2017-10-22 | ブログ
街並み全体をトータルでプロデュースしているということで有名な小布施町。
この図書館は2009年に開館した「まちとしょテラソ」http://machitoshoterrasow.com/index.htmlという名称です。
その準備段階からかかわり、初代の館長になった花田裕一郎さんをゲストにFAJ(日本ファシリテーション協会https://www.faj.or.jpの中部支部)の定例会に参加しました。
(https://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss_1?__mk_ja_JP=カタカナ&url=search-alias%3Daps&field-keywords=はなぼん より)
もともとはテレビ番組の演出家だったという花井さん。
ワークショップの内容も、演出家を彷彿とさせる内容でした。
内容は
1.「わもん」=話+聞を体験する(話すこと、聞くことに集中する)
一人1分間話す。他の人は声を出さないでうなづくのみ。
次は声を出してうなづく。
2.3000m²の土地に地域の人が元気になる広場をつくろう!
というテーマでグループワーク。とても3000m²には収まらない楽しい広場(場合によってはまちそのもの!)ができあがりました。
3.もう一度、ブラッシュアップ
私がいたグループでは、サグラダファミリアのように進化し続ける、建設途中のお城にしよう!ということになりました。
そして、市民だけでなく街を訪れる人が力を貸して、創り上げていく…というコンセプトです。
4.この広場をつくる、維持していくために必要な役割を11個挙げる。
野球のチームは9人+2人(補欠?)=11人。1番バッター~9番バッターまでの役割、それを支える2人の役割も異なり、必ず必要だとのこと。そこから、11人の登場人物を考えます。
このグループでは、内部(①総監督、②クリエイター、③経理)、現場(④現場監督、⑤職人)、外部(⑥市民、⑦スポンサー)、外部と内部をつなぐ⑧コーディネーター、⑨渉外、⑩広報、⑪ボランティアマネージャーとしました。
5.自分だったらどの役割をする?向いている?
4.で挙げた役割の中から自分に合っていそうな役割を自分で宣言しました。
6.発表
6チーム、それぞれ楽しそうな広場ができていました。
7.ふりかえりと花井さんからのひとこと
仮想のワークショップは初めてでちょっと戸惑ったが、やってみると意外と楽しかった。とのコメントをいただきました。
ふりかえり
ずっと同じメンバーで行うワークショップは久しぶりでした。余裕のある時間配分をしてくださったので、十分に話し合った気がします。飽きずにできるものだなぁと久しぶりのワークショップらしいワークショップを楽しみました。
そして、なにより演出家のワークショップなのだなぁと感じたのは、プロジェクト遂行の役割を考えること。そして、自分はどの役割をするのかを考え、宣言することでした。
演出にはキャスティングや、その見せ方が大変重要。そこから、この「役割を考える」ワークが入っているのだなぁと思いました。
たいへん、参考になる定例会でした。
2017-10-14 | ブログ
今月初めの2日間に、名古屋市緑区の区政運営方針「みどりっちプラン会議」のファシリテーターを務めました。
とっても和やかな雰囲気の会になり、楽しく過ごさせていただきました。
そのご報告をします。
*みどりっちは、緑区のマスコットキャラクターです。
この会議は、今年で2回目とのことです。
2回目の今年は、より多くの区民に参加してほしいという目的で、日曜日の昼間と平日の夜の2回開催することになりました。
進め方は
ワールドカフェを行うのに適した2時間をいただきましたので、ゆったりとじっくりとお話ができました。
緑区の4つの重点項目(子育て支援、高齢者支援、観光推進、危機管理)に分かれて、1ラウンド。
次は、他に気になるテーマに移動して、2ラウンドめ。
最後に、1ラウンドめのテーブルに戻って、追加の書き込みを読んだり、他のテーブルのは話を持ち寄ったりする、3ラウンドめ。
ハーベスト(まとめ)は、「5年後、緑区でこんなことしたい、こんなことできるといいな」について、A4用紙に記入していただき、壁にはります。その後、区長と参加者で壁に貼られた用紙を見て、対話をしました。
区長さん、とっても柔らかく優しくいろいろな問いかけを投げてくださいました。(感謝です)
参加してくださった方々は
もちろん、緑区在住、在勤、在活の方々でした。2日併せて50人弱。名古屋市立大学の三浦先生のご協力もいただいて、緑区に関係のある学生さんもご参加くださいました。
両回に参加してくださる方も複数人いらして、ファシリテーターとしても大変うれしい会でした。
対話の内容を聞いていると、本当に緑区が好き!というのが伝わってきました。もっと語りたい!とのお声もいただきました。
会終了後、記念撮影をしたり、立ち話をしていたり、片付けを手伝ってくださったり…。その場をすぐに去らず、帰るのが名残惜しく思ってくださったようです。(これも、ファシリテーター冥利に尽きます。参加してくださったみなさん、区長さん、事務局のみなさん、そして名古屋市のコミュニティサポーターのお二人に感謝です!)
