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「社会構成主義」と「対話」の関係

2016-01-15 | ブログ

以前から気になっていた「社会構成主義」

一度、ちゃんと学びたいと思っていました。やっと本格的な書籍を見つけ、読むことができました。

『あなたへの社会構成主義』ケネス・J/ガーゲン(著)東村知子(訳)、ナカニシヤ出版、2004年

です。この中で、社会構成主義と対話の関係について備忘録も兼ねてご紹介します。この書籍の内容はとても深く、何度も読み込み対話を重ねていくと新たな気づきがたくさんありそうですが、今回は「対話との関係」に絞ることにします。

 

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社会構成主義とは

私たちが使っている言葉は、文化や周囲の環境などの共同体の影響を受けています。文化や環境が変われば、言葉も変わります。また、性的な役割であったり、宗教や知性、感情も同様に文化や環境の影響を受けています。

例えば、気温が0度であるとして、この0度は沖縄と北海道ではとらえ方が違います。冬の北海道では、今日は気温が高いとなりますし、沖縄では寒い日であるといえます。

このように、同じ日本国内でいう「0度」であっても意味する内容が異なってきます。

これは、自然科学にも言えることで、自然科学は客観性のある数字など絶対的な根拠を背景として理論が打ち立てられているようにとらえられています。しかし、何が科学的な根拠であるのかを決定するのは科学者のコミュニティであるというのです。

事実(≒誰にでも平等に起こる、客観性がある)に基づいているという科学は、社会的平等と結びつき、中世では教会や王の特権が奪われることになっていきました。しかし、科学技術が発達してきた現在では、「科学以外のあらゆる声を沈黙させる」ということで平等を脅かす存在になっているといいます。

逆に科学者、科学的であることがある種の特権を持ってしまっているといえるのかもしれません。(科学的でない、根拠がないものに対して「非科学的」と排除することは散見されますよね)

 

対話による言葉の再構成

社会構成主義は、言葉を見つめなおすことから社会そのもののあり方を変えることができるというものです。

「ある言葉」を掘り下げていく、その言葉の持つ意味はどのような文化的な背景、環境、共同体の中で培われてきたのかを考察します。すると、言葉の裏にある考え方、感じ方に支配されていた自分たちが見えてきます。

言葉がもっている背景を把握し、もう一度言葉を構成しなおしていくのです。新しい言葉の意味を生み出していきます。そうすることで新しい関係性ができ、言葉を作っている共同体が新しいものになり、社会そのものが変わっていくのです。

 

 

上記のように、言葉をとらえなおしていくには「対話」が必要になってきます。言葉の意味を問い直すには、自分の中での対話、他者との対話を進めて、探求していくことが必要になってきます。

対話することで、「私たちの行動が、いかに言語形式(言葉)によって定義され、構成されているのか」に気づくことができます。そして、その言葉を対話の中で再構成することで関係性を変化させることができるといいます。

 

対話を構成する要素

双方向の話し合いの場を前提として、この書籍では「メタファー」(ファシリテーター的には「リフレーミング」)によって関係性をとらえなおすことが可能だとも提案されています。

例えば、議論を戦わせるという表現にすると、戦いですから勝・負が背景に存在することになります。論戦に勝てば勝利ですが、負けた側は敗北感と嫉妬などが感情として生まれます。そのような状況ではお互いに協力して目的を達成するということは難しくなります。

では、「議論を戦わせる」ではなく、「話し合いをする」「アイディアを出し合う」と言い換えると、勝負という感覚はずいぶんと減っていきます。

もう一つの方法として、ナラティブ(物語を語る)によって共感を生み、自分が何者であるかというアイデンティティを形成していくといっています。

 

社会構成主義では、「言葉」をとらえなおすことで、関係性が変化していきます。すると、共同体(≒組織、社会)の中の関係性も変化していくのです。対話には「明日を創る」力があると言っています。

 

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ホールシステム・アプローチと組織変革、社会変革がつながった

このブログでもお伝えしてきました「ホールシステム・アプローチ」という対話による話し合いの方法があります。ワールドカフェやAI、OST,フューチャーサーチなどです。

