2014-02-21 | ブログ
愛知県岡崎市に昨年10月にOka-Bizというビジネスサポートセンターができました。岡崎市出身のビジネスコーディネーターの高島舞さんがビジネスの側面から岡崎を元気にしたい!という強い想いが発端となった、新しい形の中小企業のサポートセンターです。このセンターが主催したセミナーが毎月2~3回開催されています。2月20日に参加したセミナーから気づいたことなどご紹介します。
講師は株式会社ユーグレナ(会社を興してから5~6年で東証マザーズに上場)の代表取締役の出雲充氏でした。講演の概要は、
ユーグレナはミドリムシの学名で、学生時代にバングラデシュのグラミン銀行でアルバイトをした経験から、世界の貧困層の人々に足りないのは炭水化物ではなく栄養バランスなのだ!と知り、10億人に栄養バランスのとれた食を届けるため植物と動物の栄養素を持つ「ミドリムシ」が最適であることを探りあてたこと。そこからはミドリムシ一筋。ミドリムシの食品や医療分野への展開、バイオ燃料からジェット燃料の開発まで手掛けていること。など
熱く語ってくださいました。
この話の中で、起業することとまちづくりってとても似ている部分がありました。というか、ほとんどが似ていることに気がつきました。フィールドが違うだけなのですね。
よそ者、若者、バカ者。この3者がいることがまちづくりの条件といわれています。起業もそうだったのです。(たいへん失礼ではありますが)寝ても覚めてもミドリムシのことを考えて行動しているバカ者の代表取締役。この傍らには、協働する若者兼バカ者のお二人の仲間。この2者のたゆまぬ努力。そこによそ者である大手商社のサポート。これらが出会ったとき、代表取締役の熱い想い、「ミドリムシで世界を救う」道がぱぁっと開けたのです。
まちづくりの物語とシンクロしていました。
そして、もうひとつ大切なことに気づきました。出雲氏の熱い想いは、世界を救う!という高次元にあったのです。これがたゆまぬ努力を続けることができた原動力なのだと確信しました。この点もまちづくりと起業、企業も同じでした。たぶん、物事を継続していくためには「自分のため」ではなく「他人のため」という次元の目標なり目的が必要なのです。だからバカ者といわれてしまうのでしょう。その熱い想いがまちや社会、世界を変えていくのです。
熱い方のお話を聞くと、こちらまで熱くなってきます。私も設立当初の気持ちを持ち続けていこうと再確認しました。
2014-02-19 | ブログ
昨年は「HUG(避難所運営ゲーム)で多様性センスを磨く!」というワークショップを地域の方々を中心にして行いました。
その締めくくりで、FAJ(日本ファシリテーション協会)中部支部の定例会でも行いました。そのときの参加者はファシリテーションを学んでいる小学校の先生や企業で働く方々でした。
予想以上の反応で「会社の社員教育に活用できるかも」「小学校の教師が体育館のカギを開け、一番初めに避難所の設営をしなくてはいけないが、どうすればいいのかわからなかった。他の先生にも伝えたい。」などの感想をいただきました。
FAJ中部支部では、2月に次年度の定例会の予定を組みます。先日の定例会で、たまたま、HUGに参加してくださった方お二人と同じグループになりました。他の方にHUGをお勧めしてくださり・・・
次年度、そのお二人とともにHUGで定例会を担当することになりました。
企業研修や小学校の教師の方向けなど、さまざまな場面で活用できる知恵を集める事ができそうです。
(株)ユナイトの臨床心理士、成田さんと始めたアレンジしたHUGですが、いろいろな分野の視点を入れ込みながら、いろいろな方々を巻き込みながら広がりを見せていきそうです。
今年の課題は、「広がり」「つながり」かもしれません。
今後のHUGの広がりにご期待くださいませ。
ちなみに、参加した小学校の先生の一番の感動は・・・