ここで、是非お伝えしたい方々がいらっしゃいます。
一人は、子育て支援の団体で活躍している高校生。2度参加してくださって、若さと情熱、なのに落ち着いた口調で語ってくれました。
もう一人(本当は6人です)は、就学前の子どもたちも参加してくれました。日曜の午後、パパとママに連れられてきてくれました。
始めは大人と同じように模造紙にお絵かきをしていたのですが、退屈になってきたのか、壁に紙を貼る準備でマスキングテープを切って壁にはっていくお手伝いをしてくれるようになりました。最後は、大人が壁に貼るお手伝いもしてくれました。
高齢の方も、「自分でできるよ」とは言っても、子どもたちが手伝ってくれることを喜んでいる様子が見られて、ほほえましい光景が広がっていきました。
小さいお子さんが同席してくれると、こんなに優しい場になるのだなぁと実感しました。
合意形成でも、やはり子どもがいてくれることが必要かも
元東京工業大学教授で、現在は一般社団法人コンセンサスコーディネーターズの桑子敏雄さんが、2013年の日経ビジネスで池上彰さんとの対談がありました。「社会的合意形成」をどのように進めていくのかという内容でした。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130422/247049/
そこに、女性と子どもが会議の場にいることが重要なファクターだとおっしゃっていました。
それを読んで以来、自信を持って、会議には必ず女性を子どもに声掛けをして参加してもらえるようにお願いしてきました。
今回は、合意形成を目指してはいませんでしたが、女性と特に小さいお子さんがいらっしゃることが、場の雰囲気に大きな影響を与えるというのを実感しました。
そして、参加した大人のみなさんは、きっと、この子達のためにも自信をもって引き継いでいける地域にしていかなくては!という気持ちになってくださったのだと思います。
イメージだけでなく、実際に目の前に未来を担う人がいる、ということが大切なのですね。
さらに、うれしい参加は
子育て支援のサークルに入っているママとご一緒にパパ達も参加してくださいました。
「子守りで来ました」とはおっしゃっていましたが、もちろん、対話に入れる状況になるとテーブルについて参加してくださいました。(ママと交代でテーブルについてくださった方も!)
現役世代・子育てパパの参加は、地域に関する場面では少ないのですが、今回は意外に多く(30人中3人ほど。なんと1割)、パパが参加してくださったので、普段聞けない内容も聞かれました。
パパもいるということが、場の雰囲気をさらにやわらげ、楽しい場になるのだということが分かりました。
ワールドカフェという手法で和んだ場になるというだけでなく、参加するメンバーによっても場の雰囲気が変わりました。雰囲気が変わると話す内容にも影響があるのだろうと推察します。
さまざまな年代の方が参加することの必要性を再認識できました。
このような機会をくださった、名古屋市緑区のみなさんに感謝します。ありがとうございました。
2017-09-25 | ブログ
先日、ファシリテーション協会の定例会で「合意形成の基本」をしました。
(レポートはこちらです https://www2.faj.or.jp/base/chubu/report/20178/)
その時の感想や学んだことなどをご報告します。
『ディシジョン・メイキング』堀公俊・加藤彰、日本経済新聞社、2011年を参考に進めました。
この書籍の中には、意思決定の基本的なプロセス(初級編)
協調的な対立解消をして、合意形成する(中級編)
対話による合意形成(上級編)
の順に難易度が上がっています。
この中の、初級編にある基本的なプロセスを体験しました。
(画像はアマゾンより)
進め方は
120分程度
簡単なレクチャーとワーク、ふりかえり
で進めました。
「これからやってみたいこと2つを選ぶ」というお題です。
以前、基本的なスキルを学ぶ会(がれ~じと呼んでいます。学習・練習・からの・実践)で出された取組みたいテーマ30以上の中から、
選んでいきます。
ワーク①は、自分の取組みたいテーマを選んでグループで共有、さて、何にする?と話し合います。
ワーク②は、判断基準基準を考える→その基準で話し合う
というものでした。
結果は
今回は「取り組みたいテーマ」でしたので、判断基準をつくるために「そもそも、この定例会を選んだ理由は?」から入りました。
「もう一度、基本を学び直したい」「基本ってどんなこと?と興味があった」などが多く出ました。
ということは、ファシリテーションの基本は、この中のどれが該当するの?
その中でも一番の基本となるスキルは?どれだろう?
基本中の基本を探そう!