『あなたへの社会構成主義』の中では、フューチャーサーチとパブリック・カンヴァセーションという試みが紹介されていました。

ワールドカフェのイベントの際、ビデオ出演してくださった考案者のアニータ・ブラウン氏も、一昨年ODNJ(組織開発ネットワーク、ジャパン)のイベントにご出席くださったダイアナ・ホイットニー氏も「社会構成主義」を言っていました。その理由がようやく納得できました。

これらの方法は、対話をすることで、言葉の意味をとらえなおし、組織・社会を再構成していくというパワーをもっていたのです。

『ダイアローグ』を書いたデビット・ボウムは、(社会構成主義の前身と位置付けられるのですが)「具体的思考(科学的な思考)は人々を分断してきた」と言います。そして、今、人々をくっつける(関係性を創造していく)ために対話が必要なのだと言っています。

対話を活用したホールシステム・アプローチで人々をくっつけていけば、組織や社会が変化していくといえます。ただし、対話には問いかけが欠かせませんが、その問いかけの方向性は、排除しない、価値を認めることを前提とした言葉にしなくてはなりません。

問いかけを考えるときには、自らの言葉に注意が必要となります。問いかけの中に使われる単語、文脈を推敲して使うことが求められています。

ファシリテーターは問いかけの言葉を、その場になるまでずっと推敲しています。その問いかけで本当に適切なのか?参加者がじっくりと対話できるのか?その問いかけで対話が成立するのか?などずっと考えています。そこに、改めて「価値を認める問いかけになっているか」を入れておくことが必要だということが認識できました。

 

ずっと気になっていた「社会構成主義」と「対話」「ホールシステム・アプローチ」の理論的な関係がわかりました。そして、今後の問いかけについては、さらに対話の力を出せるように取り組んでいかなくては!と思いました。

 

 

銀座も着物ブーム?

2015-12-22 | ブログ

先日、久しぶりに上京し、銀座あたりを歩きました。

すると、下の写真のような看板がありました。

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浅草、浅草寺で見つけた若い女性たちの着物姿に感動した記事を載せましたが、銀座でも!

http://social-acty.com/blog/date/2015/07/

銀座も古い建物が残っていますので、着物で歩くのには雰囲気はあっているのかもしれません。

 

英語での記載もあることから、インバウンドのお客様もターゲットなのですね。

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残念なことに、昼間、着物姿の方を見かけることはありませんでした。

夜は、レンタルではない美しい着物姿の方々をたくさん拝見しました。

さすが、銀座!ときょろきょろしてしまいました。

銀座の「イルミネーションは、一本一本の木に丁寧にデコレーションしてありました。プライドでしょうか?

銀座の「イルミネーションは、一本一本の木に丁寧にデコレーションしてありました。プライドでしょうか?

「着物で地域おこし」ということが流行り始めています。

経済産業省の和装文化振興の報告書が今年、平成27年6月に出ています。http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/wasou_shinkou/pdf/report01_01_00.pdf

この中で、20代の方が着物を着る機会は趣味(お稽古等)に続いて、パーティで着る、観光地、着物のドレスコードのあるイベントで着ることが多くなっています。

着物を観光地で着る、着物を着るイベントなどが若者に好評なようです。

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歴史的な建造物、伝建築での着物を着て散策というのは、若者に喜ばれるのですね。

地域へのプライド、地域アイデンティティが醸成されそうです。

その前に、着物を着て歩く楽しみも味わえます。

 

*着物で地域おこしをしているところはたくさんありました。

やはり、織物などの生産地でイベントがあるのは納得ですね。

富岡 http://www.city.tomioka.lg.jp/www/contents/1433730665166/simple/201504matumoto.pdf

十日町 http://inacollege.jp/blog/2015/05/04/着物のまち、十日町/

桐生 http://kiryutimes.co.jp/2014/04/闊歩3年ぶり復活へ.html

 

名古屋市でも文化の道を着物で散策するイベントがありました。http://arukou.higashinet.net

 

合意形成は対話から!でした。

2015-12-20 | ブログ

この一年、合意形成をするという場面でファシリテートしていることが多かったように思います。

振り返ってみて、限られた場面ではありますが、なんとなくコツがつかめてきたような気がします。

 