体育館にまず道路をつくること、だったそうです。HUGを始める前に体育館内の壁沿い、6分割するように大きな幹線道路をつくります。これは、都市計画と同じで、各家から他の家の敷地を踏まずに道路へ出られるようにします。そのあとで、必要であれば細かく道を作っていきます。すると避難所もすっきりとして、他のご家族に迷惑がかからないようにできます。避難所として受け入れると同時にしておきたいことです。避難者が避難所に入り始めてからでは、一旦落ち着いたのの場所を移動してもらわなくてはいけなくなってしまいますよね。
ここに、小学校の先生は大感動されたようです。そして、避難所の運営について、なにも知らなかったことを改めて自覚したと。
名古屋市さんの「避難所運営マニュアル」に記載されていたことなのですが(^^)。
こうなってくると、小学校の先生方にも体験していただきたくなってきます。
小学校の先生、地域の方々、小学生も一緒になって体験すると、みなさんの知恵が結集していくのだろうと思います。そして、地域の活動になかなか参加できない働く世代の方々にも参加していただきたいなと思っています。そのためには、企業でHUGをするのが一番確実です。来年度(といっても今年ですね)の定例会の影響が楽しみです。
2014-01-26 | ブログ
http://www.city.nagoya.jp/shiminkeizai/page/0000054595.html
昨年9月~12月の間に4回に分けて行われました、名古屋市さんのコミュニティ講習会。区政協力委員さんや町内会など地域のさまざまな組織の方々を対象に行われる講習会です。
今年は、「会議運営のコツ」も盛り込む講習会とするために、お声をかけていただきました。
コミュニティ講習会は3部構成でした。
1.人権について
人権擁護委員さんから児童虐待の通報について、DVD観賞とお話がありました。
2.事例発表
(1)防災組織を町内会で結成し、活動している事例
(2)防犯カメラ設置モデル地区となったことを契機に、防犯活動をしている事例
3.会議運営のコツ
☆会計の透明化 監査の立場から会計事務を見る
☆会議運営 自己紹介をファシリテーショングラフィック
ご高齢な方のご参加が多かったにも関わらず、活発な意見交換をしていただいたり、「板書」をしていただきました。失礼な話ですが、板書=ファシリテーショングラフィックは、あまりやってくださらないのでは?という懸念が少しだけあったのですが、しっかりとこなしてくださったのは、さすがでした。
ファシリテーショングラフィックのお題は、「自己紹介」でした。ご自分の普段の活動の紹介や課題の共有まで、短時間でさまざまなお話ができたようです。
この講習会のお陰で、ファシリテーションに年齢は関係ないこと板書はお得意な方がいらしゃること、話し合って意見交換したいと思っていらっしゃることなどを感じた講習会でした。
コミュニティ講習会とは別に、肩書に長がつかない、長を支えている方々が集まって、地域の情報や課題を共有する場があると、課題解決のヒントがみつかったり、役へのコミットメントが高まるのではないかと思いました。
2014-01-16 | ブログ
とても心に残るワークショップだったのだと思います。せっかくですので、その気付きをここで共有します。
1.エッジのきいた言葉は、自分の心に響く。共感する人が増える
ワーク中、常に「エッジがきいたことば」を心がけました。
このごろ、よく「エッジをきかせて!」という言葉がFAJ(日本ファシリテーション協会)で聞かれました。エッジ?どんなことなんだろう?といつも???でした。たぶん、ちょっと昔でいう「とがった」というような意味としておきます。
エッジのきいたことばにしようとすると、自分の心をごまかせなくなってきます。エッジがきく、とがった言葉は、自己開示しないとでてこないのでしょう。
すると、その言葉がピンときます。心のパズルにピタッとはまるのです。きっとその言葉に込めた心が、想いが伝わるのです。その言葉をわかりやすくブレイクダウンさせると、胸を打つといわれる言葉になります。
その言葉の深さやレベルで伝わります。共感する人も、そんなレベルにいてくれる人がたくさんいることでしょう。そして、何より自分の心に響くのです。
エッジがきいた言葉には、そんなパワーがあったのですね。
2.胸を打つ言葉を浸透させるには?
