2018-01-22 | ブログ
イベントなどたくさんの人が関わって開催したもののふりかえり、次回につなげるためにもとても大切なものですよね。
先日、市民の手づくりの大きなイベントのふりかえりの会をしました。
イベントのふりかえりといえば、もちろん「KPT」。
ファシリテーション協会では、スタンダードになっているふりかえりの方法です。
しかし、まだまだ周知されていなかったようです。
「わかりやすい!」「次もやる気になってきた!」など、前向きな感想をいただきました。
簡単ですが、ご紹介します。
KPTとは
K: Keep 良かったこと、継続したいこと
P: Problem 気が付いたこと、問題だと思うこと
T :Try こんな風にしてみては?こうしたら良いかも!
の略です。
私は、以下のように使っています。
矢印があると、何をどうしたらいいと思ったのか?が分かりやすいと思われます。
そして、イベントに関わった人が(できれば)全員で話し合えると、充実した内容になっていきます。
一人で考えるよりも、複数の人で話し合ったほうが記憶もよみがえり、多角的な視点でふりかえることができます。
予め、枠をつくっておくと、何をするべきなのかがメンバーに伝わり、サクサクと話し合いが進みました。
まとめるのも、分かりやすい。ということは、参加していなかった人にも分かりやすい!です。
次のステップは、このふりかえりをどのように次のイベントなどに活かしていくか、ですよね。
ふりかえりの記録があることを忘れないようにしなくては!
まとめ方も大切です。メンバーが変わっても引き継いでいけるよう思いと工夫を込めてまとめようとしています。
2017-12-29 | お知らせ
ここ数年、木造密集市街地の防災に取組んできました。
昨年、今年は女性のボウサイに特化して試行錯誤してきました。
そんな取り組みが中日新聞さんが取り上げてくださいました。
わいわいとお話をしながら、「こんなこと、調べてみようよ」「これは大事なことだからお知らせしたいね」などと情報を整理しながら町内にもお知らせしてきました。
参加していても、勉強になり、楽しいミーティングです。
これからもご一緒に調査研究していきたい皆さんです。
そして、ステキな記事にしてくださった記者さんに感謝です。
(中日新聞2017年12月29日)
2017-12-21 | ブログ
先日、小学校6年生に「租税教室」をさせていただきました。
税務署で講師養成講座を受け、税金が何に使われているかを問うDVDをお借りして視聴しました。
このDVDが侮れず…(「マリンとヤマトの不思議な日曜日」というタイトルでした。youTubeにもありました。)
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwin9sjgmJvYAhVFyrwKHRglCKMQtwIILDAB&url=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DWfDSWNFlnZg&usg=AOvVaw29e6f7bwYN6US62jhg2rG5
小学校6年生向けのアニメです。
あらすじは、
ある日曜日、男の子と女の子の兄弟が目覚めると、税金がない社会になっていました。
道路を行こうとすると道路はボロボロで通行料まで取られる。
火事が起きたら、119番に電話しようにも消防車も来ない。
小学校も授業料がかかる…
お父さんは公務員なので、リストラにあい、仕事がなくなる
という、見ているのが辛くなるようなアニメでした。
そして、目が覚めて、税金を払っていてよかったんだね。という最後でした。
目には見えていないけれど、税金で賄われていることはたくさんあるのだなぁと改めて感じました。
小学校6年生に向けてプログラムづくり
アニメを見て考えたこと、考えてほしいことを小学校の45分授業(大学の授業の半分の時間)として行うには?
その中で(もちろん!)アクティブ ラーニングにしたいなぁと思い、プログラムを考えました。
1.4択のクイズを作成して、税金が使われているモノやコトを考える。
2.そもそも税金は何のために払うのか?についてグループワーク
3.2で考えた目的を果たすためにはどのようなことに税金を使えばいいと思う?についてグループワーク
4.ふりかえり
としました。
2.3.のときには、紙を付箋紙に見立てて黒板にグループ分けしながら貼ってもらいました。
やってみると
ついつい、クイズの解説が長くなってしまいました。
担任の先生のご厚意で、少し延長させていただきました。(申し訳ないです)
小学生は、そもそも税金は何のため?については、
・みんなが幸せに暮らすため
・国、県、市がよくなるため
という財政学の基本理念のようなものがささっと書かれました。
小学生、鋭いなぁと感心してしまいました。
何に使ったらよいと思う?については
・保育園を造る
・小学校を修繕する
・道路を修繕する
というような答えもありましたが、なんと。
・災害にあった人のために使う
という答えが複数ありました。
大人よりも、社会全体のことを考えているなぁ。小学生、侮るべからず!です。
感想、その後
この授業をさせていただいて、改めて税金について考える機会をいただけたことに感謝します。
大学の講義中、最後に時間をとって、クイズだけやってみました。学生でもどこに税金が使われているのか少し迷いました。学生のほうがいろいろな知識があるので、全部税金が入っているよねということで迷ったこともあったようです。
そもそも税金とは?その目的を達成するためにはどのように使えばよいのだろうか?ということだけでも、対話のテーマになりそうです。哲学を考える「哲学カフェ」というのがありますが、税金を考える「税金カフェ(では、あまりにもストレートすぎますね)」に参加してみたいなぁと思いました。
「税金カフェ」→「財政カフェ」→「私たちの暮らしを良くする税金について対話する」…素敵なタイトルが浮かびません。残念です。
2017-12-11 | ブログ
AIと言われれば、対話の手法のことですね?と聞きたくなるのですが、こちらは人工知能…
12月8日(金)~10日(日)に人工知能学会 市民共創知研究会「みらいらぼ 名古屋」が開催されました。
未来茶輪(みらいかふぇ)のゲストが、この研究会の幹事さんというご縁で未来茶輪のことを報告してきました。
人工知能、進歩してました!