その前に

2012年にFAJ(日本ファシリテーション協会)の中部支部定例会で「合意は10分でできる!?~即効&納得の合意術~」というテーマで定例会を行ったことがありました。

https://www.faj.or.jp/modules/contents/index.php?content_id=1910

その内容はすっかり忘れてしまっていたのですが、レポートを読みかえし、この時に整理したコツはワールドカフェに近いものがあったのだなぁと感じました。

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2012年に学んだはずのコツは

・前向きな問いかけを考える

・話し合いの前にメンバーの価値観を共有しておく(shared value)

・テーマについて、定義やとらえ方などをあらかじめ揃えておく

でした。

さてこのコツが実践に活用されたのか?ということが気になります。

 

今年つかんだコツは

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実は対話(ワールドカフェのようなことを含めて)を行いました。

そして、ワールドカフェのハーベスト(収穫:対話の後の全体での共有)にこだわり、ハーベストの方法で参加者のみなさんが納得できる合意ができるのではないか?と仮説を立てて実践に臨みました。

会議の目的から何を合意すればよいのか?成果は何か?を念頭に、ハーベストの方法と問いかけを考えました。

実践の共通項はとてもシンプルなものでした。

・前向きな問いかけによる対話

・メンバーチェンジ

・参加者全員の前で、合意案を作っていく

ということでした。

対話した結果を全員で共有し、合意案ができるプロセスに全員で関与する、合意案ができていくプロセスが見える。

シンプルですが、重要なことなのだと感じました。

2012年に学んだことを実践した、ということに気づきました。きっと、http3年かけて実践する時が来たのだと思いました。

 

 

ワールドカフェの力

2012年の学び、2015年の実践、どちらからもワールドカフェのパワーとハーベストの方法が重要だということが浮かび上がっていました。

2015年はワールドカフェが考案されて20年です。

先日、ご紹介したワールドカフェ イベントで考案者のアニータ・ブラウンが言っていた「ワールドカフェの力」が心に沁みてきました。

http://social-acty.com/blog/1279/
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対話には「問いかけ」が重要。

ということも体感しました。他の方がファシリテーターの対話の場面に参加すると、とても気持ちよく対話が進むときとそうでないときがありました。

これは、ファシリテーターの存在だけでなく、問いかけの力も大きいと感じています。

 

これからも精進してまいります。どうぞ、応援、よろしくお願いいたします。

『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』

2015-11-11 | ブログ

『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』平田オリザ 講談社現代新書2177、2013年

を読みました。以前から気にはなっていたのですが、書籍を読むまでにいたらなかった平田氏の本でした。

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はじめに

近年、「対話」を中心としたワークショップをさせていただくことが増えました。ホールシステム・アプローチの中の手法をその場、求めるものに合わせてアレンジしたり、組み合わせたりして使っています。

「ホールシステム・アプローチ」と言われる方法は、利害関係者を広く集めて(これが全システムであるとして)対話で話し合いを進めていくというものです。

この中には、ワールドカフェ、OST、AI 、フューチャーサーチという代表的な方法がありますこれらは、いろいろな一連のプロセスを経て進められます。

なぜ「対話」なのか?と言いますと、アメリカの物理学者で哲学者のデビット・ボウム『ダイアローグ』を読み、これからは「対話」が必要なのだと共感したからなのです。ばらばらになった人々をくっつけるのが「対話」だと言い、参加の元々の意味は加わるのではなく、一つになることなのだと言っていました。全体主義とは違う、参加者につながっている感じを持っていただけると合意できることが多いのではないかと考えて「対話」の手法を活用しています。

ということで、平田氏のいう「対話」「コミュニケーション」にもたいへん興味を持っておりました。

本書は、演劇、演じるというフィルターを通して「対話」「コミュニケーション」を見ていますが、演劇は社会の縮図とすれば、演劇の中の「対話」「コミュニケーション」は演劇の範囲を乗り越えて、広く社会に一般化できる部分が多いのではないか?と感じました。

 

「対話」について

平田氏は、「『対話』はAとBという異なる二つの論理が摺り合わさり、Cという新しい概念を生みだす。AもBも変わる。まずはじめに、いずれにしても、両者ともに変わるのだということを前提にして話を始める。」としています。

これにはたいへんな体力が必要とされそうです。そして、「対話」には基礎体力があるそうです。

「異なる価値観と出くわしたときに、物怖じせず、卑屈にも尊大にもならず、粘り強く共有できる部分を見つけ出していくこと」で、「そうした対話を繰り返すことで出会える喜びも、伝えていかなければならないだろう。」と。