できあがった組織のビジョンを組織のメンバーに浸透させ、ビジョンの実現に向かっていくにはどうすればよいのでしょう?
現時点では、この逆をすればいいのでは?と単純に考えられます。
ビジョンを伝えるワークをしてみてはいかがでしょうか?
ビジョンについて対話する。対話して深め、メンバーの心の中へ沁み込んでいくワーク。そんなワークに参加してみたい!と思います。
ところが、ふりかえってみれば、毎年、「子どもの権利に関する条例」の普及として、「子どもと大人の合同ワークショップ」というのをしていました。この中で、大人には「なぜ、子どもの権利を守ることが大切なのでしょう?」という問いとともに、対話していただいていたのでした。
このときの大人の対話の内容は、子どもの権利を守るという直接的なものから深まり、大人の務めに発展していきました。
対話し、深めることで自分ごととして考えるようになるということではないでしょうか?
「対話」によって心に浸透させることができるのだと思います。
2014-01-14 | ブログ
1月12日(日)、13日(月)で、会員となっているNPO法人日本ファシリテーション協会(通称FAJ)中部支部の合宿に参加してきました。毎年行っている1泊2日の密度の濃い合宿です。密度が濃いだけあって、気付きや学びがたくさんあります。
合宿での気づきや学びをご紹介します。
【ビジョンづくりの方法 ブランドマネジメント】
今年は、今までなかった「ビジョン」「ミッション」を作ろう!ということになりました。もちろん、FAJのミッションはあります。ビジョンは無いのですが…
もちろん、ファシリテーションを学ぶNPOですので、ファシリタティブ(?)にみんなが参加してつくる、そして、新しい方法に挑戦しながらのつくります。今回は、名古屋工業大学の加藤雄一郎教授の『ブランドマネジメント』の考え方、手法をアレンジして作りました。
STEP1 特徴や資源のリストアップ(100本ノック)
STEP2 関わりたい対象者の想定
STEP3 So What? 質問によるVTree(V=Value)の作成
STEP4 FAJ中部の存在価値を明文化
誰に対して、その人がどうありたいために、どんな資源・能力を使って、どんな価値を提供するのか
このステップを踏んでビジョンを作ってみました。
【1日め STEP1、STEP2、STEP3の途中】写真上
私たちの特徴や資源を付箋紙に100枚書く→カテゴライズする→受益者(顧客)を特定する→So What?を問いかけながら特徴や資源をまとめる
(1日めは特徴をまとめるまで)
☆気づき☆
・時にはゆるやかなカテゴライズが発想を促す
・受益者を置くことで、具体的なイメージができ、So What?の問いかけが有効になる
・So What?を常に、何度も問いかけることで、具体的な特徴が導き出される
・エッジがきいた言葉を心がけることで、潜在的な意識が浮上し、心に刺さる言葉がみつかる
【2日め STEP3 STEP4】
1日めの続き(私たちが提供できる価値、受益者がどのようになるのか)→ビジョンとしての言葉にまとめる
(NPOの合宿なので、1日で帰る人、2日めから参加する人がいました)
☆気づき☆
・ファシリテーターの在り方、介入の仕方次第で、グループのプロセスが変わる
・関係性ができあがったグループに参入するためには、まず同化する(入れてくださいと意思表示する)、お互いが受容感をもってから(それまでは黙って話を聞いている)、メンバーとして話し合いに入る
お互いの受容感なく、関係性ができあがったグループに入ると、そのグループは混乱する。崩壊の恐れもある。
STEP4の作業では、3つのグループで共有しあいながらビジョン、ミッションをつくりました。
最後に、それぞれのグループから希望者を出して、まとめ、その場にいるみんなの合意を形成しました。
☆気づき☆
・このようにつくったビジョン、ミッションに対しては、合意は早く、コミットメントも高い
・たくさんの人がなんらかの形でビジョンづくりに参加、関与すると、コミットメントの高いビジョンとなるだろう
*参加、関与していない人のコミットメントをどのようにして引き出すかが課題。