名古屋工業大学の情報工学、土木、デザインの3研究室で研究中のweb上の合意形成システム(COLLAGREE)では、ファシリテーターとしてお手伝いさせていただいたこともありましたが、私の認知度が低く…
「AIがファシリテーションなんてできるのかしら?やっぱり、人間でなくちゃ!」と思っていました。
ところが、ファシリテーターの支援ロボットを製品化している企業もあったのです。
というのをファシリテーターの友人に教えていただき、興味が少し湧いてきました。(でも、まだ半信半疑)
研究会に出てみると
ファシリテーターが読みながら進める「場の空気」。これをどうやって読ませるか?を研究している研究室があったのです。
キーワードを抽出したり、心拍数で測ろうとしたり、熱センサーなど、さまざまな方向から「場の空気」を読もうとしていました。
やっと友人の言ったことが理解できてきました。
ところで、ファシリテーションの手法に「グループ プロセス コンサルテーション」というのがあります。
http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/NINKAN/kanko/pdf/bulletin14/02_07.pdf
これは、話し合いには、コンテンツ(内容)とプロセス(時間や目的、目標などのタスク プロセス、人間関係などのメインテナンス プロセス)がある、ファシリテーターが介入するのは、プロセスである。このプロセスに特化して介入するファシリテーションの手法があります。
研究会の発表を聴いていると、なんとなく、グループ プロセス コンサルテーションの考え方を使って、内容とプロセスを分けて考えたほうが、もっとスッキリと分析できたり、AIに任せたりできるのでは?と思いました。
3日目は、共創のセッション
3日目は、技術者と非技術者(と言うそうです)がコラボして、2日目の発表を組み合わせて、こんなことができるのでは?というプロジェクトを作ります。
そして、研究会の後、技術開発していくことを期待。というセッションでした。
友人の提案からヒントをいただき、2つのプロジェクトに関わることになりました。
1つは、コンテンツに関わるプロジェクト。
グループワークの中で出てきたキーワードを抽出して、マインドマップにしていく。というものです。
きっと、発散のフェーズから収束のフェーズに移ったときに議論の流れが見えるので、ファシリテーターの強力なサポートとなるのではないかと思います。
http://www.mirailabcci.com/projects/273
もう一つは、プロセスに関わるプロジェクト。
参加者の音を聞き分けて、ひとり持ち時間を5分程度としたら、それぞれの話した時間を累積してカウントして、持ち時間が過ぎたら「○○さん、5分経ちましたよ」と言ってくれる。
その際、誰が何回発言したかもカウントしていて、「○○さん、まだお話していませんね」と教えてくれる。
というものです。
http://www.mirailabcci.com/projects/272
この二つのことを教えてくれると、ファシリテーターを始めた人や経験があっても熱が入るとついつい…という場合に役立つのではないかと思います。
この、プロセスに関わるプロジェクトは、なんと!卒論で扱っている学生さんがいて、卒業論文の提出が終わったら取り組んでくれることに!
これから、新しい楽しみができました。
(いろいろなところにアンテナを張っていることは大切なことだと、痛感しました)
この他、高校生の女子が(なんと、発表もしてました!)提案したプロジェクトで「学校の授業の質を向上させたい」というものもできました。先生のジョーク、寒い。。。と言われるような授業で、本当にみんなの体温が低いのか?から始まって、先生が学生の体温などを参考にして、自分の授業を見直してほしいという願いのこもったプロジェクトです。
いろいろと活用できそうなプロジェクトで、あんなとき、こんなことに応用できるね!と早くも使い道に話が進んでいきました。
とても楽しい、研究会でした。
ファシリテーションも新しい分野に挑戦!AIとの親和性、意外に高いものでした。
ご報告
未来茶輪は全46回続けてきました。そこを評価され、「ベスト プラクティス賞」をいただきました。
これは、一緒にマスターズをしてくださっている方、参加してくださる方、応援してくださる方、名古屋都市センターさんのお力です!