さらに、「対話」をするには、相手の言うことを聴くだけではなく、自分のことも相手が理解できるように説明し、理解してもらうことが重要だということでした。

「対話」には言葉が必要です。もちろん、言葉がなければ話すことはできませんが、関係性がなければ言葉はありません。昔は女性の上司が男性に命令・指示するということはほとんどありませんでした。したがって、その場面にしっくりとくる言葉がないのです。そして、現在は、そのような「ジェンダーや年齢といった区別なく、対等な関係で『対話』を行うための言葉を生成していく『過渡期』だと言っていいだろう。」と。

対話できる、対話にふさわしい言葉をつくっていくことが求められるのかもしれません。そういえば、ヨーロッパでは、親、教師、上司にもファーストネームで呼ぶのだとか。名字や立場に縛られない関係を言葉でつくっているのかもしれません。

 

そして「成熟社会」のコミュニケーションとは

もう、日本は成熟社会です。その中では、国民の幸せの目標は一つではなく、多様です。その多様な、バラバラな価値観やライフスタイルのままで生きていくにしても、「どうしても、社会生活を営んでいくうえで、地域社会で決めていかなくてはならないことがある。」のです。

そのためには「非常に短期間に集団でイメージを共有し、コンテクストを摺り合せるノウハウ」「この技術こそが、いまの日本社会、日本の地域に必要なものではないか」と提案しています。それを平田氏は「協調性から社交性へ」と表現しています。

そして、今まで日本社会の前提となっていたことを覆す必要があると。「心からわかりあえないんだよ、すぐには」「心からわかりあえないんだよ、初めからは」を前提として対話していくことが求められている、ということでした。

確かに、さまざまな考え方の上に生きている人々には、“これ、常識だよね”と言っても人によって常識の範囲は違っていることを痛感しています。(だから、行き違い、心のすれ違いがおきるのですよね)

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めざす合意形成は

この前提を踏まえて、AとBを対話によってCにすることが可能になるのですね。この考え方は、私の「対話」に対する姿勢と共感できるところが多くありました。「対話」の手法で導き出したい答えは、AかBかを選ぶのではなく、Cという“止揚”されたものだからです。(実際に今夏、中学生と高校生の子ども会議でも“止揚”による合意形成を試みたところ、参加者のアンケートでは達成感を感じ、成果に納得しているという回答ばかりでした。)

お互いに出した答えに納得し、新しいものを生み出す。これが「対話」による合意形成なのではないかと考えるのです。

その納得が答えに対するコミットであり、お互いに信頼関係をつくっていくプロセスの重要なポイントなのではないでしょうか?

答えに対するコミットが高ければ、参加意欲が高ければ、その実行は成功します。デビット・ボウムのいう「ひとつにつながる」ことへ前進するのだと考えます。

 

対話によって成果をひきだすホールシステム・アプローチ。これからも活用する場面がますます増えそうです。

 

 

 

500人以上&日本がつながったワールドカフェ20年イベント

2015-10-27 | ブログ

10月25日(日)にワールドカフェが考案されてから20年の記念イベントを行いました。

当初はアメリカと日本の9会場を結んで行う予定でしたが、トラブルが起こり、日本の9会場(札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、神戸、広島、九州、沖縄)をむすんで実施しました。名古屋会場は85人、9会場合わせると500人以上の参加がありました。

名古屋会場の実行委員長とメイン・ファシリテーターを務めさせていただきました。

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ワールドカフェとは?

今回はビデオでの出演となった、ワールドカフェの考案者、アニータ・ブラウン氏によると・・・

前提としてホールシステム・アプローチ(ものごとを取り巻いている全てのステークホルダーをシステムと捉え、この全てのステークホルダーを集め、対話によって課題解決や未来を描き、実現を可能なものにする手法)がありました。

そして、全てのステークホルダーが会話のような話し合いをする中で、抱えている課題の解決への手がかりが得られるといっています。

これを会話型リーダーシップと呼んでいます。会話型リーダーシップとは、「ビジネスや社会において価値を生み出すために必要な集合知を養うための中核プロセスとして、リーダーが意識的に会話を用いること(『ワールド・カフェハンドブック』より)」としています。

会話によって、私とあなたは違うことを認識し、違いを認め合うというところから始まるということだと理解しました。

そして、ワールドカフェを行えば解決できるのではなく、その他のホールシステム・アプローチと言われる方法、OST(オープン スペース テクノロジ―)*やAI*、U理論*などと組み合わせるのが効果的だとも言っていました。

(ここにフューチャーサーチが入っていなかったこと、U理論が入っていることが理解できなかったので、これは、今後、謎解きをしていこうと考えています。)

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500人以上がつながる実感!

