足されたアイディアとともにブラッシュアップしていきます。

自分が選んだテーマについてだけ話すのではなく、他のテーマについて話しをすることで全体が統合され、どのテーマにも関わっているので、視野も広まり、アイディアもミックスされます。

「あのテーマで話していたアイディアとこのテーマのアイディを結ぶと…」「あちらのテーブルではこんな話が出ていたよ。このテーブルのこのアイディアと一緒にするのもいいね」となっていきました。

テーブルを変わるたびに、アイディアがブラッシュアップされていきました。

 

また、メンバーチェンジすることで交流も盛んになり、7つの自治体が連携する礎ができていったような気がします。

 

最後のまとめをしました。

最後のまとめをしました。

 

まとめ方が重要な要素

みんなで一つのものを見ながらアイディアを出したり、まとめをしたりすることが重要なのでは?と、ハーベストタイムを重要に考えるようになりました。

もちろん、今までも重要だと思っていたのですが、今回のワークショップや女性だけのワークショップ、自治体連携のワーキンググループのワークショップなど、つながり・連携がキーワードになる内容については、特に。全員で一つのものを創っていくハーベストタイムを設けることが大切なのでは?と感じています。

ここは、今後も検証していきたいと思います。

 

(注)RESAS(Regional Economy (and) Society Analyzing Syste):地方創生の実現に向けて、各都道府県・市区町村が客観的なデータに基づき、地域課題を抽出して「地方 版総合戦略」を立案するための基礎となるデータ(ビッグデータ)を活用した「地域 経済の見える化システム」。4 つのマップ、具体的には「産業マップ」「観光マップ」「人口マップ」 「自治体比較マップ」で構成されている。(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/resas/pdf/outline.pdf より)

 


 
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