みなさまに感謝です。
2017-11-24 | ブログ
先日、FAJ(日本ファシリテーション協会)中部支部のイベントがありました。
テーマは「未来をつくる 学生と社会人の対話カフェ」。
中心に学生と社会人が「働く」をテーマに1日対話をするという企画です。
対話の方法は、5つ。
午前中に1つ。
参加者自身が楽しいときや輝いているときの話を1:1でインタビューする「ハイポイント インタビュー」
午後から、分科会形式で4つ。
ワールドカフェ、ブラインドカフェ、サークルカフェ、サイレントカフェ
でした。この中のサークルカフェのメイン ファシリテーターを務めました。
(近頃、対話の場のことを「カフェ」と呼ぶことが多くなりました)
サークルカフェとは
定例会の中で生まれた中部支部オリジナルの対話の方法です。
15人程度(が適切な人数?)で輪になり、トーキングスティックを持って対話します。このトーキングスティックを持っている人が話ができ、他の人は聴いているというものです。話し終わったら、トーキングスティックを真ん中に戻し、次に話したい人がそのトーキングスティックを持って話す、そして、戻す…を繰り返して対話が進んでいきます。
FAJのメンバーである中野民夫さんの『ワークショップ』にも書かれていた対話の方法で、ネイティブ・アメリカン(本にはこのように記載してあったので)の昔からの対話の仕方をベースにして、アレンジを加えました。
サークルの真ん中に火を置き、「みんなが持ち寄った経験や知恵などが薪となります。そして、お互いに敬意をもって聴こうという気持ちが発火材になり、他の人の話をよく聴くことで理解の火花が散るのです。」(『ワークショップ』p6)
『ワークショップ』に紹介されていたのは、焚火を中心におき、トーキングスティック(枝)を持った人だけが話せ、他の人は口を挟まずに聴く、というものでした。時間やテーマなど所与のものがある中での対話、ファシリテーション グラフィック(板書のようなもの)を加えたのがオリジナルな部分です。
イベントでは、40分強の時間で行いました。
テーマは、ハイポイント インタビューとワールドカフェでの対話の中での気づきや感想を語ってもらい、そこから今の気持ちに近いものを考えました。このときは「職場で価値感(年齢や文化も含む)を越えて対話すると?」にしました。
アイスブレイクを兼ねて一言ずつ感想などを発言しながらスティックを回すことを2周、その後はトーキングスティックをサークルの真ん中において、話したい人が取りに行って、話すということを繰り返しました。
ファシリテーターはその間、グラフィックをしました。みなさんがトーキングスティックの使い方に慣れてくると、ファシリテーターの介入がなくても対話が進んでいました。
最後に一人一言ずつ、ふりかえりを言って終わりとしました。
終わった後の感想は
じっくりと問いかけに向き合えた。
親子で参加してくださった方は「こういう話を真面目に子どもとしたことがない。なかなかできないので、今日はとても良い機会だった」とおっしゃてくださいました。(これを受けて、お子さんもいろいろな人がいるので話を素直にできた、とおっしゃっていました)
価値観が「違う」を前提に対話する。
モノサシをたくさん増やそう、そうすれば相手の話や考えを理解できるようになる。
共感して理解しても、実現できないこともある。いろいろな人を広く受け入れられるようになりたい。
などの深いふりかえりが出てきました。
そして、ファシリテーターを務めた感想は、
15人で進める対話の時間は、40分では少ないだろうか?15人一度での対話(ワールドカフェでは1テーブル4人程度)は精神的にきびしいものになるのでは?と懸念していました。しかし、参加者の皆さんが、ルールを守ってくださり、傾聴をしてくださったお陰で、じっくりと深い話し合いができたと感じました。40分で終わるというしばりがなければ、もっと話せたのかもしれません。(『ワークショップ』にあるように一晩でも可能かも)
対話を聴いていた立場でも、ファシリテーターという立場でも、じっくりと話せたという達成感が持てました。
対話の満足度は、発言量の多寡ではなく、自分がどれだけその場に存在していたのか、自分がその場に存在していたことが貢献になったという実感を得られたことが影響するのではないかと思いました。
「対話をする」「対話の場をファシリテートする」ことには深い学びや気づきがありそうです。そんな機会を得られたことに感謝しています。