となり、決まっていきました。
ワーク①の結果とワーク②の結果を比べると、やはり、「そもそも」のところを確認し、その基準で考えてみようというほうが、納得が高いと思いました。
ワーク①の結果には「まぁ、基本どれでもいいよね。とりあえず…」という程度のコミットメントでした。
ワーク②の結果に対しては、「ファシリテーションの基本を学ぶなら、まずはこれ!」というもう少し強いコミットメントが生まれました。
次のステップである、実際に定例会で担当までするか?と聞かれたとしたら(実際には聞かれませんでしたが)、ワーク②なら、進んで手を挙げたと思います。
*納得した結果は、実行への意欲も培われるのだなぁと実感しました。
今回は、判断基準の決め方の部分を早急に進めてしまったなぁと感じています。
この判断基準をじっくりと話し合って決めておくことが合意形成のポイントなのだと考えているのに…
*どう判断基準を導き出すのか?そもそも判断基準ってどんなこと?から始めればよかったなぁ…
ファシリテーターとしてのフィードバックをいただいて、気づきました。とてもありがたい、貴重な機会でした。
*判断基準は対話によって引き出し、言葉にして共有することが重要なのですね。
どんなことを大切にしているのか?(インタレスト)を探って良く、探求していくと共通の思いが出てきて、その共通の思いを言語化して判断基準とする。
これが合意形成のポイントなのだと改めて体感しました。
基本と、いただいたフィードバックを忘れずに大切に、生かしてしていこうと思いました。
2017-09-16 | ブログ
災害伝言ダイヤル171は、NTTが提供する、災害時の安否確認のための番号です。
https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171s/intro.html
昨年度、地元の地域で女性の方々と作成した「災害チラシ」の裏に掲載しました。
毎月、1日と15日の0:00~24:00まで体験利用できるとのことです。
女性の会では、今年度はもっと踏み込んだ活動をしているのですが、そのご報告はまた後日させていただくとして…
今日、9月15日に地域の防災訓練にブースを出す準備で集まりました。(残念なことに、防災訓練の日は台風真っただ中の模様なのですが)
ちょうど、15日。
これはもう、やってみるしかありません!
まずは、TRY!
チラシには
171+1+連絡を取りたい電話番号→伝言を録音
171+2+連絡を取りたい電話番号→伝言を再生
とあります。
①まずは、スマホからスマホへ架電。
なぜか何度かけても、「おかけになった電話番号は現在使われておりません。…」となってしまいました。
②次にかけ方を変えて、スマホからスマホへ架電
171→発信→1-090〇〇〇〇◇◇◇◇
通じました!
そして伝言を入れてみました。
③スマホから伝言を再生しました。
新しく録音した順番で遡って再生してくれました。
新しい課題
伝言を聞いていると、いろいろな疑問が湧いてきました。
・この伝言は何時間くらい有効で、聞くことができるのか?
・何件くらい入れることができるのか?
・他の災害伝言ダイヤルは?
・LINE、facebook等との違いは?
などです。
先ほどのHPによりますと、
1伝言に対して30秒。20件まで。災害伝言ダイヤルの運用終了まで
となっています。
地域の公民館などの電話へ周囲の住民が伝言すれば、町内会の安否やどこの避難所にいるのかがわかる!と言われたことがありました。容量が20件では、この案は難しいです。
→やはり、家族用として使うしかないのか?
→災害時の地域の連絡、地域住民の所在などの情報を一つに集めることは難しいのか?
と新しい解決策を考えなくてはいけなくなりました。
*ドコモなどの会社が設置している災害伝言ダイヤルも一度試してみたほうがいいようです。
いろいろ挑戦してみることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。
情報を選択する(どうやって?)
『関東大震災』吉村昭、文芸春秋、1973年
を読んでいるのですが、災害時は緊張や恐怖などから、デマが飛び交い、暴動が起きたりしたようです。
3.11の時もどこかの化学工場が火災にあい、化学物質が拡散している、というようなフェイクなのか?真実なのか?判断しかねるような噂話が聞こえてきていました。
関東大震災の時は、SNSなどはもちろんなかったので、口コミ(後にはメディアも巻き込んで)で広がっていったのです。
現在は、災害時でなくてもフェイクニュースが流れてきます。災害時にはどのようなことになってしまうのでしょう?