午前は、レクチャーというよりも、ワールドカフェへの熱い想いや可能性についての語りという方が近いアニータのビデオの後、一番アニータの想いを理解しているといわれるエイミー・レンゾー氏のワールドカフェ。

(エイミーがITを活用したワールドカフェの実践者です。)

午後は、エイミーのストーリーと日本の3人の実践者の話。その後のワールドカフェ体験。

(シリアとレバノンを結んでワールドカフェを行った事例を紹介してくださいました。ITワールドカフェの可能性が広がりました)

(3人の実践者の一人、田坂さんは福島にツアーを組んで行ったときに、東日本復興支援財団の専務理事、荒井さんをご紹介してくださり、ご一緒に案内をしてくださいました。そのときにお会いした「未来会議inいわき」のコアメンバーのお話でした。なぜか涙が・・・)

最後に各会場をリレーでつなぐハーベスト。

このハーベストのとき、9会場のつながりを強く感じました。

全会場で同じ問いかけについて、同じ時間に、対話し、共有する。

言ってしまえば単純なこれだけの事ですが、とても深い「つながった」感覚が残りました。

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実行委員だったから?

この感覚は、実行委員だったからなのか?と思ったのですが、アンケートでは「つながった」という文言が散見されましたので、そこに参加していた方々も「つながった」ことを感じてくださったのだと考えます。

ただ、実行委員は話が持ち上がってからの4カ月の間、ミーティングを行い、協働で準備を進めてきたのでチームとしての「つながり」は空間を超えて形成されていました。

各会場の実行委員、特に、リーダー’s、ITチーム、メイン・ファシリテーターチームのそれぞれのグループ、そして、会場内の実行委員のグループ間でもつながっていました。

特に、当日はIT担当とメイン・ファシリテーターは連絡を密に取りながら進めることになります。東京(司令塔でした)とのプログラムの時間調整、スイッチングのタイミングなど常に情報を共有しながらの進行でした。

そして、グラフィッカー、撮影班の方々とも情報を共有しつつ進めました。時間がズレると各拠点での裁量の範囲で臨機応変にプログラムを変更しなくてはならないのです。これには各会場のみではなく、全ての会場が足並みをそろえなくてはいけないので、制約はきついのですが、全員でひとつのことを進めているという感覚がありました。

したがって、一日中、緊張が続いていました。そんな状況では、チームのつながりがより深まるのは当然なのかのしれません。

 

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宴の後

まだまだ興奮醒めやらず。というのが実感です。

翌日から私を含めてみなさんご自分の仕事に戻ったものの、きっと私と同じ様に新たな気持ちで臨んでいるような気がします。

仲間がいる!という感覚があります。きっとこれがデビット・ボウムの言う「対話で世界が一つにつながる」感覚、U理論でいう「Uの谷をくぐって新たなステージに入っていく」感覚なのかもしれません。

そして、私のワークショップの設計の視点に、「参加者がつながりを感じてくださるためにはどうしたらいいのか?」というのが加わりました。加わったというよりも、潜在的には自覚していたのですが、明確に考えるようになったというのが近いかもしれません。

ファシリテーションの父(?)社会心理学者のクルト・レヴィンは、ワークショップを行うとその効果は継続するということを検証しています。

その実験とは、「講演の後、ワークショップを行ったグループと行わなかったグループの比較実験をしました。講演で言われたことを実践しているかどうかを1週間後、1カ月後に調査したのです。すると、ワークショップを行ったグループは1カ月経ってもほぼ全員が実践を続けていました。行わなかったグループは半数程度でした。」というものです。

いまどきの言葉にすると、「自分で考え、つかみ取ったものにはコミットメントが高い」といえます。

このレヴィンの実験結果からすると、このイベントで強く思った何かがある人ほど、その想いは継続し、実践せずにいられなくなるのでは?と考えられます。ワールドカフェの想いがさらに広がりそうです。

 

 

 

 

 

 

 


 
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