関東大震災時に比べて、拡散力やその速さには格段の差がある現在ですので、どんなデマが飛び交い、知らないうちに巻き込まれてしまうのでしょうか?想像できません。
災害が起きたあと、復旧復興には地域のつながりがあれば、早いといわれています。
地域が一日も早く復旧復興して、人々が依然のような生活を取り戻すためにも、地域の人々の安否を知ることから始まって、再建していくための様々な情報も必要です。
*地域や住民が必要とする情報だけを該当者に伝える方法を試行錯誤しながら構築していかないといけないのだな、ということが今回のトライでわかりました。そして、情報リテラシーをどうやって培っていけばよいのか?ということも平常時から求められるということも痛感しました。
平常時でも171にいきなりアクセスするとうまくつながらず、動揺してしまいました。
災害時に初めてアクセスするということになると、うまくつながらないときの動揺はいかばかりか…。
平常時にいろいろなことを試しておく必要があることを身をもって知りました。
たった一つのことをやってみただけでしたが、たくさんのことに気づき、課題も見つかりました。
防災はいろいろなことがありすぎて収拾がつかなくなるときもありますが、一つ一つ、コツコツと対策を取り、住民のみなさんと共有していくことが大切なのだと思いました。
また、そのような活動を一緒にしていくことが地域コミュニティのつながりを紡ぎ、太いものにしていくのですね。
2017-08-30 | ブログ
毎年8月最後の金曜日~日曜日に名古屋市内で開催される「にっぽんど真ん中祭り(略して どまつり)」。
(http://www.domatsuri.com)
今年も興奮のうちに終了しました。
何度もこのブログに登場する「どまつり」ですが、音楽や踊りの質の「エンターテインメント性」だけでなく、地域の活性化のため、地域アイデンティティの形成のために「どまつり性」にもこだわっています。(ここがステキな所です)
どまつりの1か月ほど前に、友人と毎月開催している「未来茶輪」にどまつりのチーム「鳴海商工会 猩々」のリーダーにお越しいただきました。
猩々チームは小学生から80代までの人で構成されています。こんなに広い年齢層の人達が同じ音楽にあわせて一緒に踊ります。まさに地域ぐるみ!そして、猩々チームは毎年、ファイナルステージまで行くようなチームなのです。
チームのマネジメント
そのチームの中でどのようなチームのマネジメントをしているのか?知りたいですよね。
年齢層でグループを作り、そこでリーダーを決めて練習しているそうです。聞いてしまえば、目新しいことではないような気がしますが、実際に脱落せずに毎年続いているということは、言葉には出なかったご苦労や工夫がたくさんあるのだろうなぁと推察します。
ただ、未来茶輪の中では、そこまで踏み込んでお聞きすることができず…
こちらから、もっと引き出そうという意欲がないと聞きだせないことを痛感しました。(傾聴って大切ですね)
きっと、実行している方からすれば、そんな素晴らしい事!という自覚がないので、聴きださないとお答えいただけないのですよね。
後継者づくり
どんな組織でも後継者をつくる、育てることが課題です。猩々も後継者をどう発掘し、育成していくのか?も課題の一つのようです。
そこで、打った手は、歴史をひも解き(どまつりの方々は地域資源を発掘するのがとてもお上手です)、「なるみら」という人たちがいたことを発見。そこから「なるみ~ら」というチームをつくり、踊らなくても良い、応援隊のようなチームを結成し、この中から踊ってみようという人たちを受け入れていこうというようにしたそうです。
「試み」とおっしゃっていましたが、とても成り行きが気になります。
今回のどまつりでも、パレードやステージで、浴衣を着たなるみ~らの方々も歩いていました。小さなお子さんも出演してステージがとても賑やかになり、地域の結束のようなものが伝わってきました。
ステージでは
ステージを観ていると、心がほっとします。若者の切れの良い踊りはもちろん心を打ちますが、年齢層の広いチームが真剣で楽しそうに踊っちる姿は「あ~。この地域ではみんなが声を掛け合って生きている。暮らしがそこにあるなぁ」と普段の生活まで見えてきます。
小さなお子さんが一生懸命に踊っている姿、地域での生活の姿を想像して、涙ぐんでしまいました。
また、以前はこのチームのメンバーだった子どもが、大人になってどまつりの時期にチームに、そして地域に戻ってくることもあるそうです。
心をつなぐ、つなぎとめるような思い出と戻っても歓迎されるホスピタリティがあるのですね。
若者が地域に戻って来る…ここにもまちづくりのヒントがありそうです。
どまつり性の趣旨を体現しているような猩々チーム。毎年、目をうるうるして観ています。
今年の優勝は「なごや学生チーム『鯱』」でした。
ここも昨年のリベンジ!のようで、大仕掛けで切れきれの踊り、衣装も目を引く、エンターテインメント性の高いチームでした。学生がファイナルを目指して一生懸命に練習していたのが目に浮かびます。
若者が盛り上げてくれるのは、どまつりにだけではなく、地域にとっても将来を担ってくれる後継者がいることは頼もしいことだと思いました。
今回は、最後の「総踊り」までいました。ステージ上だけでなく、それまで観ていた観客も全員が踊りました。とても気持ちよく、楽しかったです。これは病みつきになりそうです。
40人以下のチーム(U=40)のチャンピオン、JR九州チーム。銀河鉄道999の車掌さんのような衣装とキビキビとした動きが印象的でした。